2017年8月23日水曜日

獣医学を知らない素人が決めた加計学園獣医学部新設

 今治市の加計学園獣医学部新設問題で、「総理のご意向」を告げられたと証言した前川喜平・前文科事務次官にインタビュー。「ご意向」のもと、文科省が成功をおさめていた「共同獣医学部構想」とはまったく逆の方向で、“素人の説明・評価”によって官邸が獣医学部新設を進めようとしていたと前川氏は語った。


 「獣医学を知らない素人が決めた加計学園獣医学部新設は、税金のムダ遣いになる」と懸念する前川氏

◆文科省が進めていた「共同獣医学部」は成功している

――前川さんが事務次官になる前から、文科省は国際水準に達していない日本の獣医学部のレベル向上をはかろうとしていましたね。

前川:文科省としては、「量の拡大」ではなくて「質の向上」が課題でした。獣医学教育を国際水準に引き上げるために、獣医学部がある16の大学同士で協力関係を作って質を高めようと考えた。これが「共同獣医学部構想」(大学同士の獣医学部の合体)です。すでに取り組みが始まっていて、成功していると思います。

――16大学のうち8大学で再編が進み、鹿児島大学と山口大学をはじめ4つの共同獣医学部が誕生。文科学省は国家戦略諮問会議の配布資料の中で図示しています。

前川:そうなのです。「黒い猫でも白い猫でも(何でも)良かった」と国会で発言した加戸守行・前愛媛県知事(今治商工会議所特別顧問)は2016年9月21日、国家戦略特区の今治市分科会で「世界に冠たる先端ライフサイエンス研究を行う国際教育拠点」と「アジア・トップクラスの獣医大学・学部」を作ると説明したのですが、それなら共同獣医学部を作るべきです。

◆獣医学部新設は、国際水準にレベルアップしようとする文科省構想に逆行

前川:獣医学部新設は、国際水準までレベルアップをしようとする文科省の構想と逆行しています。加戸さんは獣医学について素人だし、「実に説得的だった」と評価した八田達夫教授(国家戦略特区ワーキンググループ座長)も同じく素人。素人が説明をして素人が評価しただけで、専門的な見地から検討されていなかったのです。

 獣医学の教員のマンパワーは限られていて、新たに獣医学部を作れば人材が足りなくなるし、安倍首相が言うように「(獣医学部新設の)2校目、3校目を作る」というのも論外。専門家たちは「実態を知らない素人の発言だ」と口を揃えて言っています。

◆加戸守行・前愛媛県知事は、地元に大学が来れば何でもよかったのでは


 獣医学部新設を喜ぶ加戸守行前愛媛県知事(右)は前川氏の文科省での先輩にあたる

――前川さんの元上司でもある加戸守行・前愛媛県知事は、なぜ“古巣”の政策(共同獣医学部構想)に逆行する主張をしたのでしょうか。

前川:加戸さん自身が文科省で高等教育行政をほとんどやったことがない。文科省OBというよりは愛媛県知事経験者として、とにかく地元に大学が来てくれれば良かったのだと思います。国家戦略特区の目的は「日本中でどこにもないものを作って国際競争力の強化と国際的拠点を形成する」ということ。もし作るのであれば「国際競争力」のある、「国際的拠点」と言えるようなものにしなければならない。

――しかも加計学園の場合は、教員と学生の比率が約1対3(国立大学は約1対1)という国内最低レベルです。

前川:(国際競争力のある国際的教育拠点になるのは)ありえないですよ。計画をどうやって実現するのか、本当に質の高い教員を集められるかという具体的な道筋については何一つ語っていない。それでも、獣医学部新設が決まってしまうわけです。

 さらに前川氏は「加計学園獣医学部新設の“司令塔役”は和泉洋人首相補佐官だろう」とも指摘する。また、今治市民からは加計学園の建設費水増し疑惑・賄賂疑惑に関する告発も出てきた。これら多くの疑惑が未解決の加計学園問題について週刊SPA!8月22日発売号掲載記事「加計学園 黒幕と補助金水増し」では、さらに詳しくリポートしている。

増税

安倍氏と財務省の関係を考えてみると
安倍氏は消費税増税を約束しておきながら二度も延期した。
安倍氏にとっては支持率が大切で、
そのためには増税なんてできない。
株価と為替の官製相場を作り出し数字を気にしている。
財務省にすれば、全てが許せない。怒り骨髄である。

財務省としてはこのまま安倍政権が続くなら安倍氏に増税をやらせるしかない。
やらないというならやめてもらうしかない。

財務省の側から考えると、
森友に大幅値引きして土地を提供する理由もない。
理由があるとすれば、安倍氏をコントロールできることである。
ことが明るみになって、財務省の傷を負うが、所詮組織なのだから、
別の人が役職を担当すればよいわけで、
佐川氏はほとぼりがさめるまで身を潜めていればよい。
武藤氏のようにノーバンしゃぶしゃぶの後でオリンピックの事務局長になる事もできる。
それなのに、すべての証拠は捨てましたと言い、さらにその人が
栄転して、国税庁長官である。まさかと思い、国民の怒りは沸騰する。それで良いのである。
しかも非常に強力な税務調査権を持つ。

これは財務省が安倍氏に配下に下れとメッセージを突きつけているようである。

安倍氏としては、官僚機構頭ごなしの特区機構に頼りたいところだろうが、
このようにして財務省が肉を切らせて骨を断つほどの作戦を採用して
いささかたじろいでいるのではないか。

そして誰が次の総理総裁になっても、
必ず増税しろ、しなければ、末路は同じだと、財務省は言っているようでもある。

署名1万706筆

 「課税なき所に統治なし」。納税は国家の基礎である。にもかかわらず、この国は税務署の最高責任者が国民から「辞めろコール」を浴びるありさまだ。

 きょう午後、大学教授や弁護士らが国税庁と財務省に佐川国税庁長官の辞任と罷免を求める署名1万706筆を提出した。

 国税庁の佐川長官自らに辞任を迫り、任命権者の麻生財務相には罷免を求めたのである。(主催:森友・加計の幕引きを許さない市民の会)

 1万706筆の中には現役の税務署職員による署名も含まれていた。「徴税の業務に支障をきたしている」とのメッセージが添えられていた、という。

 「市民の会」の醍醐聰・東大名誉教授に財務省正門前で話を聞いた。税務大学校で教鞭をとっていた醍醐名誉教授は憤りを隠さなかった ―

 「納税者は領収書の提出がなければ受けつけてもらえない。本当にこれで国家と言えるのか?あまりにもいい加減」。

 財務省は地方課広報連絡係の内村裕幸係長が、国税庁は財務相談室の大竹素彦相談官が対応した。

 醍醐名誉教授らが「佐川国税庁長官はなぜ就任の記者会見を開かないのか?」と問うと、大竹相談官は「諸般の事情により」と答えた。

 「会見を開くと国会答弁のウソがばれるからか?」と畳み掛けると「答えられない」と かわした という。

 「麻生大臣には(署名が)届くのか?」と聞くと内村係長は答えなかったそうだ。

 醍醐氏は「大臣には届かずにどこかで止まってしまう」「根元まで腐っている」と口角泡を飛ばしながら指摘した。

検察審査会で勝負かけます

「八木啓代のひとりごと」より抜粋>

「籠池氏逮捕&財務省は不起訴であっさり幕引き」路線は、検察にとって悪夢の

シナリオ、すなわち「強制起訴→有罪→国民の軽蔑と嘲笑が検察に向けられる」

可能性濃厚になってきてしまいます。

 一方で、私たちが、5月14日に出した「公用文書等毀棄罪」での刑事告発が

どうなっているか、という点ですが、こちらも、まだ、東京地検特捜部で

受理されていないという異例の展開になっております。

 当会の優秀な弁護士チームの方々が書かれた刑事告発は、過去8回、

すべてすみやかに受理されております。

最短では、翌日受理という前例も頂いているほどなのですが、今回に限っては、

2ヶ月半たっても受理されておりません。

 おかしいですね。告発事実と告発理由のところをコピペしていただければ、

被疑者否認でも、すみやかに裁判所から逮捕状が取れるレベルのものは

つくっているんですけどね。

 でも、これまた、同じ理由でしょう。特捜検察として、

最大のパートナーである国税庁の、その現長官を、財務省と官邸を敵に回して

起訴するなんてことが果たしてできるのか、という点では、大阪地検以上に、

忖度が要求されるところなのですが、とはいえ、不起訴を出してしまったら、

こちらも当会から、検察審査会に申し立てをされるのは、もうわかっているわけで

す。

 というより、もっとはっきり言ってしまえば、当会の告発状は、

「いまの特捜検察さんに起訴する度胸はないでしょうから、

検察審査会で勝負かけますんで、そのおつもりでね」ということが

、検察の方がお読みになれば、それはもう見え見えの文章だったりいたします。
抜粋終わり>

佐川宣寿国税庁長官逆襲

財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官。

早くも逆襲に転じたようだ。

些か旧聞に属するが、朝日新聞の関連会社、
朝日広告社が6年間で1億円の所得隠しを行っていた、
として5600万円の追徴課税。

社員2名が外注費の水増しなどで接待費を捻出していたとか。

業界では、この種の事はどこでもやっているらしい。

だから、“狙い撃ち”されたと見るのが自然だろう。

以前、大蔵官僚がノーパンしゃぶしゃぶの接待を受けていたなど、
その腐敗ぶりがメディアにさんざん叩かれたことがあった。

その結果、金融監督部門を切り離し、
今の財務省に衣替えする羽目に陥った。

ところが…。

「小泉政権が発足した直後の2001年頃から報復が始まる。
国税庁が、主要新聞、大手出版社、さらには民放キー局と、
マスコミに対して片っ端から税務調査を始めたのだ。
その調査は異常に細かいもので、記者が取材費の清算で提出した
領収証を1枚1枚チェック。
白紙領収証を使ったり、金額を偽造した領収証を特定して、
それを作成した記者まで事情聴取するという念の入れようだった。
そして、結果的にはいくつかの社が数千万円以上の申告漏れを
指摘された。

…メディアがその後、
どうなったかは推して知るべしだろう。

財務省の不祥事や批判がまったく
掲載されなくなったのはもちろん、
…財務省に操られたような記事が
どんどん掲載されるようになっていった」

朝日内部のリーク → 安倍(または麻生) → 国税庁(または佐川)

という流れ

佐川としては外局に出てほっとして世間の忘却を待ちたい気持ちなんだろうけど
完全に共犯者の立場に置いておきたい官邸が仕掛けている

国家戦略特区の件の告発状


           告発状


平成29年8月21日
松山地方検察庁 検察官 殿

告発人 

被告発人 寺井 政博(愛媛県今治市議会議員)
        菅 良二(愛媛県今治市市長)
       加計 晃太郎(学校法人加計学園理事長)
       渡邊 良人(学校法人加計学園事務局長)
     
 下記のとおり被告発人らの行為は、収賄罪(受託収賄罪及び事前収賄罪)及び強要罪及び 詐欺罪及び背任罪及び横領罪及び公職選挙法違反に該当するので、処罰を求めたく告発します。

                   記

1 告発事実

 被告発人寺井政博は平成8年より今治市内にある寺井建材の代表取締役をしている。そして、平成17年より4期連続で今治市議会議員に当選した。

 平成22年より、被告発人寺井政博は公益社団法人愛媛県浄化槽協会(以後「協会」と表記する)の会長に就任した。

 平成23年2月23日から平成24年2月23日まで被告発人寺井政博は今治市議会新都市開発整備特別委員会の委員長に就任したが、当時の今治新都市開発地区の出店情報、DCMダイキの出店の可否情報など、市役所の内部機密情報を外部の利害関係者に漏えいするようになった。

 さらに、平成25年3月1日から平成26年12月18日まで今治市議会新都市開発整備特別委員会の委員長に就任すると加計学園の岡山理科大学獣医学部新設があるという重要な機密情報について「俺のおかげ」「知事や誰とは言わないが日本の国で一番偉い人に頼まれてやっている」と、獣医学部の新設が安倍晋三首相の指示により、自分が獣医学部の誘致を行っていることを周囲に自慢し、機密情報を漏えいしていた。

 なお、平成29年2月28日から被告発人寺井政博は市議会国家戦略特区特別委員会の委員長に就任している。

 平成27年、協会の事務所に新事務所(鉄骨構造2階建て延べ床面積約100平方メートル)を建築する際、被告発人寺井政博は、愛媛県から天下りした参与の松井氏の知人で株式会社日創設計の濱本氏に設計を行わせた。実際の工事は合見積の形態をとって、前回の事務所改修工事を行った松山土建株式会社に選定し施工させた。

 しかし、この建築見積金額は市価の2倍の6000万円以上となっており、被告発人寺井政博の寺井建材に工事資材を発注する形で、本来の価格との差額分3000万円近くを着服した。この行為は刑法246条(詐欺罪)及び刑法250条(背任罪)及び刑法252条並びに刑法253条(横領罪)に違反する。

 そして、自分が今治市議会議員並びに、協会の会長であるという地位を利用して、平成22年より自分の支持者の親戚縁者を協会に縁故採用するようになった。

 平成29年現在、退職者も含めてその数は10名である。その手口は、公募採用とするが、実際は自分が縁故採用する人物が採用試験の点数が低く採用基準にまるで満たなくても、面接時に高得点にして合格させるというものであった。

 そして、被告発人寺井政博は、平成22年から平成29年に至るまで、市議会議員としての公務出張時、同時に協会の出張もしたことにして、今治市および協会の2箇所から出張旅費を二重に請求し着服していた。

 また、これに疑問を抱く協会職員がいても、被告発人寺井政博の縁故で採用されているため着服を拒否できず、また協会職員間でも被告発人寺井政博の一連の悪事の数々を隠蔽するための強要行為が日常茶飯事となっていた。この行為は刑法223条(強要罪)及び刑法246条(詐欺罪)及び刑法250条(背任罪)及び刑法252条並びに刑法253条(横領罪)に違反する。

 平成22年から29年にかけて、被告発人寺井政博は協会職員を自身の選挙活動に動員し選挙ポスター張りなどを行わせていた。この行為は公職選挙法199条及び199条の2及び199条の3 に違反する。

 この際、悪質なことに被告発人寺井政博は協会内に政治連盟なる政治団体を設置し、選挙名簿の送付および協会の資産を自身の政治活動のために横領し、職員に命令して政治活動を行っている。この行為は刑法246条(詐欺罪)及び刑法250条(背任罪)及び刑法252条並びに刑法253条(横領罪)及び公職選挙法199条及び199条の2及び199条の3 に違反する。

 平成27年6月4日、被告発人寺井政博は菅良二と加計晃太郎らと共謀して、内閣府国家戦略特区における学校法人加計学園岡山理科大学の獣医学部新設の申請にあたり、複数の当時の市議会議員および現職市議会議員に対し、1000万円の賄賂を渡していた。この行為は刑法197条(収賄、受託収賄及び事前収賄)に違反する。
 
 このことが本当か確かめるため、告発人は平成29年7月26日、今治市議会が乃万公民館にて開催した第4回議会報告会の質疑の場において「菅良二市長から1000万円賄賂をもらっていない者は起立してください」と問うたら、松田澄子議員と渡辺文喜議員だけが起立した。被告発人寺井政博は他12名とともに起立しなかった。そのため、告発人は被告発人ら計13名の市議会議員が贈収賄の事実を認めたものとして松山地方検察庁に7月27日(その後7月31日訂正して再提出)で告発した。

 平成29年7月28日、松田澄子議員から「今日午後、今治市議らほぼ全員が集まり7月26日の議会報告会の情報交換をした」との話があった。7月27日、告発人が松山地検へ告発した件が世論において全国的に予想以上の反響を受けていたため、7月28日で議員間で口裏あわせをして隠蔽工作をした模様である。

 平成29年7月28日、今治市議会が別宮公民館にて開催した第4回議会報告会の質疑の場において、告発人が市側からマイクを渡され「加計学園や加計孝太郎や菅良二市長から1000万円賄賂をもらっていない者は起立してください」と問うたところ、出席していた13名の市議会議員で即座に起立した者はいなかった。

 平成29年7月29日、前日の告発人がいた報告会に出席して起立しなかった黒川美樹議員に関係者が「賄賂をもらっていないのに、なぜ起立しなかった」と問うたところ「議会の雰囲気というのがあり、自分の意見や行動が自由にできないようになっている。潔白な人が自ら起立させないようにしているので自分も立てなかった。」ということであった。そのため同議員については告発対象から外した。

 しかも、7月27日の松山地検への告発において被告発人として対象になっている松田敏彦議員についても、関係者が聞き取りしたところ「議会の雰囲気があって、自分から潔白だと言えない。しかたないんで、自分は告発対象者のままでいい」と話したという。

 両議員の話により、7月27日分の告発状(その後7月31日訂正して再提出)における被告発人寺井政博らによって両議員に対する強要行為が行われていることが判明した。これは刑法223条(強要罪)に違反する

 そのため平成29年8月1日、告発人は計12名の市議会議員を贈収賄で松山地方検察庁に告発した。これによって贈収賄を認めた今治市議会議員は全部で25名になった。この行為は刑法197条(収賄、受託収賄及び事前収賄)に違反する。

 この事実を、告発人はブログやツイッターなどで全国に報じた。すると、爆発的な反響があり複数の投書が寄せられた。

 また、平成29年8月1日、加計学園の元関係者から「加計晃太郎から今治市などの政治家への賄賂は事務局長の渡邊良人が運んで渡している」との証言が告発人にあった。

 平成29年8月9日、告発人が共同代表をつとめる今治加計獣医学部問題を考える会(以後同会と表記する)の共同代表の黒川敦彦氏宛に匿名で被告発人らの悪行を告発する文書が郵送されてきた。

 さらに平成29年8月10日、同会の黒川氏に電子メールで今回の告発人が贈収賄対象とした議員のうち18名が確実に収賄をしていると証言する者があった。

 平成29年8月19日、告発人に対して、被告発人寺井政博の関係者から「今年の5月ごろ会合で寺井本人から『俺、今回の獣医学部誘致で市長からカネもらったんだよ。』と自慢げに話された。」という証言があった。

 さらに地元政界関係者から「獣医学部設置で議会が反対しないよう、国家戦略特別委員会の委員長である被告発人寺井政博議員に、他の議員に分配してもらうため億単位のお金が、加計学園から市長を経由し寺井議員に渡されたのだが、寺井はこの収賄で得たお金を一部の議員にしか配らず自分でネコババしている。そして他の議員には誘致の議決に賛成するよう強要している。」と、この事実を裏付ける証言があった。

 一連の贈収賄が加計学園によって行われたことを裏付けるかのように、さかのぼること平成29年7月31日、妻が広島加計学園の教育審議委員を務める夫の自由民主党衆議院議員下村博文氏に対し、被告発人加計晃太郎の部下の加計学園秘書室長山中一郎が200万円の政治資金を渡していたことについて下村議員らが政治資金規正法違反で東京地検に告発された。これは、被告発人加計晃太郎が常習的に政治家へ多額の賄賂を渡していたことの証左である。
 
 このことからも、被告発人加計晃太郎が理事長の加計学園による今治市への獣医学部新設にあたり、被告発人の渡邊良人を通じて、被告発人の菅良二市長に約3億円の現金贈賄を行い、それによって、市議会議員が反対意見を言わないよう、菅良二がその収賄資金をもって被告発人寺井政博ら市議会議員を買収し、議会に全会一致の議決をさせていたことが明白となった。この行為は刑法197条に違反する。さらに被告発人は他の議員に渡す賄賂を独り占めし、他議員には獣医学部誘致に賛成するよう強要していた。刑法223条(強要罪)に違反し、議会制民主主義を踏みにじる悪質な行為である。

 このように、被告発人寺井政博は、今治市議会において獣医学部新設で市議会議員の意思決定をとりまとめる国家戦略特別委員会委員長の責任ある地位にありながら、その地位を悪用し、市の機密情報を外部の利害関係者に漏えいした上、利害関係者である加計学園から多額の不正な賄賂を受け取り着服していた。また、兼務する公益法人の会長の地位を悪用して、不正で違法な横領や背任行為、就職斡旋、政治活動を多数行っていた。

 さらに、今治市議会では有権者の民意で選出された議員一人ひとりの自由な発言と行動が、これら、一連の贈収賄に関係している議員らによって妨害され、獣医学部新設に反対せぬよう強要されていることも判明した。議会制民主主義がまったく機能しておらず、悪質であるので告発する。

2 罪名・罰条
 収賄罪、受託収賄罪及び事前収賄罪  刑法197条
 強要罪 刑法223条
 詐欺罪 刑法246条
 背任罪 刑法250条
 横領罪 刑法252条並びに刑法253条
 公職選挙法199条及び199条の2及び199条の3

3 添付書類
 8月9日の黒川敦彦氏への投書……1通
 8月10日の黒川敦彦氏への電子メールの投書……1通
 寺井建材株式会社の法人登記簿写し……1通
   
4 その他
 告発人は、今治商工会議所の会員でコンサルタント業をしているが、平成29年3月に、今治市で被告発人寺井政博が認可申請、建設を行っている学校法人加計学園岡山理科大学獣医学部について「バイオハザードによる環境汚染」「不正な公金支出があるのではないか」という指摘を知人らから受け、被告発人寺井政博を含む、多数の今治市議会議員、愛媛県議会議員らに獣医学部誘致の経緯について郵送で問い合わせた。ところが、回答者は1名だけであった。市民への情報開示や十分な説明がされないまま96億円もの巨額の公金が支出され36億円相当の土地が加計学園に無償で譲渡される点を不審に思うようになった。

 そのため、情報公開や、住民への納得のいく説明を求めて、自ら「今治加計獣医学部問題を考える会」の共同代表となり、ボランティアで活動するようになった。

 そして、同会では国や今治市に対して7800ページを超える大量の情報公開を行った結果、加計学園、今治市、愛媛県、国会議員、文部科学省などで長年にわたり議会から公務員にいたるまで収賄行為や行政プロセスに特定の利害関係者への利益誘導を行っている実態がわかってきた。

 被告発人寺井政博が、告発人らからの再三の問い合わせや質問に誠意ある回答を示さないばかりか、被告発人加計晃太郎が最高責任者である学校法人加計学園が今治市から36億円相当の土地を無償で譲り受け、96億円の公金をもらって獣医学部を開設させてもらうのに、加計晃太郎氏が市民の前に出てきて一度もあいさつ、自ら説明をしてこなかった事実は世間一般の常識からしても「おかしい」と思っている。

 地元の今治市では「菅良二市長が地元市議会議員らに1000万円のワイロを渡して、加計学園の獣医学部設置に反対しないようにした。」と政界関係者で話されている。

 7月27日の松山地検への告発以降、自民党議員の有力な関係者から「武田さんが松山地検に贈収賄で告発したことを聞いて、思い当たることがある。獣医学部新設の話が数年前に具体化してきて、当初反対してた議員たちが愛媛もいたのだけど、ある日突然、てのひら返したように全員賛成に回った。それから反対する人がいなくなった。だから、やっぱり賄賂があったと思う。」という話が告発人にあった。

 もし、今回、被告発人らが「収賄について潔白」であるのなら、告発人の問いに対して即座に否定できるのであり、できぬどころか、認めるというのは、民主主義、議会政治の根底を揺るがす重大な事態である。

 それだけでなく、被告発人らは今治市議会議員に対しても、獣医学部新設に賛成するよう強要行為を行っていたことが判明し、議会制民主主義を根底から揺るがす悪行を行っている。

 本件において被告発人加計晃太郎は国会への度重なる証人喚問にも応じず、週刊誌でも報じられたように逃げ回り隠遁生活を続けているのは、国民に対して、表に出て来て説明できない隠し事、収賄や詐欺のような悪事をはたらいていることが自明である。

 そのような人間が、国や自治体からの助成金や融資を受けておきながら、世間に公明正大な姿で情報開示せず、使途不明な支出を行っていることは国民全員に対する不利益であるので告発する。

厳正な処罰を求める。
:yk

2017年8月21日月曜日

アイドルグループ「欅(けやき)坂46」 イスラエル大使館 「ホロコースト(世界大戦のユダヤ人虐殺)の特別セミナーにご招待

2016年のことだが
アイドルグループ「欅(けやき)坂46」がハロウィンでナチスの軍服と類似している衣装を着ていた問題で、イスラエル大使館の公式ツイッターが「ホロコースト(世界大戦のユダヤ人虐殺)の特別セミナーにご招待したい」と投稿しました。
 
イスラエル大使館は一連の問題について、「タレントさんは多大な影響力があり、皆様がこの重大な問題について知識を持つことが重要です」と指摘。特別に欅坂46のメンバーを招待したいと投稿し、このツイートがネット上で話題になっています。

これも教育の問題

教育はいまどうなっているか推測する手がかり

愛媛県今治市で建設中の岡山理科大学獣医学部キャンパス。建築図面が流出
1~6階は講義室や実習室、実験動物飼育室などとなっているのだが、最上階の7階の図面には、教育施設として似つかわしくない表記が出てくる。「ワインセラー」「冷蔵ショーケース」「ビールディスペンサー」……。一体、何のための設備なのか。図面には「パントリー(配膳室)」と書いてある。隣は「大会議室」だ。つまり、会議室を“宴会場”として利用するための設備のようなのだ。

教育はいまどうなっているか推測する手がかりである

2017年8月19日土曜日

「移民国家」日本、外国人抜きでは社会が機能不全

「移民国家」日本、外国人抜きでは社会が機能不全に…年間約6000人の外国人実習生が失踪

 オウム真理教事件の陣頭指揮にあたっていた1995年、何者かに銃撃されて一時は命が危ぶまれた國松孝次・元警察庁長官。

 回復して復帰後は、スイス大使を経て役人の道を離れ、現在は救急ヘリ病院ネットワーク会長としてドクターヘリの普及に務めるほか、「社会が発展できるモデル」の構築を目指す「未来を創る財団」の会長も務めている。

 同財団の「定住外国人政策研究会」は、2015年、16年の2回にわたって定住外国人受け入れの必要性について提言を行い、政府や行政の関係者に働きかけている。また、メディア関係者に向けた勉強会を定期的に行っている。その内容を踏まえて、國松会長に「定住外国人受け入れ政策」について聞いた。

●人手不足でゼネコンも「外国人留学生歓迎」

 16年12月の法務省統計によると、在留外国人は約238万人。人手不足の切り札として存在感を増している外国人労働者は100万人を超える。コンビニエンスストアや外食チェーンでは、外国人の留学生や定住者に向けたマニュアルを作成し、外国人労働者が働きやすい環境を整備している。

 この問題について取材を進めると、「外国人労働者には本当に助かっている。彼らがいないと店が回らない。重要なパートナーだ」という声を聞く。

 人手不足が特に深刻な建設業界も対策に乗り出している。ある鳶専門の工事会社は、ベトナム人の技能実習生を多く受け入れている。同社の社長は「大切な戦力である。“奴隷”を入れるのではなく、自分の家族のように大切に扱っている。彼らがベトナムに帰ってもキャリアを積めるように、人生のお手伝いをしている気持ちで若い子を預かっている。それを理解してほしい」と語る。

 建設業界の人手不足は、専門工事業にとどまらずゼネコンにも押し寄せている。今春開催された、建設業界への就職を目指す学生向けの「みんなの建設業☆就職フェスタ」では、ゼネコンのブースにも「外国人留学生歓迎」の貼り紙があった。

 リクルーターは、「優秀な方であれば、外国人留学生でも女性でも、おおいに歓迎しますよ。優秀な就活生を獲得するのが我々リクルーターの仕事であり、もはや国籍や性別にこだわる時代は過ぎ去ったのです」と言う。

 また、筆者の近所の新聞販売所では多くのモンゴル人留学生が新聞を配達しているが、話を聞いてみると「モンゴル人がいなくなったら、明日にでも新聞を配ることができなくなりますよ。昔のように日本人の学生が新聞配達のアルバイトをしてくれることが少なくなりましたからね」という。

 今や、日本中で人材獲得競争の嵐が吹いている。企業や業界が外国人労働者の獲得に走るのは当然の流れかもしれない。

●外国人技能実習生の闇…約5800人が“失踪”

 安倍晋三政権は、基本的に移民政策は採らない構えだ。しかしながら、「高度人材」は積極的に受け入れ、外国人留学生の受け入れ要件も緩和し、技能実習生の受け入れも中国人からベトナム人、ネパール人に拡大しており、現実には外国人労働者が増えている。

 一方で明らかになっているのが、負の側面だ。法務省によると、2017年1月1日時点の不法残留者は約6万5000人、15年の外国人技能実習生の失踪者は過去最多の約5800人に及ぶ。

 ある専門工事会社の社長は、「外国人技能実習生に初日に逃げられるとは思わなかった。今はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)があるから、本国にいるときから計画的に逃げる準備をしていた。反社会的勢力に利用されなければいいが」と懸念する。

 これらの失踪者や不法残留者が日本の闇社会に入り、反社会的勢力と結託すれば、日本の治安に大きな影響を及ぼす。そう考えるのが、國松会長だ。同財団の「定住外国人政策研究会」の第2次提言は、以下の5項目からなる。

(1)政府としての明確な定住外国人受け入れ方針の策定
(2)定住外国人を「生活者」として受け入れる理念の明確化
(3)政府の責任で日本語教育を行うことの明示
(4)地域の定住外国人交流拠点の整備
(5)未来投資会議等の下に「定住外国人政策委員会(仮称)」の設置

 國松会長は、現在の日本をこのように見る。

「今、日本は未曽有の人口激減時代を迎えており、毎年20~30万人ほど減少しています。国は、女性や高齢者の一層の活用、イノベーションの推進による省力化と生産力の向上など、さまざまな施策を展開しており、それらは実り多い成果が期待されています。

 しかし、人口の激減による生産力の低下は、それだけで阻止できるものではありません。好むと好まざるとにかかわらず、外国人労働者の導入に頼らざるを得ない。これは、避けては通れない事実として直視しなければならない現実です」

●日本語学校の質低下が深刻…ビザ取得の抜け道に

 一方で、技能実習生の失踪や不法残留者が増大すれば、どうなるか。

 國松会長は「受け入れについてはきちんとした体制を整えないと、治安を攪乱する要因になります。なし崩し的に受け入れるのではなく、国が責任を持って統一した受け入れシステムを構築すべきであり、受け入れる側も覚悟が必要です」と指摘する。

「そもそも、治安の面から見て、警察OBは外国人受け入れには消極的なのでは」と質問すると、國松会長は「むしろ、治安を考えれば警察OBとしては当然の提言だと思っています」とにこやかに語った。

 これには、ライバルも多い。同じように少子高齢化を迎えている中国や韓国も移民受け入れ政策を検討することが予想されているのだ。國松会長は、「日本の労働市場を外国人にとって魅力的なものにすることは、まさに『将来への投資』。必要不可欠な施策と考えるべきです」と提案する。


 また、國松会長は外国人労働者の教育について、こう続ける。

「労働者として受け入れたとしても、入国したからには生活者になります。そのため、国の責任で日本語教育を行い、生活者として日本になじんでもらうように環境整備を急ぐべきです」

 定住外国人の受け入れに消極的な人たちは、「移民政策を採用しない限り、日本に外国人は流入しない」と考えているようだが、現実は違う。政府の緩和策によって、実際にはすでに多くの定住外国人が日本で生活しており、産業の現場では大きな戦力になっているのだ。

 国の責任で日本語教育を行うことについては、政治が動いている。16 年 11 月 8 日に超党派の国会議員による「日本語教育推進議員連盟」が発足し、今後は議員立法によって「日本語教育振興基本法(仮称)」の制定を目指す。同財団と同議連は意見交換を行っている。

 國松会長は、外国人向けの日本語教育の重要性を以下のように強調する。

「外国人向けの日本語学校のカリキュラムの内容や講師の質などについては、文部科学省が踏み込んで実質審査を行い監理・監督すべきです。地域によっては、実態がよくわからないような日本語学校が存在していますが、それではいけません」

 外国人が日本で生活者としてなじむために、日本語教育の充実は欠かせないという。しかし、外国人が通う日本語学校は質にバラつきがあるのが実情で、出稼ぎのためのビザ取得の抜け道になっている学校も存在する。質の悪い日本語学校のなかには、教育は二の次になっているところもあるのだ。

●中国人依存で廃校になる日本語学校も

 また、これまで海外からの出稼ぎ労働者といえば中国人が多かったが、今は日本語学校に通う中国人は減少している、これは、経済発展に伴って日本に出稼ぎに来るよりも沿岸部の工事現場などで働いたほうが稼げるという事情が背景にある。そのため、中国人に依存していた日本語学校のなかには廃校になるケースもあるぐらいだ。

 その代わりに、今はベトナム人とネパール人が増えている。しかしながら、多くはアルバイトで学費や生活費を稼ぎ、本国への仕送りを行っている。これでは、日本語の習得に身を入れるというのは現実的ではないだろう。

 さらに、國松会長は「在留外国人の対策について、行政は一体となってやっているかといえば、疑問があります。就労者や留学生に関しては入り口として法務省などの各省庁が担当しているだけです。生活者としての外国人の処遇や対策を、どうやって国の施策として生かすか。それが今、問われています。ほかの先進国には、その仕組みができています。そのため、日本でも議論が進むことが大切なのです」と語る。

 日本は国内法において移民に対する規定や定義が存在しない。また、國松会長の提言について、各省庁の反応は薄いのが実情だ。しかし、「本音としては、『何かやらなければならない』という空気に変わっている」(國松会長)という。

 現実問題として、生活者や労働者としての外国人が増加しており、その依存度も高まっている。そこで問われるのが、我々の覚悟だ。政府が移民政策に舵を切らないとはいえ、経済協力開発機構(OECD)によると、日本の人口における外国人の割合は1.6%で世界22位。十分に「移民国家」の当事者であるといえるのではないだろうか。

 少子高齢化が進む日本にとって、定住外国人の受け入れは最終選択であり、目の前に突きつけられている喫緊の課題といえよう。





2017年8月17日木曜日

インパール作戦 そのような人間が組織の中で栄達する

日本陸軍のインパール作戦、誰も責任を取らない、この国のいい加減さをテレビでは指摘していた。

大本営は命令したのに、資料を破棄、すべては部下が勝手に動いたこととする。
部下は、上司の命令だと言いはる。

そのような人間が組織の中で栄達する。悲しいことがだそれが現実である。

「野党とマスコミが追及できないように、事実上、海外に逃がした」

 今月3日に行われた内閣改造で外務大臣に任命された河野太郎氏。自民党の原発推進政策に公然と異を唱え、南スーダンPKOの日報隠蔽問題も追及してきた。ところが、外相という「アメ」を与えられた途端、鳴りを潜めてしまったようだ。

 森友疑惑で“渦中の人”となった総理夫人付秘書官・谷査恵子氏の在イタリア日本大使館勤務という“栄転”を認めてしまった。谷氏は、経産省のノンキャリア官僚ながら安倍首相の妻・昭恵氏を秘書としてサポート。何より、大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された籠池泰典前理事長と財務省をつないだ「口利き役」という、疑惑のキーパーソンだ。

 外務省はそんな重要人物を出向先として迎え入れ、谷氏は晴れて6日付で1等書記官に着任した。これ以上、野党とマスコミが追及できないように、事実上、海外に逃がした形だ。なぜこんな人事がまかり通るのか。政治評論家の山口朝雄氏がこう言う。

「常識的に考えれば、ノンキャリの官僚が在イタリア大使館へ栄転する人事はあり得ない。特別な人事を行うことで、政権に協力すれば褒美として出世させると官僚に見せつけたのも同然です。河野太郎氏も、外務大臣に“大栄転”したことで、官邸に歯向かえなくなっているのではないか。もともと、安倍首相が河野氏と野田聖子氏を入閣させたのは、自分と考え方の違う人間を閣内に入れることで、国民に対して謙虚な姿をアピールするためです。河野氏は、まんまと安倍首相の演出に一役買ってしまった。谷さんの人事をストップさせていれば、国民の河野外相に対する評価は跳ね上がったはずです」

 谷氏以外に、海外に出向したキーパーソンとして挙げられるのが、防衛省の前統合幕僚監部参事官付国外運用班長の小川修子氏だ。小川氏は、南スーダンPKOの日報隠蔽問題で実務レベルの責任者だったが、現在、在中国大使館の1等書記官を務めている。

 谷氏の“高飛び”をストップしなかった河野外相の責任は重い。

ーーーーー
もともと、大臣になった途端に「反原発ブログ」を隠蔽してしまった河野太郎だ。

しかし思うに、この時代に、谷氏について、「野党とマスコミが追及できないように、事実上、海外に逃がした」などということが言えるのだろうか。イタリアにいてもどこにいても追及できるではないか。要はやる気の問題だ。

2017年8月15日火曜日

「戦争責任者の問題」

だますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。

 そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。

 このことは、過去の日本が、外国の力なしには封建制度も鎖国制度も独力で打破することができなかつた事実、個人の基本的人権さえも自力でつかみ得なかつた事実とまったくその本質を等しくするものである。

 そして、このことはまた、同時にあのような専横と圧制を支配者にゆるした国民の奴隷根性とも密接につながるものである。

 それは少なくとも個人の尊厳の冒涜、すなわち自我の放棄であり人間性への裏切りである。また、悪を憤る精神の欠如であり、道徳的無感覚である。ひいては国民大衆、すなわち被支配階級全体に対する不忠である。

 我々は、はからずも、いま政治的には一応解放された。しかしいままで、奴隷状態を存続せしめた責任を軍や警察や官僚にのみ負担させて、彼らの跳梁を許した自分たちの罪を真剣に反省しなかつたならば、日本の国民というものは永久に救われるときはないであろう。

「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。

「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいないのである。

 一度だまされたら、二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。この意味から戦犯者の追求ということもむろん重要ではあるが、それ以上に現在の日本に必要なことは、まず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し、だまされるような脆弱な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることである。

伊丹万作、『映画春秋』創刊号(昭和二十一年八月)「戦争責任者の問題」

2017年8月14日月曜日

ファシズムの初期徴候



「ファシズムの初期兆候/Early Waming Signs of Fascism」として政治学者のローレンス・W・ブリットによって書かれたもの

2017年8月11日金曜日

獣医学部新設のメリットはない

焦点のひとつは、今治市に獣医学部をつくるメリット。市は「卒業後の学生が今治に定着する」などと説明してきたが、獣医師資格を持つ市内の女性はこう訴えた。

「結婚を機に今治市にやってきて、獣医師の働き口を探しましたが、需要がありません。県職員の“公務員獣医師”は数が限られていますし、市内に獣医師の働き先は皆無に近い」

 つまり、獣医学部新設のメリットはない、と言い切ったのだ。

2017年8月9日水曜日

ガソリン代を計1412万円

 鈴木俊一五輪担当相(衆院岩手2区)が代表を務める資金管理団体「清鈴会」が、2013~15年の3年間にガソリン代を計1412万円支出したと政治資金収支報告書に記載していたことが9日、分かった。鈴木氏の事務所は「7人が政治活動に車を使用した」と説明しているが、高額過ぎるのではないかとの見方も出ている。
 報告書や事務所への取材によると、ガソリン代の支出額は13年が491万円、14年が382万円、15年が539万円だった。15年1月には1回分の支払いが174万円に上るケースもあった。
 同事務所は「岩手県は土地が広く、当時7人が車を1台ずつ使用して各地を回った。1人が1日250~300キロは走っている」と説明した。
 ガソリン代をめぐっては、民進党の山尾志桜里衆院議員が代表を務める政党支部が12年に429万円を計上したとして問題視され、調査の結果、元秘書が不正に請求していたことが判明した。

長い話

"
坂本弁護士事件の怪
 
坂本弁護士一家殺害事件の実行犯の供述によると、犯行状況は凄惨なものだった。
 実行犯はオウム真理教の中川智正、岡崎一明、村井秀夫、新實智光、早川紀代秀、
端本悟の6人である。1989年11月4日午前3時頃、横浜市磯子区にあるアパ-
ト2階の自宅で就寝中の坂本弁護士一家3人を実行犯が襲撃した。

 まず、端本が、いきなり眠っている坂本弁護士(当時33)の身体の上に馬乗りと
なり、同弁護士が目をさますや、声を上げさせないようにするため同弁護士の顎を手
拳で数回殴打し、次いで、岡崎が、上半身を起こそうとした坂本弁護士の背後に回り
込み、右手を同弁護士の首に回して同弁護士の着衣であるパジャマの左奥襟辺りをつ
かんだ上、それを右方向に引っ張り、パジャマの布地を使って同弁護士の首を絞めた。
 坂本弁護士は、背後から首を絞め付けている岡崎を振り払おうとして必死に抵抗し
たが、岡崎を振り払うことができないまま、間もなく、その場で窒息死した。
 一方、新實は、寝室に入ると、すぐに、同室で寝ていた都子の身体の上に馬乗りと
なり、騒がれないように同女の口を両手で塞ぐなどして同女の身体を押さえつけた。
都子は、苦痛を押して「子供だけはお願い」などと龍彦の助命を哀願した。
 この間、傍らで寝ていた龍彦が、目を覚まして泣き声を上げたことから、同児の側
にいた被告人(中川)は、龍彦に声を上げさせないようにするとともに、同児を窒息
死させるため、その場にあったタオルケット様のもので同児の鼻口を押さえ、それを
数分間続けたところ同児がぐったりした。
 被告人(中川)は、都子の背後から、右手を同女の首に回した上、同女の首を絞め
続け、間もなく、その場で同女を窒息死させた。
 また、都子から離れた新實は、被告人(中川)の前記暴行によってぐったりし、け
いれん状態を引き起こしている龍彦を殺害するため、同児の鼻口を手で押さえ続け、
間もなく、その場で同児を窒息死させた。(『読売新聞』1996年3月12日夕刊)


 これが本当だったら余りにもむごい。裁判抜きで実行犯をリンチにして殺してしま
え、というマスコミの論調にも頷けるものがある。しかしその前にちょっと冷静にな
って良く考えてみて欲しい。人を3人も殺すことは大変な作業である。しかも犠牲者
はおとなしく殺される訳ではない。自分の身を守ろうと、愛する家族の命を助けよう
と、必死の抵抗をしたはずである。
 検察の冒頭陳述からも、その様子を伺い知ることができる。しかも事件の起きたの
は、夜中の午前3時である。閑静な住宅街はひっそりと静まり返り、坂本弁護士一家
が暮らしていたアパ-トでも住民は眠り込み、しんとして物音一つしなかったに違い
ない。そこに突然、こんなどたばた騒ぎである。事件に気づいた人がいないという方
がおかしい。
 ところが、である。アパ-ト2階にある坂本弁護士の自宅の階下に住んでいた家族
は、4日の午前3時頃には坂本弁護士の部屋からは物音ひとつしなかったと証言して
いるのである。物音ひとつしなかった、これはすなわち事件が起きたのは、11月4
日の午前3時ではなかった、ということを示しているのではないだろうか。
 事件が起きたのが、『11月4日午前3時』ではなかったことを補強する材料とし
て、事件現場の流しには、夕食に使ったと思われる食器が洗われずに置いてあった、
という事実が挙げられる。
 清潔好きで几帳面だった都子さんは夕食後すぐに食器を洗う習慣があった。つまり、
夕食に使った食器を洗わずに寝てしまうということはないということだ。それが洗わ
れずに残されていたということはすなわち、犯行が行われたのは一家が寝る前、つま
り4日未明ではなく、3日夜だったということを示している。
 また、事件当日には坂本弁護士夫妻が着ていた服もなくなっている。ところが、2
人が使っていた寝巻は部屋にあった。つまり失踪時、坂本弁護士夫妻は普段着だった
ということだ。これまた、『4日午前3時』説が間違っていることの傍証となる。
 次に家計簿について。都子さんは毎日、家計簿をつけていた。結婚して以来、書い
てない日はなかったという。その家計簿をつけるのは、旅行でもしない限り必ずその
当日のうちである。それが11月3日から書いていない。もし犯行が『4日午前3時』
に行われていたなら、3日の家計簿はつけてあったはずである。

 洗われずに置いてあった食器、部屋に残された寝巻、つけられずに残されていた家
計簿、以上の点からも、『4日午前3時』犯行説は明らかに誤りであることが分かる。
実は犯行時間についてだけではなく、坂本弁護士一家殺害事件にはまだまだ多くの謎
が残されているのである。

 その1。実行犯はどうやって坂本弁護士宅のドアの鍵を開けたのか。「鍵はすでに
開いていた」「都子さんが鍵をかけ忘れた」と言われているが、本当なのか。
 坂本弁護士は、青山被告や上祐氏が事務所に訪ねてくるようになって以来、自宅の
鍵だはかけ忘れのないよう都子さんに念押ししていたとされている。事件当日だけ都
合よく鍵をかけ忘れたというのは、出来すぎた話ではないのか。

 その2。事件現場に、実行犯が落としていった「プルシャ」と呼ばれるオウム真理
教のバッジがあった。犯行現場に自分たちの身元が分かるような証拠を残していく犯
人がいるとすれば、大馬鹿者である。オウム真理教の実行犯がそうだったのかも知れ
ないが、それにしては、真夜中、誰にも気付かれずに坂本弁護士一家を殺害して、そ
の遺体を運び出すというマジシャンまがいの行為をやってのけた見事なお手並みは、
どう説明したらいいのだろうか。
 さらに不思議なのは、「プルシャ」が発見されたのが、鑑識の調査が済んだ11月
8日の午前中だということである。鑑識課員が見逃したのを坂本弁護士の母親が発見
したのだ。これまた、まずあり得ない話である。警察の捜査というものは、そんなに
いい加減なものなのか。本当はオウム真理教の犯行に見せかけるために、後から誰か
がこっそりと「プルシャ」を部屋に落としてきたのではないのか。犯人は警察内部に
潜入している秘密結社のエ-ジェントかもしれない。

 ところで『11月3日犯行説』を裏付けるものとして、坂本弁護士宅の階下の部屋
に住んでいた家族が3日の午後8時過ぎ、坂本弁護士と、坂本弁護士を訪問したらし
き人物とが会話している声を聞いたと証言していることがあげられる。

  前回のインタビュ-の時、「坂本さんの自宅を訪れたのは、坂本さんに信用させ、
ドアを開けさせることができた女性の疑いがある」とおっしゃって いました。その女
性が、11月3日午後8時過ぎ、坂本さんにドアを開けさせ部屋に入った。だから、
4日午前3時頃に岡崎容疑者や早川被告が行った時はドアは開いていた、ということ
ですか?「そう考えるほうが、『都子さんがドアの鍵をかけ忘れた』と考えるよりは、
はるかに自然でしょうね」
  「3日午後8時過ぎ」の訪問者を「坂本さんを信用させた相手」と考える、その
根拠はありますか?「湯呑み茶碗です。坂本さんは、ある人から贈られた来客用の湯
飲みセットを使っていました。鑑識が調べた結果、全部で5つあるはずのその湯呑み
茶碗セットのうち3つがなくなっています」
  ということは、3日の夜に3人の来客があり、坂本家では彼らにその湯飲みでお
茶を出し、それがなくなっているということですか?「そういう推察も成り立ち得る
ということです」(「週刊プレイボ-イ」95年10月3日号の「現役.公安幹部の告
白<第2弾>」から引用)

 それでは坂本弁護士一家は、どのようにして殺害されたのであろうか。一つの仮説
としては、11月3日の夜に自宅アパ-トで近所の住人に気付かれないように密かに
殺害されて、4日の深夜にこっそりと遺体が運び出された、というものがある。
 もう一つの仮説は、11月3日夜、坂本弁護士一家は自宅から外におびき出されて
拉致された、というものである。それを裏付けるような情報がある。「坂本弁護士一
家救出のための懸賞金広告実行委員会」の木村晋介委員長(弁護士)が、「タクシ-
運転手から寄せられた情報」として公表した情報だ。
 それによると、坂本弁護士が姿を消した当夜、坂本弁護士一家に似た客3人がタク
シ-に乗車し、横浜市瀬谷区三ツ境付近で降り、そこに待っていた二人の男と共にラ
イトバンに乗り継いで行ったという。この情報は「注意を要する情報」として、わざ
わざ記者会見を開いて公表されたものなので、信憑性は極めて高い。
 今となっては真実は闇の中である。だがどう考えてもオウム真理教=犯人説には無
理があるように思える。それでは真犯人はいったい誰だったのであろうか。

 真夜中に何故か都合よく開いていたドアの鍵、そして3人の来客の謎。オカルトに
精通している者にはすぐ分かる。フリーメーソン神話において、ソロモンの神殿の建
築者である親方メ-ソンのヒラム.アビフを殺害した、3人の卑しむべき職人メ-ソン、
ユベラ.ユベロ.ユベラムが登場したのだ。

 フリーメーソンとは自由(フリ-)な石工(メ-ソン)という意味である。フリー
メーソン側がいくら否定しようと、フリーメーソンはれっきとした秘密結社である。
秘密の儀式を有している、秘密の教えを有しているから秘密結社であるというのでは
ない。仏教の教義の中にも、ステ-ジの高い修行者にしか明かされないタントラ.ヴァ
ジラヤ-ナという秘密の教えが存在している。何故秘密にされているのかというと、
精神性の低い修行者にとっては危険な教えであるし、世間にその秘密が漏れると誤解
を招く恐れがあるからである。
 だからといって、我々は仏教教団を秘密結社であるとは言わないだろう。仏教修行
の目的は、解脱や悟りにあることは自明のことだからだ。筆者がここで秘密結社とい
うのは、その達成されるべき目標およびそのための手段方法を部外者に知らせない組
織のことである。すなわち陰謀を働く結社であるということだ。
 従って共産党のような革命組織は例えそれが地下組織であったとしても、秘密結社
とは呼ばない。何故ならマルクスも言うように、「共産主義者は、自分の見解や意図
を秘密にすることを軽蔑する」(共産党宣言)からである。しかしもし革命の本当の
目的が共産主義社会の建設ではなくユダヤのキリスト教破壊と国家経済の独占にある
としたら、もし共産党を背後から操る陰謀組織が存在しているとするなら、その組織
は秘密結社であると言っていい。それでは、秘密結社フリーメーソンの真の目標とは
何なのだろうか。
 フリーメーソンの目標は世界支配、そのための手段はオカルトである。このオカル
トには儀式殺人も含まれている。しかしフリーメーソン結社員は、フリーメーソンは
ロ-タリ-クラブのような単なる社交団体であるとぬけぬけと言う。結社の目的は外
部の人間には秘密にされている。だからフリーメーソンは秘密結社であると言えるの
である。

 フリーメーソンの起源に関しては様々な説がある。しかしここでは、アメリカのオ
カルト研究家、ジェイムズ.シェルビ-.ダウナ-ドの説を御紹介しよう。ダウナ-ド
によると、中世の石工組合(スト-ン.メ-ソン)はその起源をロ-マ人設立の大学(ロ
-マ.カレッジ)に辿ることができるという。
 フリーメーソンの起源は高位神官と同じように神秘に満ちている。彼らは神聖な秩
序のもとに神聖な建物をつくっていたので、物理空間における測量、数、面積を特別
に重要視した。それはロ-マ神話の農耕の神、クロノス-サタンがこの建築の世界を
支配しているとされたからだ。フリーメーソンは神を「宇宙の偉大な建築者」と呼ん
でいる。
 ゴシック大聖堂の発展の歴史を考察すれば、フリーメーソンが堕落して行った過程
を伺い知ることができる。もちろん当初は、メ-ソンも信心深く宗教的な男の集団で
あった。その仕事は、真実と美の調和を石工において実現することにあった。しかし
これは長続きせず、腐敗はたちどころに始まったのだ。
 大聖堂の聖母マリアの彫像を調べてみれば、このことがよく分かる。最初は聖母マ
リアは、全ての女性にとっての理想像である清純な処女として描かれていた。しかし
その後すぐに彼女の姿は、偉大だが自然な美を持つ、実在の母親の肖像へと変化して
行った。信心深い者は新しく出現した彼女の人間性の面を賛美するかも知れないが、
そうすることで同時に彼らは、別世界に存在するような彼女の神聖さというものを犠
牲にしてしまったのである。
 次ぎなる段階は、彼女が「大地母神」へと変えられた時に起こった。メ-ソン好み
の豊穣の女神へと変化したのだ。最後の段階は13世紀と14世紀に、彼女の姿が余
りにも人間臭く成り過ぎた時に起きた。アミアン大聖堂の南入口のマリアの姿は、実
際のところ浮気女や今にも浮気をしそうな女へと堕落してしまっている。これは正に
ゴシック建築におけるメ-ソンの影響力を表しているのである。
 石工組合はこれらの秘密の唯一の保持者なのだ。この聖母マリアの変身の過程は、
いつの日か現実の女性へと適用されるだろう。いやもう現実にそうなっている。馬鹿
な浮気女の大量発生、筆者が改め て指摘するまでもない。
 スト-ン.メ-ソンは神秘的な労働組合として、当時の労働者に対してある種の支配
権を持っていた。そしてフリーメーソン友愛組合と親密な関係を築いていた。余りに
も親密であったので両者を区別することは事実上難しく、また両者は一体となって発
展した。両者の結合は、ヨ-ロッパにおいて騎士道が廃れた時に起きた。現代のメ-
ソンは、彼らの祖先は騎士道精神を体現していたと言うが、これは嘘である。スト-
ン.メ-ソンのまったき崩壊は14世紀に始まっている。

 「騎士道の衰退は14世紀になって起こった。都市のマネ-.パワ-が古き農耕社会
の秩序と宮廷の伝統を破壊し、ドンキホ-テ(滑稽なもの-筆者注)へと堕落させて
しまったのだ」(-ゴシック彫刻)

 ドイツの友愛組合のメンバ-は、「シュタインメッツェン」と名乗った。グランド.
ロッジはシュトラスブルク、ウィ-ン、ケルン、チュ-リッヒに設立された。145
9年にグランド.ロッジが設立されると同時に、シュトラスブルクの大聖堂の親方がド
イツのメ-ソンのグランド.マスタ-になることが決められた。
 シュタインメッツェン(スト-ン.メ-ソン)とフリーメーソンの一般的な違いは、
少なくとも18世紀の初めまではシュタインメッツェンは「実践的」メ-ソンと考え
られていたのに対し、フリーメーソンは「思弁的」と考えられた点にある。「実践的」
メ-ソンは実際に実在の石を扱うのに対し、「思弁的」メ-ソンは組織的な目的のた
めに象徴的儀式的な対象として石を用いるのである。最終的には、シュタインメッツ
ェンは完全にフリー(思弁的)メ-ソンへと溶け込んでしまった。
 石垣が単なる象徴に過ぎなくなった時、それは秘密と沈黙を表すものへと変化した
のである。

 ダウナ-ドが明察したように、フリーメーソンの世界支配の陰謀は14世紀に始ま
る。この時キリスト教精神が破壊されて、マネ-.パワ-がそれに取って代わるのだ。
 この14世紀の初めには、世界史的に重要な事件が起こっている。テンプル騎士団
の大弾圧である。1314年3月18日夜、テンプル騎士団の最後の総長であったジ
ャック.ド.モレ-は火あぶりにされて処刑された。筆者はテンプル騎士団が世界的陰
謀の総元締めであったと考えている。ではテンプル騎士団とはいったい何者なのであ
ろうか。
 1118年-第1次十字軍がイスラムを破り、アンチオキアとエルサレムを占領し
て、ゴドフロア.ド.ブイヨンをエルサレムの王に据えてから19年後-、ユグ.ド.パ
ヤンとゴドフロア.ド.サントメが率いる9人のフランス人騎士の一隊が、聖墓への巡
礼者を守るため修道会を結成した。
 時のエルサレム国王は、この修道会に対しソロモン神殿の広場に面した用地を与え
たので、以来テンプル騎士団の名で呼ばれる。
 清貧を旨としたテンプル騎士団も莫大な寄付を集めた結果、12世紀末には裕福で
強力な団体になっていた。時のフランス国王、フィリップ端麗王はテンプル騎士団の
財産に目が眩み、それを横取りしようと陰謀を企んだ。
 1307年10月13日、フィリップ端麗王は異端の罪でフランス国内のテンプル
騎士団全員を逮捕させた。ジャック.ド.モレ-をはじめとする多数の騎士は、キリス
トの否定や十字架に唾を吐きかけたこと、偶像つまり髭の生えた頭を見せられこれを
拝むように命じられたことを告白した。
 しかしこれらの告白は拷問により強要されたものだった。フランスでは告白を撤回
した54人の騎士が1310年5月12日、異教徒に戻ったとして火あぶりにされた。
4年後の1314年3月18日、ジャック.ド.モレ-も同じ運命を迎えた。
 テンプル騎士団はイスラムの暗殺教団「アサシン」と同盟を結んでいたと言われて
いる。アサシン(暗殺)という言葉は、この教団に由来する。組織の上級者は若者を
ハシシで酔わせて様々な快楽を味わせる。自分は天国にいたと錯覚した新団員は、組
織の命令を実行すれば、永遠の喜びで報いられると信じ込む。こうして彼は殺人に命
をかけるようになるのだ。アサシンは基本教義としてはイスラムへの忠節を公言して
いたが、少数の者にしか明かされない秘密の教義を持っていた。その究極の目的は宗
教の外套をまとった少数者による支配であり、その手段は反対する者の皆殺しであっ
た。アサシンの狂信を通じて機能する組織的殺人システムが西洋に輸入されて、ヨ-
ロッパの秘密結社のモデルとなったのだ。アサシンは「東方のフリーメーソン」とも
呼ばれている。

 以上はテンプル騎士団弾圧に関する「通説」である。だが、陰謀家どもの主張する
テンプル騎士団無罪説、フィリップ悪玉論は真実ではない。彼らは、騎士たちの告白
は拷問の結果なされたものだから真実とは異なる、という。しかし全ての告白が拷問
の結果なされたわけではない。パリの教皇会議の審問では、多数の騎士が教皇を前に
その陳述を確認したのだが、ここではいかなる拷問も行われなかった。
 また、テンプル騎士団の財産はフィリップ端麗王に接収されたわけではなく、王自
らの手でエルサレムの聖ヨハネ騎士団に与えられているという事実がある。
 テンプル騎士団異端説にはやはり根拠があったのである。彼らはバフォメと呼ばれ
る髭面の両性具有の悪魔を崇拝し、セックス.マジックや首切り儀式に熱中していた。
胴体から切り話された喋る生首、これが彼らの本来の崇拝の対象である。おとぎ話で
はない。猿の首のすげ替え実験はすでに成功しているのだ。そのうち人間の首のすげ
替えも行われるようになるだろう。テンプル騎士団とその後継者が目指している伝説
的な目標は、髭面の男の頭を肉感的な女性の胴体に移植することである。その時こそ、
テンプル騎士団が崇拝した両性具有の悪魔.バフォメが地上を徘徊することになるのだ。
 バフォメは単なる空想の産物などではない。この世に現実に存在している。加え煙
草で下品な言葉を吐き、男のような恰好で街中を闊歩している、それでいて胸とけつ
だけは張り出している。こんな生き物を昔はおとこ女と呼んだものだ。筆者はバフォ
メと呼んでいる。近年、男と女の性差がなくなりつつある。人類が中性化しつつある
のだ。男と女は対照的であるからこそ互いに引き合うのである。男女の対照性が消滅
してしまえば、陽と陰の両極性が生み出すダイナミズム、生命力といったものも自然
に消滅してしまう。自然の生命システムが破壊され、残されるものはクロ-ン人間の
ようなロボット人間だけになってしまう。昔ながらの豊かな自然風景は消滅し、無機
的な死の街だけが後に残され る。その死の街を徘徊するロボット人間の群れ、これが
陰謀家どもの究極の目標なのだ。

 我々の生命力を破壊するエイリアン集団、テンプル騎士団こそ、西欧キリスト教文
明にとっての疫病神であったのだ。彼らは最初に登場した国際銀行家のひな型であり、
教会が高利貸しに対する態度を転換させるのに大いに貢献した。どのような中世の組
織も、テンプル騎士団ほどに資本主義の台頭に力を貸したことはなかった。
 彼らは金融業務に関して優れた手腕を発揮した。これは中東のアレキサンドリアの
ユダヤ人から学んだ可能性が高い。かくしてテンプル騎士団はユダヤ人を除いては唯
一の資本家集団となったのだ。
 筆者は、テンプル騎士団は魔術結社と同様に二重の組織だったのではないかと思っ
ている。つまり、一部の者は騎士団の秘密の教義を授けられたが、大多数は始めから
終わりまで何も知らされなかった。裏切る恐れがないと高位者が判断した者にだけ、
口づてで秘密が明かされたのだ。テンプル騎士団には顕教と密教があり、表と裏の両
面を持っていたのだ。テンプル騎士団の総長は表の長であり、その代理セネシャルは
裏の長ではないかといわれている。テンプル騎士団の印璽も一匹の馬に二名の騎士が
乗るという奇妙な図案である。これはテンプル騎士団が二重の組織であることを象徴
していると考えられる。騎士団は東方正教の信仰を持つと外部には完璧に見せかけた。
分団長だけが行き先を知っており、残りの団員は疑問も持たずついていくだけだった。
テンプル騎士団はれっきとした秘密結社であったのだ。

 そしてこのテンプル騎士団とフリーメーソンが合体しているのだ。フリーメーソン
の「親方」の参入儀礼がテンプル騎士団システムへと変えられた時、ジャック.ド.モ
レ-はヒラム.アビフに取って代わり、3人の暗殺者はテンプル騎士団の内部告発者、
フランスのベジエのスキャン.ド.フレキシアン、フィレンツェのノッフォディそして
正体不明の第3者に置き換えられた。しかしこの第3の男に関しては記録が残ってい
ないので、でっち上げの可能性が高い。フリーメーソン伝説の3人の暗殺者と整合性
を持たせるためである。3人の暗殺者とは、フリーメーソン伝説においてソロモンの
神殿の建築者ヒラム.アビフを殺害した3人の卑しむべき職人、ユベラ.ユベロ.ユベラ
ムのことである。

 テンプル騎士団とフリーメーソンの繋がりは、フリーメーソン側も公認の事実であ
る。フランスでのテンプル騎士団裁判中、ピエ-ル.ドモンと7人の騎士はメ-ソン職
人の手引きでスコットランドに逃亡し、マル島に上陸したといわれる。1307年の
聖ヨハネの日(6月24日)に、彼らは最初の憲章を発表した。その後、スコットラ
ンド王ロバ-ト.ブル-スに保護された彼らは、7年後の1314年(ジャック.ド.モ
レ-が火あぶりにされた年-筆者注)の夏至.聖ヨハネの日(6月24日)に、スコッ
トランド軍に加わって、騎士団を弾圧したイングランド王エドワ-ド2世とバノック
バ-ンで戦った。

 エドワ-ドは強力な騎兵をふくむ、2万にのぼる大軍をみずからひきいてスコット
ランドに侵入した。あと一日でスタ-リング城(イングランドの保持するスコットラ
ンド内の最後の重要な砦-筆者注)に達するという6月24日早朝、スタ-リング南
部のバノックバ-ン(フォ-ス川の支流)に駒をとめていたイングランド軍は、兵力
が3分の1に満たないロバ-ト軍に急襲された。沼地にはばまれたイングランド軍は
戦闘がままならず、フォ-ス川で溺死した者は数知れなかった。捕虜になったイング
ランド貴族の数も多く、その身代金支払いのせいで「スコットランドは一日にして裕
福となった」と、巷間うわさされたのである(『イギリス史1』山川出版)

 バノックバ-ンでの決定的な勝利の後、1314年6月24日に、ロバ-ト1世(ロ
バ-ト.ブル-ス)は聖アンデレ.あざみ勲位を制定した。この聖アンデレ.あざみ勲位
の象徴は、ヘレダム(ヒアダム)儀式とテンプル騎士団に関係している。
 聖アンデレの祝日の11月30日は、スコットランドのグランド.ロッジの聖餐式の
日であり、聖アンデレ.あざみ騎士は、フランスのメトロポリタン.チャ-タ-(スコ
テッシュ.ライト.メ-ソン)の位階である。また、グランド.スコテッシュ.聖アンデ
レ騎士はテンプル位階である。テンプル騎士団とフリーメーソンの密接な繋がりが御
理解頂けたと思う。

 ところで、オカルトの歴史にとって何より重要な世界史的転回点はルネサンスであ
ると言われている。そのルネサンスと十字軍とは密接な関係がある。
 十字軍の結果、北イタリアの諸都市は東方貿易で栄えた。東方貿易によって、ギリ
シア.ロ-マの古典文化を保持していたイスラムとビザンチンから、古典古代の学問が
流入した。1453年にビザンチン帝国がオスマン=トルコに攻撃されて滅亡すると、
ビザンチンの学者がイタリアに亡命してきたので、古典研究が盛んになった。この古
典の文献研究がルネサンスの口火を切ったのだ。
 ルネサンスはフィレンツェで最も早くしかもはなやかに展開した。ルネサンスの巨
人で『神曲』の作者、ダンテはオカルトの秘密結社員で錬金術や占星術に長ずるカバ
ラ主義者であったことがよく知られている。彼が入団していたのは、テンプル騎士団
系のフエデ.サンタである。イタリア.ルネサンスのオカルト哲学者、マルシリオ.フィ
チ-ノ(1433-99)はフィレンツェのコジモ.デ.メディチ一族の中で育った。
フィチ-ノはヘルメス文書のギリシア語写本をラテン語に翻訳した。
 ヘルメス文書の著者とされるヘルメス・トリスメギストスは、エジプトの神トトと
ギリシアの神ヘルメスを融合した神話的人物で、その名は「3重に偉大なるヘルメス」
を意味する。紀元前3世紀から後1世紀頃に書かれた同文書は、西洋の神秘思想と魔
術の発展に大きな影響を与えた。
 ヘルメス文書の中で特に重要視されるのは「エメラルド碑板」である。これはフェ
ニキア文字の刻み込まれたエメラルド製の碑板で、アブラハム(あるいはアレクサン
ダ-大王)の妻サラによって洞窟の墓場の中から発見された。エメラルド碑板はヘル
メス.トリスメギストスの死体の指でしっかりと握られていたという。
 魔術上の目的で特に重要な箇所は、エメラルド碑板のラテン語版の冒頭の一文であ
る。「上におけるごとく、下もしかり、下のごとく上もしかり、唯一なるもの驚異を
達せんがため」これは占星術と錬金術の基礎となる原理で、人類と地上の小宇宙(ミ
クロコスモス)と、神と天上の大宇宙(マクロコ スモス)が照応関係にあることを示
している。
 フィチ-ノの極めて優秀な弟子、ジョバンニ.ピコ.デラ.ミランドラ(1463-9
4)はカバラをグノ-シス主義、ヘルメス主義、新プラトン主義と同化させた。ピコ
は、カバラはキリスト教の真理を確定することができる、と信じたのだ。このカバラ
とはユダヤ神秘主義のことである。
 1492年にスペインからユダヤ教徒が追放されると、彼らの多くはイタリアに行
き、そこでヘブライ語に対する新しい関心と、ユダヤ教の神秘主義的伝統すなわちカ
バラに対する熱意とを広めた。ピコの教師がスペインのユダヤ教徒であったことは疑
いない。その中で主だったのは、ピコにカバラ的な写本を提供したフラヴィウス.ミト
リダ-テスという謎の人物だった。

 さて、ルネサンスとカバラ魔術の関係が分かると、ルネサンスに対する我々の評価
も自ずから変わって来ざるを得ない。
 古典文化の復興、人文主義(ヒュ-マニズム)、美術の開花、真理や美の追求、キ
リスト教と封建制度にしばられた中世世界からの脱却。一般的には、ルネサンスは無
条件で称賛されている。ルネサンスを批判すると、野蛮人のように思われてしまうの
が落ちだ。しかし筆者に言わせると、ルネサンスの本質、それはずばり「魔術の復活」
なのである。魔術結社はルネサンスを隠れ蓑にして、悪魔的陰謀を企んだのだ。
 ルネサンスの表看板は自由の賛美である。自由の何処が悪い、人はこう反論するに
違いない。言論の自由、表現の自由、報道の自由、好きなことを空想する自由、好き
なことをする自由(法律に触れない限り、あるいは法律に違反しても捕まらない限り
において)、自由はすばらしい。それはその通りだ。権力者に個人の自由を縛られる
のは、誰でも御免被りたいはずだ。ヒトラ-、ムッソリ-ニ、スタ-リン。ロ-マ教
皇、ラスト.エンペラ-、天皇ヒロヒト。専制主義の悪玉には事欠かない。しかし本質
的には彼らの存在は危険な物ではないのだ。その暴力性があまりにもあからさまで、
我々はそれに対して身構えることができるからだ。
 しかし、自由、平等、友愛を隠れ蓑にしたファシスト的な階級組織であるフリーメー
ソンに対しては、我々は完全に無防備だ。自由幻想に酔い、影で邪悪な陰謀が進行し
ていることに気付かない。一例をあげると、選挙がある。ファシズム体制下では自由
な投票はありえない。デモクラシ-社会では自由で公正な選挙が保証されている。す
ばらしい。だが実は、大衆は選挙が公正に行われていると錯覚しているに過ぎないの
だ。得票数などは、裏で完璧に操作されていることに気付かない。一抹の疑いを抱く
ことすらしないのだ。
 疑いを知らぬ大衆の心理操作、これこそリアル.ポリティックス、真実の政治力学な
のである。その手段は物理的暴力ではなく、詐欺やペテンである。腕力ではなく頭の
勝負なのだ。この時代の悪魔との決戦場は物理的次元にはなく、霊的.精神的な次元に
あるのだ。目に見える暴力と目に見えない暴力、どちらがより危険かお分かり頂けた
と思う。

 ルネサンスの魔術師の話を続けよう。黒魔術師の評判の高い、ハインリクス.コルネ
リウス.アグリッパ(1486-1535)は『オカルト哲学について』の著者である。
『オカルト哲学について』はフィチ-ノのヘルメス主義的魔術とピコのカバラ主義的
魔術を結びつけた集大成である。アグリッパはまたヨハネス.ロイヒリン(1455-
1522)のキリスト教カバラにも影響されている。
 アグリッパは宇宙を3つの世界、つまり元素世界、天空世界、叡智世界に分けてい
る。彼は「魂の戦車(乗り物)」として、ランタンから漏れる光のように肉体を離れ、
あらゆる時空を理解し、不思議な領域を探索し、天球層と精神的階梯を通って原型あ
るいは神へとのぼりつめるための、星気体の能力についても言及している。アグリッ
パは、肉体からの星気体(アストラル体)の分離、すなわちアストラル.トリップにつ
いて述べているのである。
 このアグリッパに影響されたのが、エリザベス朝イングランドの高名な哲学者、数
学者、占星術師、魔術師、スパイであったジョン.ディ-(1527-1608)であ
る。アグリッパのように、ディ-は宇宙は自然界、天空界、超天空界に分かれている
と考える。

 アメリカの歴史修正論者であるマイケル.A.ホフマン二世によると、ジョン.ディ-
は近代フリーメーソンの初代グランド.マスタ-であったという。公の歴史では、近代
フリーメーソンは1717年6月24日、聖ヨハネの祝日に、ロンドンにある4つの
ロッジが合同して創立されたことになっている。しかしこれはフリーメーソンが歴史
の暗闇の中から彷彿とその姿を現し、公然とエリ-ト階級をリクル-トし始めた時期
であって、そのずっと以前からフリーメーソンが存在していたことはすでに述べた。
 筆者はホフマンの「ジョン.ディ-=近代フリーメーソンの初代グランド.マスタ-
説」を採らない。しかし、ディ-がイギリス史に果たした役割は非常に大きいと考え
ている。そこでジョン.ディ-について簡単に触れておきたい。

 ディ-は1527年にロンドンの近くに生まれた。「妖術師」の悪名の高かったデ
ィ-は、1553年、カトリック女王メアリのホロスコ-プを作成して、女王の薄命
を予言した。この予言が当局の忌憚に触れて叛逆罪に問われ、ディ-はハンプトン.コ
-トに投獄されてしまった。ディ-の予言どおり、メアリ女王は短命だった。
 1555年、メアリ女王の跡を継いだエリザベス女王は、早くから、ディ-の占っ
たホロスコ-プで王位につくべき運勢を保証されていた。女王になったエリザベスは
ただちにディ-を牢獄から釈放して、王室数学官に任命し、彼女の載冠式の日取りを
占わせた。載冠式はディ-の指定する1559年1月14日めでたく行われた。
 ディ-は協力者のエドワ-ド.ケリ-と共に、降霊術で天使を呼び出したと噂されて
いる。魔術師であり優れた数学者でもあったディ-は、『ユ-クリッド』のヘンリ-.
ビリングズリ-の英訳に寄せた序文にこう書いている。「数により、知られうるもの
すべての探究と理解への道が得られる」
 ここには科学と官僚性の基礎となる概念が表明されている。これは西洋哲学におけ
る重大なパラダイム.シフトであった。
 1583年にジョン.ディ-とエドワ-ド.ケリ-はイギリスを後にして、大陸旅行
に出発した。大陸で過ごした歳月の間、ディ-はある種の伝道活動をし、そのことで
ポ-ランドのクラコウそしてプラハへ行った。プラハにいた時にデ ィ-はラビ.レ-ヴ
と接触した。
 ボヘミアのプラハはカバラの一大中心地であり、一人の極めて注目すべき魔術師、
ラビ.レ-ヴが16世紀後半のプラハで有名であった。彼はオカルト主義者の皇帝ルド
ルフ2世と記念すべき会見を行ない、その際皇帝は実際にこのユダヤ人に精神的助言
を求めている。ユダヤの伝説では、レ-ヴは異教徒抹殺の人造人間「ゴ-レム」の創
造者であるとされている。
 エリザベス女王の密命を帯びたディ-はこのプラハで、ラビ.レ-ヴと重大な契約を
結んだのだ。その契約とは、イギリスの発展のために国際ユダヤの隠れた支援を取り
付けることであった。そのお蔭で、これまではちっぽけな島国に過ぎなかったイギリ
スが文字通りの大帝国にのし上ることができたのだ。
 契約の見返りは、ユダヤ人のイギリスへの再入国であった。1290年にエドワ-
ド1世(バノックバ-ンでスコットランド軍と戦ったエドワ-ド2世の父王)はイギ
リスからユダヤ人をすべて追放していた。ただし隠れユダヤ(キリスト教への改宗者)
は別である。その後ユダヤは、エリザベス1世の治世にこっそりとイギリスに再入国
することができた。ユダヤ人が公然とイギリスに帰還したのは、クロムウェルの時代
になってからであった。
 イギリスへの再入国という見返りを約束されて、ユダヤはディ-に協力して大英帝
国の基礎を築いた。そして西洋を支配することになるイギリスの秘密結社の育成をは
かったのである。
 密命を無事に終えた後、ディ-は女王の腹心サ-.フランシス.ウオルシンガムに宛
てて秘密報告を出している。彼は数学者らしく、名前の代わりに数字でサインをした。
「007」と。オカルトによる世界の宗教改革、それがディ-の目指したものであっ
た。魔術師ジョン.ディ-こそ、世界史に大きな影響を与えた大英帝国の企画者、女王
陛下の秘密エ-ジェント、「007」であったのだ。

 大英帝国がオカルト秘密結社の前進基地であったことが分かった。そこで今度は、
過去から未来に目を転じてみよう。オカルト秘密結社の創始者、ジョン.ディ-はイギ
リスで生まれた。そして新約聖書のヨハネの黙示録に描かれた獣、聖書に予言された
反キリストもイギリスに生まれているのである。
 これはあくまで筆者の仮説であるとして聞いて欲しい。その反キリストは「ウィリ
アム」という名前を持っているはずである。ヨハネの黙示録の獣の数字「666」は
いくつかの写本には「616」とある。ウィリアム「William」のWを二つの
Vに分解し、二つのLをIと読む。これを並べ替えると,「I Am VI I V
I」となる。ロ-マ数字「VI I VI」はアラビア数字で「616」のことであ
る。
 この「ウィリアム」という名前を持つ超有名人がイギリスにいる。チャ-ルズ皇太
子と故ダイアナ妃の長男、未来の英国王ウィリアム王子である。ウィリアム王子が即
位すると、彼はウィリアム5世となる。「William V」を並べ替えると、「I
 AmVI VI VI」となり、ここに獣の数字「666」が出現するのである。
 チャ-ルズ皇太子とダイアナ妃の変態セックス(セックス.マジック)の賜物、ウィ
リアム王子は1982年の夏至の日、6月21日に誕生している。夏至とは、一年で
一番日が長くなる日である(北半球では)。古代密議宗教では太陽は神として崇拝さ
れていた。フリーメーソンのシンボルは左目と太陽である。黒魔術師アレイスタ-.ク
ロウリ-が夢見た「ム-ン.チャイルド(月の子供すなわちダイアナの子供)」である
ウィリアム王子は、未来のイギリスに太陽王として君臨することになるのだ。反キリ
ストとしては申し分のない血統であろう。
 余談になるが、この太陽王ウィリアムの子分とでも言うべき二人の有名人がいる。
ウィリアムの愛称はビル(Bill)である。二人の高名なビル、誰あろう、ビル.ク
リントン合衆国大統領とビル.ゲイツマイクロソフト社会長のことである。

 オカルト秘密結社の歴史をおさらいした所で、話をオウム真理教事件に戻す。坂本
弁護士一家殺害事件で登場した3人の暗殺者は、フリーメーソン神話の3人の卑しむ
べき職人、ユベラ.ユベロ.ユベラムであることが分かった。
 坂本弁護士一家殺害の目的はもちろん、オウム真理教に殺人者の汚名を着せること
にある。フリーメーソンはオウム真理教を潰してしまいたい、しかしそれにはそれな
りの口実がいる。現代日本は民主主義社会である。思想、信仰、結社の自由は保証さ
れている。オウム真理教を武力でもって無理やり解体することはできない。戦前、戦
中の治安維持法みたいなものは適用できないのだ。そんなことをすれば、宗教弾圧で
あると反撃される。殉教者を作りあげること程、恐ろしいものはない。宗教とは、迫
害をばねにして教勢を拡大するものだからだ。
 しかし宗教団体が卑劣な殺人を犯した、となると話は別だ。殺人カルトなど、弾圧
されようが解体されようが誰も文句は言わない。アメリカや日本で、宗教団体による
殺人、詐欺、児童虐待などの犯罪行為や、集団自殺行為が多発するのもそのためであ
る。つまりこれは、でっち上げられた犯罪であり集団自殺なのだ。国家権力とは恐ろ
しいものであり、その支配の手段が国民に隠蔽される時、とてつもなく危険なものと
なる。そしてこの支配の手段こそ、フリーメーソン秘密結社が部外者から隠してきた
「王の技法(ロイヤル.ア-ト)」であり、リアル.ポリティックス(真実の政治力学)
なのである。

松本サリン事件の謎

 まず、図1をご覧頂きたい。これは、松本市地域包括医療協議会が行ったアンケ-
ト調査の結果である。調査対象は、有毒ガス中毒者がでた町内会すべての住民および
その他の計2052名であった。アンケ-トは中毒事故発生から約3週間後の199
4年7月14日から18日の間に行なわれた。

 最初に自覚症状を感じた時刻
 自覚症状を6月27日の20時から21時の間に感じていた者が5名、21時から
22時の間に感じていた者が8名いた(図1)。自覚症状を感じた時間のピ-クは2
3時から24時にかけてであり、全体の30.6%を占めていた。しかし6月28日
の朝(6-8時)にも小さなピ-クがあった。すなわち、自覚症状を感じた時刻は2
峰性という疫学現象を示した。(『松本市有毒ガス中毒調査報告書』より抜粋)

 ところがこの調査結果は、松本サリン事件の検察冒頭陳述と矛盾しているのである。
冒頭陳述にはこうある。

 村井らの乗車する噴霧車等は、平成6年6月27日午後10時30分ころ、前 記鶴
見方駐車場に到着し、噴霧車は、同駐車場の東側のフェンスの側に前部を南側に向け
て駐車し、ワゴン車は、同駐車場の西側寄りに前部を同じく南側に向けて駐車した。..
 そして、村井は、噴霧車の助手席で遠隔操作でサリン貯留タンクの下についている
エアバブルを開けるとともに、銅製容器の加熱及び有圧換気扇の作動をそれぞれ開始
するため、そのスイッチを入れ、噴霧装置を始動させた。
 すると、同午後10時40分ころから噴霧車の噴霧口から気化したサリンが白煙状
になって噴出し、噴霧車の周りに立ち込め、同駐車場の東側にある池の畔に生えてい
る木立の上などを通って周囲に拡散された。..
 村井は、同所で約10分間サリンの噴霧を続けた後、サリンの残量がなくなったと
判断し、端本に対し、噴霧車を移動するよう指示し、端本が噴霧車を発進させ、同駐
車場の西側道路を北方に向け逃走を始め、これを見た富田もワゴン車を発進させ、噴
霧車に追従して同駐車場から逃走した。

 ここで、検察冒頭陳述の矛盾点を二つ指摘しておく。1.6月27日の20時から
22時の間に自覚症状を感じた人が存在するのに、検察冒
  頭陳述ではサリン噴霧は22時40分から行われたとされている。2.6月28
日の朝6時から8時にも、自覚症状の小さなピ-クがある。言わずもがな、
  6月28日の朝には実行犯はすでに逃走済みである。

 いったい何故、こんな矛盾が生じたのであろうか。これは警察が無理やり、嘘の供
述を松本サリン事件の被告から引き出したからであろう。つまり、オウム真理教=犯
人説には疑問があるということだ。では事件の真実とはどのようなものであったのだ
ろうか。これを推測させる記事が存在する。

 なぜ、供述と時刻のズレがあるのか。国際基督教大学の田坂興亜準教授(分析化学)
が、こういう。
 「これは、8時台に少量のサリンを噴霧車を使わず、別の方法で発生させ、10時
半過ぎに大量のサリンを噴霧した。つまり、2段階行った。同じ日に、別の者が実行
するのは考えられず、同一実行犯が2回実行した可能性がある」
 しかし、別の見方もある。「考えられるのは、攻撃グル-プが2班いたのではない
かということ。最初のグル-プが、午後8時台にサリン以外の、例えばホスゲンなど
を撒いたのではないか。その後、第2段階で噴霧車からサリンによる本攻撃を行った
可能性がある」(捜査関係者)(『週刊現代』1996年5月4日号より)

 この記事には、オウム真理教以外の別の真犯人の存在が暗示されている。閑静な住
宅街に毒ガスをばら撒き、罪のない住民を殺害するような凶悪犯が野放しになってい
るとするなら、それは恐ろしいことである。こんな記事を書き恐怖のオ-ラを振りま
くことが、秘密結社の支配する日本のジャ-ナリズムの役割の一つなのである。

 地下鉄サリン事件の変

 不審物について

 まずは図2を御覧頂きたい。これは地下鉄サリン事件で、地下鉄日比谷線霞ケ関駅
で目撃された毒ガス発生装置である(『東京新聞』95年3月21日朝刊)。本文記
事にはこうある。

 営団地下鉄日比谷線霞ケ関駅ホ-ムで至近距離から不審物を目撃した複数の乗客に
よると、その“兵器”は透明ビニ-ル袋の中に茶色の箱の形をした紙袋があり、ガラ
スかプラスチック製の瓶の口のようなものが二つあった。この口から透明の液体が流
れ出し、包んでいる袋に染み、列車の床に液体が広がっていたという

 あれれ、おかしいぞ。オウム真理教の実行犯が傘で突き刺したというサリン入りの
ナイロン袋とは違うではないか。こう思った人は、催眠術から目を覚ます希望が残さ
れている。これはどう見ても、ナイロン袋と呼べる代物ではない。四角い箱の中に二
つの瓶があって、そこから液体が流れ出している。
 不審物の目撃例はこの他にもまだ沢山ある。

 東京.営団地下鉄の車内で有毒ガスが流出した地下鉄サリン事件で、車内に残されて
いた不審物は、複数の薬品をそれぞれ溶剤に溶かして試験管のようなガラス製容器に
詰め、容器を割って混合させるとサリンが発生する構造だったことが二十二日までの
警視庁捜査本部の調べで分かった。犯行後逃走する時間を稼ぐため、溶剤でサリンが
揮発する時間を調整しようとしたものとみている。
 調べでは、不審物のいくつかは平べったい弁当箱大の包みにおおわれ、内部から割
れたガラス片が多数見つかった。形状から試験管大のガラス容器とみられる。また日
比谷線霞ケ関駅の電車からはガラス瓶を押収した。一方、別の日比谷線の電車では、
異臭がする直前に、乗客がガラスの割れる音を聞いていた。
 現場の残留物からサリン製造の際に出来るメチルホスホン酸ジイソプロピルエステ
ルが検出されており、捜査本部は、複数のガラス容器にサリン合成の最終段階の液体
二種類を溶剤に溶かして別々に入れ、倒すなどして容器を割って混ぜ合わせ、サリン
を発生させたと見ている。(『毎日新聞』95年3月23日朝刊)

 ガラス瓶が押収されたと聞いて驚かれた人も多いと思う。しかし警察は口が裂けて
もそんなことは公言しない。真実が明らかになっては困るからだ。我々一般庶民には、
本当に大切なことは何もあかされないのである。
 このガラス容器が割れる音については、別の証言もある。

 北千住駅から日比谷線に乗り、前から三両目にいた。秋葉原駅で自分の後ろの方で
パリンという音がして、シンナ-のようなにおいがした。(『毎日新聞』95年3月
21日朝刊)

 八丁堀-築地駅間では、網棚におかれていたビンが落ちて割れ、その瞬間に一人が
倒れたという。(『産経新聞』95年3月20日夕刊)

 病院で治療を受けた足立区に住む会社員(32)は、「日比谷線の人形町の手前で
びんの割れる音がした。床が液体でぬれていてシンナ-臭かった。みんなせき込んで
おり、けいれんをおこした人もいた。目の前が真っ暗になった」と話した。(『産経
新聞』95年3月20日夕刊)

 不審物にはガラス容器が含まれていたことは間違いないようだ。犯人がガラス容器
を使ったのは、複数のガラス容器を割ることで中の液体を混合させ、現場で毒ガスを
発生させるためである。これを専門用語で「バイナリ-方式」と呼ぶ。

 東京の地下鉄サリン事件で、犯行に使われたサリン発生源は、踏みつけるなど衝撃
を与えると容器が割れ、数分後にサリンガスが発生する仕組みになっていたことが二
十四日、警視庁特捜本部の調べでわかった。
 これまでの調べでは、包みの中には二つの密閉された容器が入っており、容器を踏
むなど衝撃を与えるとそれぞれの密閉パックに入 った液体の化学物質が混ざって反応
し、サリンが発生する仕組みだった。
 専門家によると、化学防護服などを着けない限り、猛毒のサリンをそのままで持ち
歩くことはできない。このため、犯人グル-プは、サリン生成の最終工程に使われる
毒性の低い化学物質を別々に溶剤に溶かして、二つの容器に分け、毒ガステロの目的
地で混合させ、サリンガスを発生させる方法を使ったとみられる。
 二種類の化学物質を使用する場所で混合するやり方は「バイナリ-方式」と言われ
るが、これだと、サリンガスの発生までしばらく時間がかかり、犯人が電車から降り
る直前に容器を割れば、自分がサリンの被害を受ける危険性は少ない。(『読売新聞』
95年3月24日夕刊)

 一方、佐藤重仁.筑波大臨床医学系助教授(麻酔学)は「自分で容器を開けることは、
自身にも危険だ。サリンの前段階の二種類の液体を別の容器に入れてロケットで打ち
上げ、振動で混じり合わせるという兵器のアイデアを米国が持っていたと聞く。今回
も、電車の振動で液体が混じり合うようにしたこともあり得る」と話している。(『毎
日新聞』95年3月21日朝刊)

 これまでの調べで、一部の電車内にあったサリンの発生源の容器は中が二つに分か
れていたことが分かり、警視庁築地署特捜本部は犯人が現場で化学物質を反応させて
サリンを生成したとの疑いを強めている。目撃証言などによると、発生源となった容
器は、中が二つに分かれていたとみられる。(『日本経済新聞』95年3月27日夕
刊)

 地下鉄サリン殺傷事件で犯行に使われた不審物は、別々の袋に詰めたサリン一歩手
前の物質とアルコ-ルの一種を車内で反応させてサリンを作る“二液混合方式”だっ
た可能性の強いことが、二十七日までの警視庁築地署捜査本部の調べで分かった。
 捜査本部は、犯人が新聞紙に包んだ袋に何らかの方法で穴を開け、二種類の薬物を
流出させて混合、サリン発生前に逃走した疑いがあるとみて目撃情報などから容疑者
の割り出しを急いでいる。
 長野県松本市のサリン事件では、容器は見つかっていないが、白煙が上がるなど、
現場でサリンが発生した形跡があり、捜査当局は同じ方式だった可能性が強いと見て
いる。
 調べによると、地下鉄事件でサリンが発生した五車両のうち、少なくとも二車両の
不審物は、複数のビニ-ル袋を新聞紙で包んであり、袋から液が漏れ出しているのを
乗客が目撃している。

 さらに(1)サリンと一緒に、サリン合成時に副生成物として生じる「メチルホス
ホン酸ジイソプロピル」が検出された(2)二車両で不審物から白煙が出ている(3)
被害が出るまでの時間やサリン発生の規模が各現場で異なっている-などの状況が、
二つの液体を混ぜてサリンを発生させた際の特徴と一致しているとみている。

 専門家によると、サリンの生成方法は何通りかあるが、この方式は、生成の最終段
階で、三塩化リンから作る「メチルホスホン酸系化合物」と「イソプロピルアルコ-
ル」を混ぜ合わせ急激な化学反応を起こす。この際「メチルホスホン酸ジイソプロピ
ル」が発生し、白煙が上がるという。
 被害が出た五本の電車のうち、北千住発の日比谷線では急激にサリンが発生したこ
とを示す白煙が車内に充満、五本の中で最も被害が大きかった。
 中目黒発日比谷線では、男が不審物を置き去ってから約五分後に異常が起きた。こ
れに対し、丸ノ内線の一車両では不審物が見つかってから四十分以上経過してから被
害が出ており、捜査本部は混合スピ-ドの差で被害に違いが出たとみている。(『共
同通信』95年3月27日)

 白煙が出たこと、被害発生までの時間や被害の規模が各車両で異なっていることな
どが、「バイナリ-方式」の特徴と合致しているのだ。隠蔽されたのはガラス容器だ
けではない。事件直後の乗客の目撃証言はさらなる多様性を示している。

 乗客の話では、列車の座席の下に新聞紙に包まれた箱が置いてあったり、ガソリン
容器のようなものが倒れたりしていた。また車内に透明の液体がまかれたという証言
もある。(『朝日新聞』95年3月20日夕刊)

 調べでは、不審物は五本の電車に、それぞれ一つずつ置かれていた。捜査本部が密
閉して保管しているが、二十五日までに中身を確認したところ、三つは弁当箱くらい
の大きさの容器が、二つはビニ-ル袋がそれぞれ新聞紙に包まれていたという。(『朝
日新聞』95年3月26日朝刊)

 日比谷線小伝馬町駅-電車が駅に着いた時、車内に直径、高さとも35センチ位の
筒状の物が二重のビニ-ルに包まれて置いてあった。乗客が「これは危ない」とホ-
ムにけ飛ばした。(『読売新聞』95年3月20日夕刊)

 丸ノ内線池袋駅-午前8時30分ごろ、2両目に乗ったところ、ドア付近に新聞紙
に包まれたものがあった。円柱状で人の頭大だった。(『読売新聞』95年3月20
日夕刊)


 不審物の多くは、二十-四十センチ四方の弁当箱状のもので、中には直径約三十五
センチの筒状のものもあったという。(『読売新聞』95年3月20日夕刊)

 日比谷線-新聞紙かチラシのようなものでくるまれ、ビニ-ルのひもで十文字に結
わえられた縦、横二十センチぐらいの紙袋が床に落ちているのに気付いていた。(『読
売新聞』95年3月21日朝刊)

 これまでのところ車内にあった新聞にくるんだ不審物から液が漏れ出しガスが発生
したという。不審物は二十センチほどの大きさの弁当箱のような金属製の物体。(『毎
日新聞』95年3月20日夕刊)

 日比谷線-男が車内に置いたとみられる不審物は、直径.高さとも三十五センチ程度
の円筒形で、新聞紙やビニ-ルで包まれており、液体はサリンとみられている。(『東
京新聞』95年3月21日朝刊)

 千代田線国会議事堂前駅では、ホ-ムに居合わせた清掃作業員(65)が午前八時
十三分着の代々木上原行き電車の先頭の床に強烈な異臭を放つ、高さ約三十センチ、
幅約十五センチの白いプラスチック製の水筒のようなものを見つけた。布切れの上に
置かれていたので、ホ-ムに持ち出し、警察が押収したという。(『東京新聞』95
年3月20日夕刊)
 車内にはシンナ-のような強い異臭が立ちこめていた。車内を探したところ、床に
落ちていたビンのような容器に入った白いポリ袋からにおいが出ているのを発見。駅
構内の管理室内に運んだ。(『日本経済新聞』95年3月20日夕刊)
"

それを日本側がロシア側に伝えると、当然のことながら、話はこれでおしまいだ、となった。

・そもそも米軍は日本の領土のどこにでも基地を作ることができるとの約束がある。
北方領土が日本に返還されたら、そこに米軍基地を作らないと、あらかじめ約束することはできない。
それを日本側がロシア側に伝えると、当然のことながら、話はこれでおしまいだ、となった。

またしても安倍総理 原爆を「原発」と言ってしまった件

またしても安倍総理
原爆を「原発」と言ってしまった件
2017年8月6日
一昨年の8月6日の広島での記念式典で「原爆」を「原発」と言ってしまい、言い直さないで読み上げた。
今回は、原発と読んで「間違い」に気が付き、間をおいて「原爆」と読み直した。
原稿があるのに、なぜ間違えるのか?

詩織さん事件

<詩織さん事件の加害者・山口強姦魔にけじめを>

 TBSは日本を代表する民放の雄である。国民の電波を活用して、報道事業を手掛ける大事な任務をこなしながら、健全社会のための一翼を担っている。そこでの社員の一大不祥事を、司法に委ねて黙認することは許されない。司法とは別に、組織としてのけじめが求められる。この当然すぎる責任を、まだ果たしていない。隠蔽してやり過ごそうとすれば、それは安倍晋三内閣そのもので、国民は納得しない。いわんやTBS社員の犯罪は、女性の人格・尊厳を奪う重大な性凶悪犯罪である。しかも、官邸の政治力を行使して、事件そのものをもみ消すという、想定もできない重罪である。国民の電波を扱う公正な報道機関として、自らしっかりとしたケジメをつけなければ、国民特に女性は承知しない。

<官邸のもみ消し犯は警察庁NO3へ大出世>

 こともあろうに、山口という強姦魔事件をもみ消した警視庁刑事部長は、警察庁の組織犯罪対策部長から警務審議官へというNO3に昇格して、これがネットで大炎上している。

 犯罪者を助けたワルの官僚が、大出世する安倍―菅官邸を、内外に誇示している。信じがたい愚挙から見えるのは、法治を退けて人治の日本を象徴している。元首相の福田康夫が「安倍は日本を破滅させる」と警告するのも、大いに理由がある。

<東芝医療事故も人治で処理>

 筆者は、詩織さん事件を重視している。TBS強姦魔は、強姦するために薬物を利用して、女性を酩酊させ、ホテルに連れ込んで犯行に及んだ。
 被害者の詩織さんの勇気ある告訴に警視庁高輪署が、裁判所の許可をもらって犯人・山口の逮捕状をとった。ところが、逮捕直前に、菅官房長官秘書官を歴任した茶坊主のような同庁刑事部長の中村が、逮捕寸前に、逮捕状を握りつぶしてしまった。
 過去に自らも席を温めたことのある捜査一課で再捜査させて、不起訴にしてしまった。江戸時代の悪代官そのものである。事情通であれば、安倍―菅ラインによる強姦罪もみ消し事件であると、容易に分析できる。
 詩織さんは、屈せず検察審査会に不服の申し立てをしている。

 筆者が懸念しているのは、息子の医療事故死事件と同じような展開を見せているためだ。法治ではなく、人治の法務検察という悲劇を、詩織さん事件から見てとれるからである。東芝病院医療事故死事件は、反省も謝罪もしない関係者を、やむなく業務上過失致死事件として刑事告訴、捜査一課と大井警察署が受理してくれたものの、1年有余も捜査をたなざらし、その挙句に警視庁の書類送検に対して、東京地検の松本朗検事は不起訴にした。
 圧倒する三井住友傘下の東芝の政治力に軍配を上げた。最後の手段が検察審査会への不服申し立てだったが、被害者遺族の声も聴かずに、たった1回の協議で、検察を擁護する決定を下して幕を閉じた。これが日本の司法の現場である。

 警視庁告訴の場面では、法務大臣秘書官をした検事のアドバイスで、警察官僚OBの政治家の関与の必要性を説得され、やむなく亀井静香代議士にも協力をお願した。彼は何度か刑事部長に「早く捜査を」と懇願してくれたが、結果は無残なものだった。

<検察審査官は検察の下請け機関>

 憲法は「法の下の平等」を明文化しているが、実際は違う。大きなもの、金のある者が勝つようになっている。日本は人治の国である。共謀罪の恐怖を裏付けている。
 詩織さんの事件も、まさにそうである。強姦罪のもみ消しは、もうそれだけで政権は倒れてしまう。欧米の先進国であれば、そうであるが、日本は全く違う。安倍内閣の下では、悪人が勝つ。

 問題の検察審査会は、検察の下請け機関である。11人の無知な市民の集まりである。検事の説明に頷くだけのロボット組織である。
 詩織さん事件の弁護人は、そのことを承知してるからこそ、詩織さんにメディアへの登場を促したものであろう。そこでの、彼女の悲壮すぎる決断を見てとれる。このことを理解できない官邸を含めた右翼人士は、金で雇われているのであろうが、まさにケダモノ族である。河野太郎が、この悲惨な事件を茶化したことが、ネットに出ているが、本当であろうか。事実なら、外相失格である。

<「木更津レイプ殺人事件」と公明党創価学会の究明責任>

 詩織さん事件は、TBSの責任でもある。山口の「組織としてのTBS社員」を信用して、彼女は接触したものであろう。現に、TBSの番組にはいいものもある。以前は、土曜日の夕刻に報道する真相究明番組の人気は高かった。
 筆者が自民党・宏池会を担当していたころ、石原君という有能な派閥記者がいた。彼は最近まで、社長を務めていたはずだ。いまの社長に問題がある。
 「司法の判断を見て」というまやかしのコメントで逃げては、TBSに傷がつく。真相究明は、TBS自ら山口の友人知人を追いかければ、強姦魔の正体は容易に割れる。捜査当局よりも、詳細な情報が手に入るだろう。そのうえで、しかとケジメをつける責任がTBSにある。

 ちなみに「木更津レイプ殺人事件」は、公明党創価学会の末端で、やくざが絡んだ極悪非道な事件である。これも、組織が少し動くだけで、事の真相が判明する。残念ながら、隠蔽してやり過ごそうとしている?
 これは卑怯者のやることである。この事件の対応は、現在の公明党創価学会を印象付けているように見える。
 やくざに脅されて、突発性の大動脈りゅう破裂で即死した美人栄養士は、年齢よりも10歳、15歳も若く見えた。彼女をやくざ経営のデーサービスKに連れ込んだのは、やくざ浜名の手先のホームヘルパー・吉田ふみえである。吉田が全てを知っている。共犯者である。

<レイプ文化返上の時>

 最近、ネットで見て驚いたのだが、創価学会の男子部長が、次々と学会本部の美女を食い物にしていたことが発覚、彼は即刻解任された。当然のケジメであろうが、木更津の事件は、戦争遺児が被害者である。たとえようもない、むごすぎる殺人事件である。公明党創価学会のケジメある対応を求めたい。そうしなければ、殺人やくざ隠蔽の罪を免れないだろう。

 やくざの信仰を否定するものではない。しかし、殺人犯を擁護・隠ぺいすると疑われる対応は、TBSの責任よりも、はるかに重い。被害者もまた、熱心すぎる公明党創価学会員なのだから。

 詩織さん事件も、人権後進国・日本、レイプ文化の日本を暴きだして尽きることがない。日本に、本当の女性運動家が誕生しなければならない時期でもあろう。今日は末広がりの8月8日である。

東京新聞8月8日

 国家戦略特区による獣医学部新設を巡り、二〇一五年六月のワーキンググループ(WG)の議事要旨で伏せられた学校法人「加計(かけ)学園」側の発言に、学園幹部が「愛媛県今治市には当学園の岡山理科大獣医学部を設置したい」との意向をWG委員に伝えるやりとりがあったことが、政府関係者の聞き取り記録や証言で分かった。安倍晋三首相の「(審議過程で)事業主体について提案者の今治市から説明がなかった」という国会答弁との整合性が問われる。 

 首相は国会で、学園の計画を今年一月二十日に初めて知ったと説明しているが、一五年六月の特区提案段階で事実上、今治市と学園が一体で提案していたことが判明。首相の説明責任が求められる。

 内閣府は本紙の取材に、「説明補助者は参加者と扱っておらず、公式な発言と認めていない」と回答し、議事要旨にない加計側の発言を明らかにしなかった。また、ヒアリング内容を首相に報告したかどうかは明確にしなかった。

 公開されている一五年六月五日のWGの議事要旨では、座長の八田達夫・大阪大名誉教授が「獣医学部新設は大学そのものの新設ですか」と質問。愛媛県の担当者が「大学の新設と学部の新設も考えている」と答えている。

 政府関係者によると、同席していた加計学園の相談役も、八田氏の質問に答えていたと明かす。学園系列の岡山理科大の名前を挙げ、「獣医学部設置の相談を受けている。今治市には岡山理科大獣医学部を設置したい」と発言したという。

 国家戦略特区では、提案内容が認められると事業者を公募で選ぶ。この時点で、加計側が事業者に名乗りを挙げていたことは、当初から学園と今治市が一体の提案者だったことを裏付けるものだ。

 政府関係者の記録によると、議事要旨には記載がないが、教員確保の見通しという具体的な開学に関するWG委員と加計側のやりとりがあった。質問した委員の本間正義・西南学院大学教授は「今治市に獣医学部を作るのは加計学園という認識だった。その認識がないのに先生何人集まるのとは聞かない」と明かした。

 別のWG委員が三点質問した場面は、政府関係者の記録によると加計学園側が二点、愛媛県職員が一点について回答しているが、議事要旨では県職員だけが答えている不自然な記載になっている。


竹中さんには誰も逆らえない

平成のハイエナ竹中平蔵が密かに狙っているもの!


 前々から「竹中平蔵」が怪しげな男だと感じていたが、コヤツは平成のハイエナ、守銭奴だ。小泉純一郎をうまく手玉に取って懐に飛び込み、民間人でありながら見事に「大臣」を手にした。

 大学教師の竹中にとって、「大臣経験者」の肩書は絶大で、利権屋の地位をほしいままにした。

 政財界の間を巧みに遊泳する守銭奴「竹中平蔵」の素顔を、権威ある硬派雑誌の「週刊金曜日」が白日の下にさらした。 (敬称略)

****************

週刊金曜日編集部
「特区の生みの親」竹中平蔵が疑われる原因(佐々木実)

 加計学園問題で脚光を浴びる国家戦略特区は別の問題も抱えている。衆議院の地方創生に関する特別委員会は国家戦略特区法の改正案を可決した5月16日、「附帯決議」として次の文言を盛り込んだ。

 〈民間議員等が私的な利益の実現を図って議論を誘導し、又は利益相反行為に当たる発言を行うことを防止するため、民間企業の役員等を務め又は大量の株式を保有する議員が、会議に付議される事項について直接の利害関係を有するときは、審議及び議決に参加させないことができるものとする〉

 野党議員の念頭にあったのは「国家戦略特区諮問会議」民間議員の竹中平蔵。

 与党内にも懸念の声はあった。

 そもそも国家戦略特区制度を提唱したのは竹中なのだが、「特区の産みの親」が疑われる原因は特区で優遇される企業との深い関係にある。

 特区諮問会議は東京都などで外国人による家事代行を解禁し、参入事業者のひとつにパソナを選定した。

 竹中が取締役会長を務めるパソナグループの子会社だ。

 兵庫県養父市の農業特区では、竹中が社外取締役を務めるオリックスの子会社を選定している。

 附帯決議については雑誌の記者から私も意見を求められたが、不思議なことに、その記者もふくめ関心をもつ人々は「もうひとつの企業」を見落としている。

 竹中と森ビルの関係はずいぶん古い。小渕恵三政権の経済戦略会議の委員となった際、同じく委員だった創業家2代目の森稔の知遇を得た。

 やがて竹中は森ビルの文化事業を担う「アカデミーヒルズ」の理事長に就任する。森稔の名声を高めた六本木ヒルズが完成したとき、竹中は小泉政権の現職閣僚だったが、上棟式に出席している。

 現在はアカデミーヒルズ理事長のほか、森記念財団の理事も務める。

 同財団の理事には森ビルの辻慎吾社長が名を連ねる。

 竹中は同財団の都市戦略研究所の所長も兼務している。

 国家戦略特区制度は「世界一ビジネスのしやすい国際都市づくり」を目的とするので“研究対象”である。

 実は、竹中が民間議員を務める特区諮問会議が扱う最大規模の事業が東京都心の再開発だ。

 特区で手がける都市再開発事業は30あまりあるが、特区諮問会議はそのうち5つのプロジェクトの事業主体として森ビルを選定した。

 森ビルの辻社長は今年2月10日、国家戦略特別区域会議に出席している。司会役は加計学園問題で名前が取り沙汰された藤原豊内閣府審議官(当時)で、森ビルのプロジェクトに関して、着工前の各種行政手続きを大幅に簡素化すること、設備投資減税の措置を講ずることなどを報告。

 辻社長は「この国家戦略特区制度と小池(百合子東京都)知事の都市政策のもと、政官民が一体となって異次元のステージとスピードで世界の人々を引きつけるような都市づくりを進めていかなければならない」と語り、「引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします」と結んだ。

 この日の会議に竹中の姿はなかったが、森ビル社長が謝意を伝えるべき相手が「国家戦略特区産みの親」であることは贅言を要しないだろう。

2017年8月8日火曜日

国有地が異常な安値で取引される。その知恵を国側がつけていた

 森友学園の補助金不正受給問題で、籠池前理事長夫妻が詐欺の疑いで逮捕されてから1週間。ここへきて、事件の“本丸”である不可解な国有地取引について、新たな証拠がボロボロ出てきた。森友学園にタダ同然で土地を譲渡できるよう、国側が道筋をつけて便宜を図ったことを裏付けるものだ。

 森友事件の発端は、評価額9.5億円の国有地が約8億円も値引きされて払い下げられたことにある。その上、国は地中ゴミの撤去費用として1億3000万円を支払っていて、森友学園は実質200万円で手に入れた。籠池夫妻はここに「安倍晋三記念小学校」を建立する予定だったのだ。

 3日の報道ステーションは、森友学園が土地の購入を申し入れてから6日後の去年3月30日に籠池夫妻と当時の弁護士、設計会社、施工会社が打ち合わせた際の「メモ」が見つかったと報じた。

 そこには、「航空局、財務局、彼らのストーリー。調査ではわからなかった内容で瑕疵を見つけていくことで価値を下げていきたい」「9メートルの深さまで何か出てくるという報告をするよう、財務局から森友学園側に言われている」と書かれていた。地中から新たに出たゴミを理由に、国有地が異常な安値で取引される。その知恵を国側がつけていたことをうかがわせる。メモには「国賠請求をしない条件として、評価額を下げる方向を向いている」「航空局も同意」などとも記されていた。

■音声データの生々しいやりとり

「この国有地取引について、通常国会で当時の佐川理財局長は『事前の価格交渉はしていない』と答弁していましたが、それが虚偽答弁だった可能性が高まった。それどころか、森友学園の支払いをほとんどゼロにするための方策を国側が授けていた疑いまである。怪しげな籠池夫妻に対し、国がそこまで便宜を図ったのは、背後に安倍夫妻の存在があるとしか考えられません。『自分や妻が関わっていたら議員も辞める』とタンカを切ってしまった安倍首相は内閣改造で目先を変え、籠池夫妻の逮捕で森友問題にフタをしてしまいたいのでしょうが、そうはいきませんよ」(ジャーナリスト・横田一氏)

 FNNが入手して公開した音声データには、さらに生々しいやりとりが録音されていた。安倍昭恵夫人の名前を出して、土地の大幅値引きを迫る籠池サイドの談判もかなりえげつないのだが、近畿財務局の担当者だった国有財産統括官がこう言っているのだ。

「(籠池)理事長がおっしゃられる『0円に近い』が、どういうふうにお考えになられているのか、売却価格が0円ということなのかなと思うが、私ども、以前からちょっと申し上げているのは、有益費(ゴミの撤去費)の1億3000万円という数字を、国費として払っているので……その分の金額ぐらいは少なくとも、売却価格は出てくる、と。そこは何とかご理解いただきたい」 

 で、実際に売却された金額が約1億3400万円。ゴミ撤去費用にわずか200万円を上乗せしただけだった。これらの会話が録音されたのは昨年5月。国有地の正式な鑑定価格が出る前である。

「これまで財務省は、鑑定価格からゴミの撤去費を差し引いて、売却価格を算出したと説明していましたが、森友学園の支払いを実質ゼロにするために、後からつじつま合わせをしたことは明らかです。それなのに、国会答弁で『記録は廃棄した』と繰り返し、ウソまでついて安倍政権を守り通した佐川理財局長が国税庁長官に出世したことはブラックジョークでしかない。財務省の悲願である消費税10%実現のため、政権に恩を売っておこうと考えたのかもしれませんが、首相夫妻に近い人に税金を使った利益供与が行われていた疑念が深まる中、公平性を歪めた組織の当事者が、税を徴収する組織のトップに就けば、税の公平性を担保出来ません。どのツラ下げて納税をお願いするのかという話で、国民をバカにしているとしか思えません」(横田一氏=前出)

 佐川国税庁長官が着任して1カ月以上。慣例の就任会見はまだ開かれていない。やましいことがないのなら、堂々と公の場に出てきたらどうなのか。

 いつまでも、そうやって逃げ回るつもりかもしれないが、フザけた人事に納税者は怒り心頭だ。すでに、佐川国税庁長官の罷免を求める署名活動が全国で始まっている。主体である「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐聰東大名誉教授は「税金の元締がモラルハザードの張本人となっている」と厳しく批判していた。

 政治学者の五十嵐仁氏もこう言う。

「財務省は書類を廃棄しても許されるのに、納税者に厳しくあたれるのか。国税庁には抗議の電話が殺到しているというし、現場の徴税官もやりづらくて困っているはずです。国民より政権の方を向いて仕事をしている官僚が出世するようでは、税の公平性だけでなく、行政全体の公平性を疑わせる。真面目に働いて納税するのもバカらしくなります。これでは、行政全体への不信感を増幅する人事を認めた側にも問題がある。結局、安倍政権はまったく反省などしていないし、国民をナメきっていることの表れです」

■組織ぐるみで国民を欺いた

 政治家や官僚の国会答弁で「記憶にない」は常套手段だが、そこには、さすがに国会で嘘をつくことはできないという敬意なり矜持が多少はあったはずだ。ところが、この政権では、みんな平気で嘘をつく。国会冒涜の代表格といえるのが佐川氏で、「データは自動的に消える」とまで言い切った。

 そういう人物の長官昇進を「国会で丁寧な説明に努めてきた」「国税庁次長なども務めており適材だ」と是認したのが麻生財務相である。麻生自身も、森友学園への国有地売却は「適正な手続き、価格で処理処分された」と答弁していたが、新たな音声データのやりとりが財務省の説明と食い違うことを問われると、こう言い放った。

「取材が正しいか、我々の答弁が正しいか。取材の方が正しいと思ったことはありません」 

「籠池さんは逮捕されたんでしょ。逮捕された人に話を聞いて、こちらがどうのこうの言うことはありません」

 これだけ決定的な証拠が出てきても、知らぬ存ぜぬの鉄面皮である。音声データは怪文書ならぬ「怪音声」扱いか。大臣以下、組織ぐるみで国民を欺く財務省。こんな背任組織は国民にとって害悪でしかない。大臣から幹部まで総退陣が必要ではないか。

「安倍政権の国家私物化によって、この国のガバナンスが破壊されてしまった。国民から信頼されなければ、国家は成り立ちません。それでいいのか、そういう政権の存在を許すのか。森友問題は、単に国有地売却の疑惑というだけでなく、安倍政権にも、有権者にも多くの問題を突き付けている。新たに出てきた証拠を無視し、籠池夫妻の逮捕で幕引きでは、国民の怒りは収まりません。政権への不信感は消えず、内閣不支持が増え続ける。隠蔽工作は政権のクビを絞めるだけです」

2017年8月7日月曜日

またしても安倍首相が「原爆」を「原発」と言ってしまい、「原爆」と読み直した。 原稿があるのに、なぜ間違えるのか?

またしても安倍首相が「原爆」を「原発」と言ってしまい、「原爆」と読み直した。 原稿があるのに、なぜ間違えるのか?

「役所の答弁書を朗読する」と語る新大臣

3日の内閣改造で就任した江崎鉄磨・沖縄北方相(衆院愛知10区)が5日、地元・愛知県一宮市で、今後の国会答弁で立ち往生するのを避けるためとして「役所の答弁書を朗読する」などと記者団に語った。

2017年8月6日日曜日

2017年8月4日金曜日

合格後、引き続き受験勉強を続け、一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能

杉尾秀哉参院議員が「iPS細胞という国家戦略につながる提案をしている京都が劣っていて、今治が優れている理由は何か」と質問すると、内閣府の塩見英之参事官からは驚きの答え。

「昨年12月22日の段階で『1校に限る』となり、どちらかを選ぶ必要性が生じた。年末年始にかけて、早期実現性の観点から提案書を比較し、今治市で公募することに決めた」

 中身よりも早期実現性が決め手とは、何たる国家戦略だ。しかも、今治市の公開資料によると、内閣府は今治市とだけ「平成30年4月開学」というスケジュールを共有。だから、選定前から予定地のボーリング調査に踏み切れたわけで、スピード重視なら今治市に決まるのも当然だ。

 こんなデキレースだから、加計学園は獣医学部の学生募集パンフレットに<合格後、引き続き受験勉強を続け、一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能>と明記。国家戦略を担う大学とは到底思えない。

 山本地方創生相は先月、「今治市と京都府の提案を比較して決定したが、記録は取っていない」とスッとぼけ、きのうの最後の定例会見でも「文書があることと、事の信憑性は直接の関係はない」と開き直った。

ーーーーー
京産大と加計学園の提案書類をテレビで見たが京産大のほうが圧倒的に充実していた。

2017年8月2日水曜日

国家戦略特区諮問会議とその下にあるワーキンググループ(WG)

 加計学園問題で一躍注目を浴びることになった国家戦略特区諮問会議とその下にあるワーキンググループ(WG)。諮問会議の議長は安倍晋三総理だが、民間議員やWG委員には、竹中平蔵氏をはじめ、小泉純一郎内閣の時から自民党政権のブレーンを務めているバリバリの政策通が名前を連ねている。

 加計学園獣医学部の新設が認められた経緯を見ると、疑惑だらけと言っても良い状況だ。加計孝太郎理事長と安倍総理、萩生田光一官房副長官、下村博文元文部科学相、さらには安倍昭恵夫人まで、おなじみ安倍ファミリーとの癒着ぶりは目に余る。さらに、文科省の問題文書を「怪文書」と切り捨てて隠ぺいしようとした事実。安倍総理が閉会中審査から逃げ回る姿。もう、ここまで見せつけられれば、どんなにお人よしでも、「これで何もないなんてありえない!」と考えるだろう。

 世論の勝負は、証拠があるかどうかではない。普通の人がどう思うかで決まる。これまでは、マスコミを抑え込んでいたので、本来なら負けるはずの状況でも、何とか時間稼ぎをしているうちにうやむやにできたが、今回は、東京新聞の望月衣塑子記者効果で、ついにマスコミ封じもできなくなった。そう考えると、安倍政権側にはほとんど勝ち目はない状況だ。

 一方、こんなに不利な状況なのに、なぜか、諮問会議の民間有識者たちは、わざわざ記者会見までして、自信たっぷりに加計学園の獣医学部新設を認めたことについて、「一点の曇りもない」と胸を張った。賢明な人たちの行動としては、いかにも解せないという印象だ。

 私は、ここに名を連ねる多くの人たちと規制改革や公務員改革などの関係で一緒に仕事をしたことがある。彼らは、一部を除けば、おおむねまじめな仕事師である。ほとんどの人は、私腹を肥やそうとか、政治家に取り入ろうなどという邪心を持つような人ではなかった。

●民間議員の既得権層への敵意

 彼ら民間議員の多くは、長年、政官財の癒着の構造にメスを入れ、既得権と闘ってきた人たちだ。彼らが、こうした既得権層に対して持っている敵意というものは、並大抵ではない。なぜなら、戦いの過程で、例えて言えば、後ろから切りつけられたり、闇討ちにあったりというひどい目にあわされてきたという思いがある。時には個人攻撃されることもあった。

 彼らの目から見ると、とりわけ、文科省はがんじがらめの規制で学校や教育者をしばり、その陰で天下り利権を守る、とんでもない抵抗勢力そのものである。私も長年規制改革に携わっていたが、確かに、文科省は、ルールを作って学校を管理するのが仕事だと考えている面が強く、教育の質を限られた予算の中で向上させるためのイノベーションを生み出すということにほとんど関心がないように見えることも多かった。少なくとも、彼らが正義の味方だという見方ははっきり言って間違っている、ないしは極めて一面的だと思う。

 ただし、諮問会議のメンバーが言うほど、文科省が悪の権化だというのも行き過ぎである。財務省や経済産業省も文科省と全く同様に天下り先確保のために様ざまな規制や予算措置などで行政を歪めている。つまり、どちらも脛に傷を持つ身だということだ。
 しかし、どうして、彼らの間には、こんなにも深い溝があるのだろう。不思議なようにも思えるが、よく考えると、実は、それが当然だということに気づく。なぜなら、彼らは、お互い全く異なる世界に住んでいるからだ。

●民間有識者と文科官僚の主観的な風景は全く異なる

 諮問会議有識者の多くは、経済学者や経産省などの元官僚、あるいは経済界出身者である。したがって、頭の中が、基本的に経済学の原理に支配されている。その基本的考え方は、なるべく規制はなくし、政府が余計な口出しをせず、競争原理で淘汰を進めることで社会が進歩するという筋書きだ。この考えをあらゆる分野に適用しようとする。そして、消費者利益の最大化を考える目線に立つ。これは、一般論で言えば決して間違いではない。
 一方の文科省は、教育は淘汰して勝者を選んでいくものではないという考え方に立つ。すべての子供たちが敗者にならないように支え育てるのが教育だという考え方だ。もちろん、教育の過程で競争というものも取り入れるが、あくまでもそれは、全員が前に進むためのものであって、勝者と敗者を線引きするためのものではないと考える。競争の勝者が教育の成果をより多く受け、敗者はこれをあまり受けられないというのは正義に反すると考えるのだ。教育を受ける者の利益を最大化するという目線が基本だ。

 例えば、諮問会議メンバーが、獣医学部を増やし、獣医を増やして競争を通じてその質を上げ、診療報酬を下げれば、消費者や社会の利益に資すると考えるのに対して、文科省は、獣医になって社会に貢献したいという学生の望みをかなえるためには、競争に負けて獣医になれず、失意の中で泣く泣く他の仕事に就くという学生の数は極力減らすべきだという考え方をする。筆者はこうした考え方には、まだまだ議論の余地があると感じるが、普通に聞いたら、なるほどと納得してしまう人も多いのではないだろうか。

 こうした考え方に立てば、どんどん獣医学部を増やして、あとは競争に任せよという考え方は全くの暴論だということになる。

 つまり、諮問会議メンバーや内閣府(経産省や財務省出向者の影響力が強く、プロパー職員も元経済企画庁の職員が主流なので全体として経済原理派が強い)は競争に任せて自然淘汰を進めて学生や獣医よりも消費者の利益拡大を目的とするのに対して、文科省は予定調和で学生の利益最大化を目的とする、というかなりはっきりした基本哲学の差異が存在するのである。

 したがって、各々が自分の立場が正論、相手の立場は意味不明のたわごとという考えを持つことになっているのだ。

 こう見れば、諮問会議の民間有識者が、自分たちは、競争を否定するとんでもない利権官庁・文科省と闘って、やっとの思いで獣医学部新設を認めさせた正義の味方である、それなのに、何かいかがわしいことをやったかのように言われるのは心外だ、という気持ちになる理屈がわかってくる。

 ちなみに、こうした考え方の他に、有識者や経産省、財務省らの強力官庁の側には、文科省は三流官庁だという根拠のない偏見がある。これは、単に入省時に、財務省や経産省の方が東大生に人気があって、文科省よりも入るのが難しい傾向があるということに基づくものに過ぎない。それから10年、20年経った後、教育行政について、どちらがより正しい答えを出せるのかということを考えると、こうしたランク付けは全く意味はないのだが、財務省や経産省の官僚には、なんでも順位を付けたがる傾向があり、その順位は基本的にテストの成績で決まると考えている人たちが多い。しかも、彼らは予算を握っていたり、官邸への影響力を持っていたりするので、どうしても文科官僚は押され気味になってしまう。その結果、文科官僚自身が、「俺たちは三流官庁だから」などと自嘲気味に話したりすることさえ目にするようになってしまったのである。

●有識者は政権を利用して規制改革を進める人たち

 もう一つ、この問題を理解するために知っておくべきことがある。それは、国家戦略特区諮問会議やWGの一部の民間有識者が、一般の省庁の審議会メンバーとは根本的に異なる行動をするということだ。

 一般の審議会は、役人が仕切っていて、委員は基本的に箔づけのためのお飾りである。審議も役人が主導して進め、報告書も役人が書く。しかし、今回記者会見したメンバーは、自分たちが会議を仕切り、官僚が抵抗しても、政治家を使って逆に切り崩していくということをやる人たちである。

 彼らは、安倍政権に使われているように見えるが、一部の委員たちは、逆に安倍政権を使って改革を進めようとしているのだ。したがって、改革の必要性を声高に叫ぶだけでなく、個別に菅義偉官房長官など官邸や内閣府の幹部にブリーフして、政治的に後押しをさせるというようなことまでする。原英史氏(GW委員。元経産省キャリア官僚で渡辺喜美元行革担当相の補佐官も務めた人物。現在は元財務官僚の高橋洋一氏とともに株式会社政策工房を経営し、政策立案などをビジネスにしている。)は今や菅官房長官の懐刀とまで言われているそうだ。

 安倍総理が、「頭に来たから」どんどん獣医学部を作れと言ってしまったのも、おそらく日ごろ彼らから、直接か間接かは別にして、「文科省はとんでもない役所です。獣医学部や獣医師会の利権と癒着して、寝転がって動かないんです」という話を聞いていたからであろう。安倍総理の頭には、それに対する怒りがベースにあって、「そんな悪玉が『行政を歪めた』などと正義の味方を演じ、とんでもない言いがかりをつけてきた」となり、「だったら、奴らが一番嫌がる全面解禁をしてやるぞ。ざまあ、みろ。思い知ったか!」という反応になってしまったのではないかと思われる。

 安倍総理としては、格好よく大見得を切ったつもりだったのだ。

●有識者の正義感を悪用した安倍政権の利権誘導

 こうしてみると、有識者と文科省のどちらが悪玉でどちらが善玉かというような単純な構造にはなっていないことがお分かりいただけると思う。

 そういう二元論に目が行くと、物事の本質を見失う。

 幸い多くの国民がすでに気づいているとおり、問題は、規制改革の政策論ではなく、加計学園の獣医学部新設が決定する過程での不正な利権誘導である。

 安倍政権は、元々規制改革に熱心ではない。もし、熱心であるなら、最初から獣医学部の新設を全国で解禁するという諮問会議メンバーの議論をサポートすべきなのに、それは最初からやる気がなかった。

 安倍政権は、諮問会議が獣医学部新設の理論武装をしてくれたので、それを使って、党内の抵抗が少なくなるようにと1校に絞り、さらに条件を細工して、加計学園だけに適用させるようにしたのである。つまり、諮問会議有識者メンバーは、安倍政権を使って規制改革を実現しようとしたが、逆にそれを安倍政権によって悪用され、結果として、とんでもない不正な行為のお先棒を担いでしまったわけである。

 ちなみに、先の衆参の閉会中審査では、参考人として、前川喜平前文科事務次官と原英史氏が出席し意見を戦わせたが、これは、実は官邸が仕掛けた罠である。

 これはあたかも、ことの本質が規制改革にかかわる2派の対立であるかのような印象付けをねらった舞台設定になっていた。そして、民間有識者としては、批判されれば、自己弁護をせざるを得ず、きっと文科省批判をしてくれるだろう。そうなれば、文科省の利権構造が、安倍政権の主張ではなく第三者の主張によって浮き彫りになり、文科省の信頼度が下がる。その結果、相対的に安倍政権の言うことの信憑性が増すという計算だ。

 しかし、残念ながら、その目論見は外れたと言ってよいだろう。いくら、その点について話をしても、冒頭の疑問(加計理事長と安倍夫妻、萩生田官房副長官、下村元文科相らの癒着ぶりなど)が消えない限り、安倍政権がおかしなことをしたという強烈な印象は消えないからである。

●安倍政権に騙されたふりをした有識者のしたたかさ

 安倍政権が有識者たちを利用したと書いたが、実は、(これは私の勘だが)有識者たちはそれに気づいていたのではないかと思う。彼らは、安倍政権に騙されるほどお人よしな人たちではないからだ。

 彼らは、そこは気づいていたが、規制改革の実を取るために気づかぬふりをしたのではないだろうか。安倍総理たちが、加計学園のためならなりふり構わず圧力をかけてくれる。そう読んで、そのためにうまく理論武装をして官邸関係者を洗脳して、「規制改革と言えば何でもできる」と思わせたのではないだろうか。

 有識者たちは、もちろん、汚い争いに直接手を染めるようなことはなく、後に「一点の曇りもない」と胸を張れるような立場をしっかり維持しながら、それをやり抜いた。

 以上は、私の推測だが、決して的外れということはないと思う。彼らは、それくらい、したたかな人たちなのである。



特区諮問会議

安倍首相が、しきりに民間議員がとか有識者がと言って、加計学園の申請が受理されたのは行政指導によるものではないことの根拠に上げていたことを思い起こせばいい。諮問会議の有識者議員やワーキンググループの委員が、民間有識者の立場を利用して自分たちと首相の利益・思惑のために首相の権力を笠に着て好き放題をしている、ということだ。第一に、特区諮問会議というのがおかしな組織だ。諮問会議の規則では、諮問するのが首相や大臣で、諮問会議の議長が首相で、諮問会議のメンバーに大臣が入っている。自分(たち)が自分(たち)に諮問して自分(たち)に答申するようになっている。こんなの諮問会議っていうんだろうか。このあたりのことを誰も指摘していないのは何でだろう。諮問会議は、いわば参謀本部で、ワーキンググループの構成員は参謀ということだ。誰からも諮問を受けずに誰にも答申する必要のない組織だ。自分たちで立案して自分たちで決めることができるようになっているのだから、好き勝手ができるわけだ。民間議員に依ってとか民間有識者に依る言えば官主導ではないから適正だと強弁した安倍首相が「民間」を隠れ蓑にして不正を覆い隠しているのである。

竹中平蔵氏はパソナグループの会長

神奈川県の国家戦略特区で規制緩和された家事支援外国人受入事業について、大手人材派遣会社のパソナが事業者として認定されてます。国家戦略特区の諮問会議の民間議員の一人である竹中平蔵氏はパソナグループの会長。審査する側が仕事を受注したわけだから、審議の公平性が保てない」とAERAで竹中氏に関しての報道がなされてます。5月16日に衆院地方創生特別委員会で採択された国家戦略特区法改正案の付帯決議では、会議の中立性を保つために「民間議員等が私的な利益の実現を図って議論を誘導し、又は利益相反行為に当たる発言を行うことを防止する」と明記されました。竹中氏はいまの国家戦略特区の制度を安倍政権に提案し、自ら民間議員にもなっています。(AERA記事より要約)。高橋洋一氏は小泉政権の時代から竹中平蔵氏と近く、加計学園の件でも今治における獣医医学部新設を後押ししています。郭先生はその著書「国家戦略特区の正体」の中で「特区で得られる利益は外国企業に持ち去られ、地域間、国民間の格差をより拡大させる”治外法権区域”に他ならない」と書いてます。国家戦略特区WGとしては成田の医学部もそうですが、とりあえずは国内での実績づくりを焦っている様に見受けます。そのうち、第二の郵政改革の様な大規模な”規制緩和?”をどこかの特区で行うでしょう。

加計問題、「総理のご意向」を仕組んだ“真犯人”は誰か

加計問題、「総理のご意向」を仕組んだ“真犯人”は誰か ~恐るべき18歳の推理
投稿日: 2017年7月31日 投稿者: nobuogohara
安倍晋三首相も出席して行われた衆参両院の閉会中審査での「加計学園が今治市に獣医学部を新設する話は今年1月20日まで知らなかった」との答弁が、野党の集中砲火を浴び、マスコミでも厳しい批判を受けたことで、加計学園問題に関する安倍首相の疑惑は解消されるどころか、ますます深まっており、一向に沈静化する兆しはない。急速に下落し「危険水域」に入ったと言われている内閣支持率の回復も見込めず、安倍内閣は危機的な状況に陥っている。

こうした中で、まだほとんど注目されていないが、 Tomoaki Kitaguch(北口)氏による【 加計問題の真相?(フィクションとしてお楽しみください)】との注目すべき記事が、フェイスブック上に登場している。ご本人も、「より多くの方に、この考察を読んでいただきたい」と了解してくれたので、以下に全文を引用する。

新たな報道を見聞きして、「加計問題の真相」は、巷で議論・想定されている内容とは違うところにあるのではないか、と考えるようになりました。

以下、報道されている情報を基に、国家戦略特区ワーキンググループ(以下、特区WG)の視点から構成した「フィクション」(少なくとも、現時点では)を掲載します。

信じるか信じないかは、あなた次第です。

*   *   *

『獣医学部新設の制限は、株式会社による農地保有の禁止などと並んで有名な岩盤規制だ。だから特区WGは、2013年の特区制度設立時から、「国家戦略特区がこれらの岩盤に穴を開けなかったら、国家戦略特区の存在意義を問われる」と考えていた。』(特区WGについて、WG座長・八田氏)

安倍首相のビッグスポンサーであるが故に「籠池氏の二の舞」とならないだけで、加計学園は「利用された」のだ。渦中の人となっている、安倍首相・萩生田氏といった政界の大物たちも「利用された」のだ。誰に? そう、「規制緩和ありき」で獣医学部新設を推進してきた、特区WGに、だ。

現在の疑惑の中心は、安倍首相・萩生田氏を始めとする官邸関係者だが、獣医学部新設の実働部隊は、特区WG・内閣府。実働部隊が共有する行動理念は「何がなんでも、獣医学部を新設し、岩盤規制を打破する」というもの。つまり、当初は「加計ありき」というより「規制緩和ありき」だった。悩みの種は「どうすれば、文科省と獣医師会をねじ伏せられるか」ということ。彼らにとっては、岩盤規制にドリルで穴を開けることさえできれば、特区の指定先はどこだって良かった。

獣医学部新設は、特区WGの「実績づくり」のために、致命的に重要だ。「日本の検疫行政の未来」や「石破四条件との適合性」といった観点から、慎重に政策の妥当性を検討する暇などない。最速で規制緩和をしなければならない。しかし、文科省と獣医師会の抵抗は、想定以上に強力だ。「特区が実現しさえすれば、メリットのエビデンスは腐るほど付いてくるはず…。そうなれば、文科省や獣医師会はぐうの音も出なくなるのに…」。市場原理を妄信する特区WGは、皮算用を始めていた。

16年3月時点で公募に応じたのは、加計学園と京都産業大学の2校。「平成30年開学」というゴールから逆算して考えると、京都産業大学では間に合わない。長年申請を続けてきた(程度が低かったのか、15回却下されているが)加計学園の方が、準備も進んでいるはずだ。

8月に地方創生相が、石破氏から山本氏に代わった。これを「官邸からのメッセージ」と捉えた特区WGは、ついに加計学園に白羽の矢を立てる。「規制緩和ありき」が「加計ありき」に変わった瞬間だった。「加計学園で、ほぼ確定」と内定を伝え、開学への準備を急いでもらう。一般公開されていない裏情報を渡したり、申請書の内容にアドバイスしたりして、認可のハードルを下げるといった工作もした。

文科省・獣医師会の同意を未だ取り付けられていない中で、「見切り発車」を一私大に求めることには、懸念もあった。交渉が上手くいかなかった場合、莫大な損失を与えながらも、政府として責任を取ることは不可能、という事態に陥りかねないのだ。しかし、特区WG内部では、「加計学園なら、大丈夫だろう」という打算があった。加計学園の、圧倒的な「政治的コネクション」に賭けたのだ。

パートナーの愛媛県知事・加戸氏は、言わずと知れた「アベ友」。「愛媛県への大学誘致」(獣医学部新設ではない)を悲願とする彼は、獣医学部新設に並々ならぬ情熱を注いでいる。しかも、文科省のOB。加戸元知事だけではない。加計学園サイドは、政界に強い影響を持つ人物を、多数擁している。安倍首相と加計理事長は、自他ともに認める「腹心の友」の間柄。千葉科学大学客員教授を務める萩生田氏は、内閣官房副長官。加計学園で理事を務める木曽氏は、元内閣官房参与で、文科省OBだ。

「加計学園で行きます。でも、文科省と獣医師会がうるさくて…」。こう伝えれば、特区WGの感知しない部分で、憎き文科省・獣医師会に「政治的な圧力」をかけてくれるのではないか。「獣医学部新設のためなら、どんな手段でも使う」、そう胸に誓った特区WGにとって、「加計ありき」路線の選択に迷いは無かった。この判断を端緒として、単なる「規制緩和ありき」の段階では考えられなかった速さで、事態は進展していくことになる。

果たして、先述の面々は、様々な形で「政治的な」折衝を行った。16年9月~12月のことである。文科省の前川事務次官には、あの手この手で揺さぶりをかける。獣医師会には、山本大臣が直々に馳せ参じる。この時点では「加計ありき」は隠さなければならないのだが、山本大臣は「加計で行きます」と口を滑らせてしまった。根が正直で、政治工作に向かないのだろう。何はともあれ、各員の努力が奏功して、文科省・獣医師会の抵抗も徐々に収束してきた。

「加計ありき」路線に同調する権力者が、各所で「総理の意向」をちらつかせたのは、大きかった。内閣人事局と国民の支持率に由来する「絶大な権力」を有する安倍晋三に盾突く者は、もはや日本の政界にはいない。また、案件が「獣医学部新設」であるだけに、「総理の意向」の中身についての「ミスリーディング」が期待でき、実質的な圧力は二倍。というのも、「スピード感を持って規制緩和する」という「総理の意向」を、それとなくボカして伝えるだけで、「加計学園で何としても獣医学部新設を実現する」とのメッセージとして解釈してくれるのだから、扱いやすい。どうせ、オトモダチの加計理事長から色々頼まれているのだろうから、罪悪感など欠片も無い。規制緩和のために、有効に活用させてもらうまでだ。

交渉の過程で飛び出した、「獣医学部の空白地帯に限る」や「一校・一地域に限る」といった後付けの条件は、最終的には「全国展開」を見据える特区WGとしては不本意なものだが、「加計ありき」で動いてくれている人々にそれを言っても仕方のないことだ。「1つの区域で規制改革が認められれば、他の区域でも認められる」という「特区ルール」を発動させることができれば、「事情が変わった」などと言い訳して、ちゃぶ台返しすれば良い。加計学園で実現すれば、後はどうとでもなる。後付けの条件で京都産業大学も手を下してくれたし、向かうところ敵なし。8月の文科省設置審で不認可にでもしようものなら、「総理の意向」で文科省解体しまっせ…(脅迫)。

規制緩和バンザイ! 自由競争バンザイ! 安倍首相バンザイ!

*   *   *

…以上、北口の妄想でした。安倍首相・萩生田官房副長官・前川前次官・加計理事長・加戸前知事…などと、役者揃いの「加計問題」ですが、どうも彼らは「何者かの手玉に取られている」感が、半端ない。では、この問題に「黒幕」がいるといたら、誰か。「規制緩和ありき」で突き進んできた特区WGなのではないか。「獣医学部新設」という彼らの目標を実現するために、安倍首相も「加計ありき」の人々も、利用されたのではないか。このような直感と、「疑惑は確かに存在しているのでは」という素直な実感に従って、ストーリーを描いてみました。

あくまでフィクションですが、既存の報道と不整合な部分があれば、ご指摘願いたいです。僕が知っている範囲の情報とは、整合性が取れるように組み立てているつもりですが…。現時点では、きちんと突っ込み始めたらキリがないくらいのミスはある気がします。

最後に、もう一度。「「信じるか信じないかは、あなた次第です。」」



北口氏は、「妄想」、「フィクション」(少なくとも、現時点では)などと言っているが、加計学園をめぐる問題全体に対する極めて鋭い推理・分析に基づく、リアリティ溢れる「迫真のストーリー」であある。

しかも、驚くべきことに、これを書いた北口氏は、フェイスブックに掲げられている「ディベート甲子園」、「地学五輪」、「数学理科甲子園」等での輝かしい成績から、“灘高校3年在学中の高校生”と特定できる。



特区WGの主体的かつ積極的な動きへの着目

この「北口ストーリー」の特筆すべき点は、「加計ありき」の獣医学部新設の動きに関して、野党での国会での追及、マスコミ報道などが「安倍首相と加計孝太郎氏との『腹心の友』の関係」に偏り、そこに、世の中の関心も集中している中で、国家戦略特区特区ワーキンググループ(以下、「特区WG」)の動きに着目し、それを中心軸に関係者の動きをとらえるという「視点」、そして、安倍首相などの政権首脳と文科省の前川前次官らが、まるごと「何者かに手玉に取られている」のではないか、「真犯人」は特区WGではないかとの「推理」を行っていることである。

前者の「視点」は、加計学園問題全体を分析・整理した私のブログ記事【加計学園問題のあらゆる論点を徹底検証する ~安倍政権側の“自滅”と野党側の“無策”が招いた「二極化」】を参考にしてくれたものだと思うが、特区WGを「中心軸」としてとらえるという「視点」は、私にはなかった。そして、後者の「推理」は、私には考えも及ばなかった奇想天外な「ストーリー」であるが、そこには、かなりのリアリティがある。

この「特区WG真犯人ストーリー」のリアリティの最大の根拠となるのが、特区WGの民間議員らが、今回の加計学園問題に関して、異常なまでに「主体的かつ積極的に」動いていることである。

6月13日には、国家戦略特区諮問会議の有識者議員(民間議員)及びWG民間議員が記者会見を行い、今治市に獣医学部の新設を認めた手続にも経過にも全く問題はない、

一点の曇りもない

と断言した。そこで根拠とされた《2016年3月末までに文科省が挙証責任を果たせなかったので、勝負はそこで終わっている。延長戦で9月16日にワーキンググループをやったが、そこで議論して、もう「勝負あり」》とする「挙証責任」「議論終了」論を、特区WGの民間議員の八田達夫氏や原英史氏が、国会の参考人質疑で滔滔と述べている。

また、原氏と同じ株式会社政策工房の会長の高橋洋一氏は、前川喜平氏が加計学園問題で「行政が捻じ曲げられた」と公言した頃から、「挙証責任」「議論終了」論をネット記事やテレビ出演で繰り返し主張し続けている。

この特区WGの主張は、「4条件」の閣議決定の文言・趣旨とも、実際のWGでの議論の経過とも一致しておらず、凡そ通る余地はない。それは、7月8日放映のBS朝日「激論!クロスファイア」での高橋氏と私との「激論」からも、私のブログ記事(【加計問題での”防衛線”「挙証責任」「議論終了」論の崩壊】【加計学園問題のあらゆる論点を徹底検証する ~安倍政権側の“自滅”と野党側の“無策”が招いた「二極化」】)などからも明らかだ。

ところが、その後も、特区WGの民間議員達は、「挙証責任」「議論終了」論によって加計学園の獣医学部新設を認めたことを正当化する主張を、今なお続けている。

特区担当の山本幸三大臣は、特区WGで獣医学部新設に関する議論が続いていた2016年11月には、大臣自らが獣医師会に乗り込んで、獣医学部新設を認めるように説得したり、国会答弁では「挙証責任」「議論終了」論をそのまま「受け売り」するなど、その答弁は、安倍首相や松野博一文部科学大臣の答弁などからも遊離し(7月24日の参院予算委員会閉会中審査での日本維新の会浅田均議員の質問等に対する答弁)、「閣内不一致」ともいえる状況になっている。

しかも、24日の国会での山本氏の「加計学園と同様に獣医学部新設を検討していた京都産業大とも連絡をとっていた」との答弁について、内閣府は、26日に、「大臣が答えた中身について確認できていない」とする見解を明らかにしており、山本氏の対応は、内閣府の担当部署とも乖離しているように思える。

これらから見えてくるのは、加計学園問題をめぐって、野党・マスコミの追及に対抗する側が、安倍首相を中心とする内閣・政府の組織と、特区WGの民間議員達と彼らに担がれた山本担当大臣に「二分化」しているという異常な構図なのである。

北口氏は、そこから、「特区WGが、主体的に『加計ありき』の獣医学部新設に向かって動き、それが問題とされるや、『挙証責任』『議論終了論』によって正当化する主張を積極的に行っている」という「特区WG主導のストーリー」を想定したのであろう。



特区WGが「安倍首相の意向への忖度」を利用したとの“大胆な推理”

そして、そのような「特区WG主導のストーリー」から、北口氏は、次のような「大胆な推理」を行うのである。

和泉洋人首相補佐官が、前川前文科次官に対して「総理が言えないから、私が言う」と言って、獣医学部新設を認める方向での文科省の対応を促したこと、萩生田光一官房副長官が、文科省の高等教育局長に「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」という趣旨の発言をしたこと、そして、それらから、文科省側は「総理のご意向」を感じ取り、前川氏も総理の意向で文科省の行政が捻じ曲げられたと考えたことなどは、ほぼ事実である。それらは、これまで、「『腹心の友』の加計氏の便宜を図ろうとする安倍首相の意向」に結び付けられてきたが、実は、安倍首相の「お友達」が経営する加計学園の獣医学部新設を俎上に載せれば、関係者に当然に「安倍首相の意向への忖度」が生じて、学部新設を早期に実現しようとすることを熟知していた特区WGの民間議員達が、それらを、丸ごと利用したのではないか。

北口氏は、「安倍一強」体制の下で、首相本人の意向が明確に示されなくても、それを確認することなく、「忖度」するのが当然の状況にあり、その構図をうまく利用すれば、「加計ありき」の獣医学部新設が「総理のご意向」によって進められているかのように認識し、猛烈な勢いでその実現に向かって邁進させることも可能だったのではないかと考えたのである。選挙で選ばれたわけでもない特区WGの民間議員達は、「忖度」の構図を巧みに操って、「獣医学部新設」で岩盤規制を打破するという彼らの目標を実現したのではないかと「推理」するのである。

この推理の下では、関係者の証言の多くが、矛盾なく整合していく。安倍首相は、加計氏から今治市での獣医学部新設について何の依頼も受けておらず、その認識すらなかったとの、「にわかには信じ難い弁解」が仮に真実であったとしても、「文科省の行政が捻じ曲げられた」との前川氏の主張と相反することもない。特区WGの仕掛けによって、官邸・内閣府側と文科省側という対立する両者が、いずれも「安倍首相の意向」のように信じ込んだということで、事実として両立するのである。



国家戦略特区という制度の歪みの現実化

唯一、リアリティに疑問の余地があるとすれば、特区WG民間議員達に、そこまでのことをする「動機」がどこにあるのか、という点であろう。しかし今回の加計学園問題は、国家戦略特区という制度の歪みが現実化したものと考えれば、特区WG民間議員達が、北口氏の「推理」どおりの動きをすることも決してあり得ないことではない。

国家戦略特区という制度の歪みと重大な問題を指摘する著書【国家戦略特区の正体】(集英社新書)を、加計学園問題が表面化する前の今年2月に公刊した郭洋春立教大学教授は、加計学園問題表面化後のインタビュー記事【疑惑は加計学園だけじゃない? デタラメすぎた「国家戦略特区」の“歪んだ行政”】で、次のように述べている。

そもそもの制度設計に重大な欠陥があります。その問題点が日本経済全体に長期的な悪影響を与えるよりも先に、加計学園問題で噴出してしまったと言えるでしょう。運用面も含めたそのデタラメぶりは私が想像していた以上かもしれません。

今治市の分科会に出席したメンバーを見ると、八田達夫という名前が出てきます。「民間有識者」という立場での出席ですが、アジア成長研究所所長・大阪大学名誉教授である八田氏は、実は国家戦略特区構想の制度で重要な位置を占める「ワーキンググループ」の委員でもある。この点は見逃すことができません。

ワーキンググループというのは、国家戦略特区に指定された各地域から上がってくる事業提案を審査する立場にある機関です。その立場にある人物が、各地域がどの事業を提案するかを考える分科会にワーキンググループの委員という肩書きではなく「民間有識者」という立場で出席しているのです。

郭教授は、特区WGの座長の八田氏の「利益相反的な立場」を指摘しているが、同氏とともに、特区WGで獣医学部新設に向けて中心的な役割を果たし、国会でも何回も参考人として「挙証責任」「議論終了」論を述べている原英史氏については、一層妥当する。

原氏は、「株式会社政策工房」の社長であり、同社の会長が高橋洋一氏である。同社の経営実態は不明だが、高橋氏は、以前、ラジオ番組で共演した際に、「政策や法律案を作ることに関する業務」と説明していた。国家戦略特区という制度に関して、原氏がどのような立ち位置にあるのか、規制緩和や特区の政策や運用について国からの委託を受ける一方で、規制緩和策によって利益を受ける事業者の側からも業務を受託していることも考えられる。

そのような立場の特区WG民間議員なのであるから、「岩盤規制の撤廃」で実績を上げることを至上命題とし、それに関する重要な案件である「獣医学部の新設」に、手段を選ばすに邁進したとの北口氏の推理も、あながち不合理とは言えないのである。



ストーリーは加計問題の「疑惑」を否定するものではない

北口氏の「加計問題の真実」で書かれている「特区WG真犯人ストーリー」にはリアリティがあり、それが真実であった可能性は十分にある。

そして、仮に、ストーリー通りであったとしても、国家戦略特区で加計学園の獣医学部の新設を認める決定を行ったことが、行政を捻じ曲げる不当ものであることに何ら変わりはない。特に、京都産業大学が応募を断念せざるを得なくなった「平成30年4月開学」の条件設定の合理的な説明は困難であり(【京産大記者会見への反応に見る”更なる「二極化」”】)、獣医学部の新設が、何らかの不当な力が作用する中で行われた可能性が否定されるものではない。

特区WGと文科省側との最大の対立点になっている「獣医師をめぐる需給」の問題について、最近出された記事【加計学園問題に関する単純な疑問「日本では獣医師が不足しているのか?」】において、特区WGが「錦の御旗」にした「獣医師の不足」という主張も、客観的な数字に基づいて比較すれば、その論拠は極めて薄弱であることが示されている。



安倍首相自らが招いた「冤罪的要素」の可能性

仮に、特区WGが「真犯人」で、「総理のご意向」の“忖度”は彼らに仕組まれたものだったとすると、加計氏に便宜を図ったと疑われたことについて、安倍首相にとっては「冤罪」的な要素があったことになる。

しかし、仮にそうであったとしても、「冤罪」的な要素は、すべて安倍首相自身が招いたものである。

まず、「安倍一強」体制の下で、官邸、内閣府等において、安倍首相本人の意向を確認することなく、それを「忖度」するのが当然のような雰囲気が作られていたことに根本的な問題がある。

【加計学園問題のあらゆる論点を徹底検証する ~安倍政権側の“自滅”と野党側の“無策”が招いた「二極化」】でも述べたように、安倍首相にとって、加計学園に関して問題を追及された際に不可欠だったのが、《国家戦略特区に関する権限を有する総理大臣と、加計学園理事長とが「腹心の友」であることの「利益相反」の問題》と《諮問会議とWGの民間議員のメンバーに国家戦略特区に関する「判断」を行わせることの公正・中立性に関する問題》を認識することだった。そして、それらについて反省すべき点は反省し、改善の検討をする旨言及していれば、加計問題が大きな問題になることはなかったはずだ。

しかし、そのような認識を欠いたまま、当初の野党の質問に対して、「全く問題ない」と言い切ったために、従来の文科省の方針に反して獣医学部の設置認可を迫られた文科省側の反発を招き、その後、「総理のご意向」などと書かれた内部文書の存在が指摘され、前川氏が記者会見で「文書は確かに存在した」「文科省の行政が捻じ曲げられた」と発言するという事態に至った。

もし仮に、安倍首相側に本当に何もやましいことがなく、官邸・内閣府に対する指示・意向も全くなく、安倍首相と加計氏との親密な関係は、国家戦略特区での加計学園の獣医学部新設を認めることに全く無関係だったとすれば、それにもかかわらずここまで深刻な事態に追い込まれたことは、すべて安倍政権側の対応の誤りのためだったということになる。そうだとすると、安倍政権の危機対応能力の欠如は、ほとんど病気に近いものと言わざるを得ない。

しかも、安倍内閣の支持率が大きく下落し、「国民に丁寧に説明する」と自ら明言した後も、安倍首相は、疑惑を一層深める対応を繰り返している。閉会中審査の段階で、「加計学園の獣医学部新設の話を1月20日に初めて知った」などと、誰にも信じてもらえない内容の答弁を行い、翌日の質疑で過去の答弁の訂正に追い込まれるという大失態を演じた。

そもそも国家戦略特区という枠組みを作り、アベノミクスの成長戦略の「第三の矢」に位置付けたのは安倍首相自身である。その枠組みが、特区WGの暴走につながり、それに安倍首相の意向への「忖度の構図」が利用されたとすれば、それも、すべて安倍首相の責任である。

安倍首相に、今、必要なことは、北口氏の「特区WG真犯人ストーリー」を十分に念頭に置いて、国家戦略特区で獣医学部新設を認めるに至った経緯と判断の是非を、加計学園の大学経営の実態、今治市側の特区申請に至る経緯等も含めて全面的に検証すること、それも、独立かつ中立の第三者による調査に委ねることであろう。



驚異の18歳!

それにしても、恐るべき18歳である。「大人の世界」が不毛な追及と弁解に終始して全く事態の収拾が見通せない状況において、加計学園問題全体を俯瞰し、「特区WGの主導性」に着目し、「総理の意向」が利用されたかという問題の本質を見抜く推理・分析力と、それをストーリー展開させていく能力は、常識を遥かに超えている。検事時代に様々な検察独自捜査に関わった経験や、特捜検察と司法マスコミの癒着を主題とする推理小説【司法記者】(講談社文庫)も書いた経験もあり、推理・分析力、ストーリー展開力にはそれなりの自負を持っている私だが、北口氏のストーリーには、完全に脱帽である。「将棋の世界での藤井聡太四段」に匹敵すると言っても過言ではない。

国の権力の中枢である首相官邸が、首相の国会答弁の混乱を回避することすらできず、事態を一層深刻化させてしまう惨憺たる状況にあり、危機対応能力の欠如と人材不足が絶望的にも思える中、我々は、北口氏のような十代の若者達がこの国を救ってくれる時代がくることに望みを託すほかないのであろうか。

国会での証人喚問は「犯罪捜査のため」という暴論

国会での証人喚問は「犯罪捜査のため」という暴論
投稿日: 2017年3月27日 投稿者: nobuogohara
3月23日に衆参両院の予算委員会で籠池氏の証人喚問が行われ、安倍昭恵夫人から100万円の寄付を受領した旨証言したことを受け、野党側は、安倍昭恵夫人の証人喚問を求めているが、与党側はそれを拒否し、安倍首相自らが、昭恵夫人の証人喚問が不要であることの理由として、

なぜ籠池さんが証人として呼ばれたのかと言えば、…(中略)…補助金等の不正な刑事罰に関わることをやっているかどうかであり、私や妻はそうではないわけであるから、それなのに証人喚問に出ろというのはおかしな話

と堂々と述べている。

国会での証人喚問は、憲法62条の「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。」と明文で認められている国会の「国政調査権」の手段の一つである。

その「調査権」にも限界があり、喚問した証人自身に対して「刑事事件」に関することを証言させることは、憲法38条1項の「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」との規定で保障される「供述拒否権」を侵害する恐れがあるので、議院証言法4条で「証人又はその親族等が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのあるときには証言等を拒むことができる」として、憲法上当然の権利が、証人喚問においても認められている。

籠池氏が証人喚問で、「刑事訴追のおそれがあるので答弁を控えます」と述べて証言を拒否したのも、この権利に基づくものだ。

国政調査権が与えられていることは、国会の機能にとって極めて重要なことだが、「証人の犯罪に関すること」には調査が及ばないのは、あまりにも当然のことであり、常識以前の問題である。したがって、籠池氏に補助金に関する犯罪の疑いがあるのであれば、それは証人喚問の「障害」にはなりえても、証人喚問の理由になるなどということはあり得ない。

犯罪に当たる可能性のあるものだけを証人喚問するということであれば、証人喚問は「犯罪捜査のためのもの」ということになり、「刑事訴追の恐れがある」との証言拒否で終わってしまう。

ところが、その国政調査権に関する当然の常識に反して、安倍首相が、「犯罪の疑いがなければ、証人喚問は行わない」と国会で公言し、それに呼応して、政府首脳や自民党幹部までが、同趣旨のことを言い出している。まさに憲法も法律も無視した暴論が平然とまかり通るというのは、一体どういうことなのであろうか。

籠池氏の証人喚問の4時間余り後に、昭恵夫人のフェイスブックでコメントが出たことについて、形式・内容から見て、昭恵夫人自身が投稿したものではなく、首相官邸側の反論を、昭恵夫人のフェイスブックを使って公表した可能性が高いこと、昭恵夫人の行動は「私人」としてのものだと説明しながら、官邸側の対応と昭恵夫人の対応とを「一体化」させるようなやり方は不適切で、かえって、昭恵夫人を今後一層窮地に追い込むことになりかねないことを、一昨日のブログ記事【昭恵夫人Facebookコメントも“危機対応の誤り”か】で指摘した。しかし、与党自民党サイドは、依然、フェイスブックでコメントを出していることも、昭恵夫人の証人喚問が不要であることの理由にしている。

今回の問題についての自民党や官邸側の危機対応の誤りについては、【籠池氏証人喚問は、自民党にとって「危険な賭け」】【籠池氏問題に見る”あまりに拙劣な危機対応”】などで指摘してきたが、安倍首相側、官邸、自民党の対応は、これまでの対応を反省するどころか、ますます開き直り、憲法に反すること、法律に反することを、平然と公言し、行っているというのが現状である。

私は、これまで、長期化している安倍政権と日本政府について、「権力の一極集中」に漠然とした危惧感を持ちながらも、国政を遂行する能力、様々な事態に対応する能力という面では、それ相応に高いものと考えていた。少なくとも、その前の民主党政権よりははるかにましだと思ってきた。

しかし、この森友学園問題という、外交・防衛等の国政の重要課題とはレベルの違う、些細な問題での対応に失敗し続け、最後には、法治国家ではあり得ないような対応を、組織を挙げて行っている安倍政権の現状を見ると、やっていることのレベルは、混乱が続いている近隣諸国と変わらない。

日本人であることが不安になってきたというのが偽らざる思いである。

竹下国対委員長の一族が経営する企業である建設会社の「福田組」

加計学園問題で前川氏の証人喚問を拒否していた竹下自民国対委員長、やっぱり利害関係者でした  竹下国対委員長の一族が経営する企業である建設会社の「福田組」が加計学園の工事を受注するという利害関係者だった

”常識外れの籠池夫妻逮捕”


検察はなぜ”常識外れの籠池夫妻逮捕”に至ったのか
2017年8月1日 郷原信郎が斬る


昨日、籠池泰典氏夫妻が、大阪地検特捜部に、「詐欺」の容疑で逮捕された。

驚くべきことに、この「詐欺」の容疑は、今年3月下旬に大阪地検が告発を受理した「補助金適正化法違反」の事実と同じ、森友学園が受給していた国土交通省の「サスティナブル建築物先導事業に対する補助金」の不正受給であり、「補助金適正化法違反」を、「詐欺罪」の事実に構成して逮捕したということなのである。

詐欺罪と補助金適正化法違反の関係は、「一般法と特別法の関係」というのが常識的な理解だ。一つの事象に対して一般的に適用される法律があるのに、適用範囲が狭い特別の法律が定められている場合は、法の趣旨として、その特別法が適用され、一般法の適用が排除されるというのが「一般法と特別法」の関係だ。

補助金を騙し取る行為は、形式上は詐欺罪が成立する。しかし、国の補助金は本来、当局による十分な審査を経て支給されるものであり、不正な補助金交付を行ったとすると、国の側にも問題がなかったとは言えないこと、国からの補助金の不正は地方自治体等の公的な機関でも行われることなどから、補助金適正化法は、不正受給の法定刑を、詐欺罪の「10年以下の懲役」より軽い「5年以下の懲役・罰金」とし、「未遂罪」が設けられている詐欺罪と異なり、未遂を処罰の対象外としたものだ。つまり、あえて「詐欺罪」より罪が軽い「補助金適正化法違反」という犯罪を定めたものだといえる。

このような法律の趣旨からすると、国の補助金の不正受給である限り、詐欺罪が適用される余地はない。

しかし、それなのに、なぜ、大阪地検特捜部は、「小学生レベル」とも思える誤った逮捕を行ったのか。

3月29日に、NHKを始めとするマスコミが「大阪地検が、籠池氏に対する補助金適正化法違反での告発を受理した」と大々的に報じた。その経過からして、その報道が、明らかに検察サイドの情報を基に行われたこと、そしてその情報は、何らかの政治的な意図があって、東京の法務・検察の側が流したもので、それによって「籠池氏の告発受理」が大々的に報道されることになったとしか考えられないことを【籠池氏「告発」をめぐる“二つの重大な謎”】で指摘した。

しかも、私自身が、その補助金適正化法違反の告発に関して、3月中旬に、マスコミ関係者を通じて事前に相談を受け、告発状案にも目を通したうえで、その後の報道で「請負契約書が虚偽だったとしても、国の側で審査した結果、適正な補助金を交付した」と報じられており、偽りその他不正は行われたものの、それによって補助金が不正に交付されたのではないと考えられること、「森友学園は既に補助金を全額返還したこと」と報じられており、過去の事例を見ても、よほど多額の補助金不正受給でなければ、全額返還済みの事案で起訴された例はないことなどから、「籠池氏の補助金適正化法違反による起訴の可能性はゼロに等しい」と明言した。

そのような、起訴の可能性のほとんどない事件の「告発受理」が、法務・検察幹部のリークと思える経過で大々的に報道された時点で、「この件で、検察は、大変な事態に追い込まれることになるのではないか」という予感がしていた。

本来、詐欺罪が適用されるはずのない「国の補助金の不正受給」に対して、詐欺の被疑事実で逮捕したのは、余程の事情があるからであろう。上記のとおり、国交省側の審査の結果、適正な金額を算定したので、結果的には「不正な補助金支給」が認められず「未遂」にとどまっていて、補助金適正化法違反では不可罰であること、同法違反では不正受給額が「正規に受給できる金額と実際に受給した金額」の差額になるが、詐欺であれば支給された全額が形式上の被害額となるので、マスコミ向けに金額をアピールできること、の2つがその「事情」として考えられる。そこで、逮捕事実を「水増し」するために、敢えて詐欺罪を適用した可能性が指摘できる。

しかも、籠池氏夫妻に逮捕の要件である「逃亡のおそれ」「罪証隠滅のおそれ」が認められるのか。前者がないことは明らかだし、この国交省の補助金受給をめぐる事実関係については主要な物証は大部分が押収され、関係者の取調べも実質的に終わっているはずだ。敢えて罪証隠滅の可能性があるとすれば、籠池氏の「夫婦間の口裏合わせ」だが、それなら、先週木曜日(7月27日)に初めて任意聴取した段階で逮捕すればよかったはずだ。その時点で「罪証隠滅のおそれ」がないと判断して帰宅させたのに、なぜ、その4日後に「逮捕」ということになるのか。

法務・検察の幹部が関わっているとしか考えられない「告発受理」の大々的な報道の後始末として、何らかの形で事件を立件して籠池夫妻を逮捕せざるを得なくなったとすると、「検察が追い込まれた末」の籠池夫妻逮捕だということになる。それは、法務検察幹部が政治的意図で告発受理を大々的に報じさせたことが発端となって、自ら招いた事態だと言わざるを得ない。

それは、検察の常識として凡そあり得ない逮捕であり、過去に繰り返してきた数々の検察不祥事にも匹敵する「暴挙」だと言わざるを得ない。このような無茶苦茶な捜査からは直ちに撤退すべきである。

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籠池氏「告発」をめぐる“二つの重大な謎”
投稿日: 2017年3月30日 投稿者: nobuogohara
3月23日の衆参両院予算委員会の証人喚問での証言が社会的注目を集め、「時の人」となっている籠池泰典氏をめぐって、3月29日から30日にかけて、二つの「告発をめぐる動き」があった。

一昨年秋に公刊した【告発の正義】(ちくま新書:2015年)等で、告発をめぐる最近の環境変化の問題について専門的立場から調査研究してきた私にとって、いずれも、不可解極まりないもので、凡そ理解できないものだ。このような告発をめぐる不可解な動きが行われる背景に、一体何があるのだろうか。

一つは、3月28日に、「籠池氏偽証告発」に向けての調査結果が公表されたことだ。

同日夜、自民党の西村康稔総裁特別補佐が、西田昌司参議院議員、葉梨康弘衆議院議員とともに、党本部で緊急の記者会見を行い、衆参両院で証人喚問を受けた森友学園の籠池泰典氏による複数の発言に虚偽の疑いが濃厚だとして「国政調査権の発動も必要だ。精査を進めたい」と述べ、その上で、議院証言法に基づく偽証罪での告発について「偽証が確定すれば考えたい」などと述べた。

そしてもう一つは、翌日29日の夕刻になって、大阪地検が、籠池氏に対する補助金適正化法違反での告発を受理したことだ。NHKは、次のように報じている。

大阪の学校法人「森友学園」が小学校の建設をめぐって金額が異なる契約書を提出し、国から補助金を受けていた問題で、大阪地検特捜部は29日、籠池理事長に対する告発状を受理し、今後、補助金の受給が適正だったかどうか捜査を進める



今回の告発受理公表の特異性

まず、二つ目の「補助金適正化法違反の告発受理」であるが、刑事訴訟法上、告発というのは、何人も行うことができる。告発人の一方的なアクションである。告発が行われたからと言って、その事件が起訴されるか、ましてや、告発事実が真実なのか、犯罪に当たるのか全く不明なので、告発やその受理が、当局の側から積極的に公表されることはほとんどない。告発人が、自らのリスクで公表し、マスコミがそれを報じることがあるだけだ。

ところが、今回の「籠池氏告発受理」の報道は、明らかに検察サイドの情報によって行われている。マスコミ各社の報道の多くは、告発人が誰かということすら報じていない。「告発状を受理し」と書かれているだけだ。【森友学園問題 補助金不正で捜査機関が動かないのはなぜか】で述べているように、この補助金適正化法違反が刑事事件として立件されるのは容易ではないと考えられた。しかも、3月28日に、森友学園は、問題となっていた国土交通省からの補助金全額を返還したとされている。通常であれば、起訴の可能性はほとんどなくなったので、告発状を引き取ってもらうことになるはずだ。それにも関わらず、「告発受理」が報じられるというのは誠に不可解だ。

この二つの不可解な「籠池氏告発」をめぐる動きが、相次いで起きたことの背景には、この森友学園問題をめぐって大混乱に陥っている首相官邸の意向があるように思える。



補助金適正化法違反による起訴の可能性はゼロに等しい

まず、大阪地検による「籠池氏告発受理」の“謎”について考えてみたい。

【前記ブログ記事】でも述べたように、森友学園が設置をめざしていた小学校の建設工事に関しては、金額の異なる3つの請負契約書が作成され、そのうち最も高い約23億円の契約書が提出された国から5000万円余の補助金が学園に支払われた事実がある。この契約書が、国から補助金を受けるための虚偽の契約書だったとすれば、「偽りその他不正の手段」によって補助金の交付を受けた「補助金適正化法違反」が成立する可能性がある。

しかし、請負契約書が虚偽だったとしても、国の側で審査した結果、適正な補助金を交付したのであれば、「偽りその他不正」は行われたが、それによって補助金が不正に交付されたのではない、ということになる。詐欺罪であれば未遂罪が成立するが、補助金適正化法違反では未遂は処罰の対象とされていないので、犯罪は不成立となる。(補助金適正化法が適用される国の補助金の不正受給については、詐欺罪・同未遂罪は成立しない。)この点について、

専門家を交えた検討の結果、補助対象の設計費と工事費はおよそ15億2000万円と算定され、6194万円を助成することになり、先月までに5644万円余りが支払われている。

との報道があった。(NHK)

森友学園が受給していた国土交通省の「サスティナブル建築物先導事業に対する補助金」というのは、「先導的な設計・施工技術が導入される大規模な建築物の木造化・木質化を実現する事業計画の提案を公募し、そのうち上記の目的に適う優れた提案に対し、予算の範囲内において、国が当該事業の実施に要する費用の一部を補助」するもので、木造化・木質化が審査され、それに応じて建設代金の一部について補助金が交付されるものである。森友学園の件については、虚偽の請負契約書が提出されていても、森友学園が交付を受けていた補助金のうち、国交省の審査で、適正とされた部分を控除した「不正」受給金額は、少額になる可能性がある。また、審査の結果、認定された金額によっては、適正な金額が認定されており、不正受給がないという可能性もある。

しかも、森友学園は既に補助金を全額返還したというのである。過去の事例を見ても、よほど多額の補助金不正受給でなければ、全額返還済みの事案で起訴されることはない。

このように考えると、少なくとも今回の籠池氏の補助金適正化法違反の事実については、起訴の可能性はほとんどないと考えざるを得ない。そのような事件で、告発の受理の話が、告発人側とは異なる方向から表に出て、大々的に報道されるというのは、全く不可解であり、何か、特別の意図が働いているように思える。

大阪地検が、この事件を起訴する方向で捜査していく方針であれば、「告発受理」を公表することなどあり得ない。告発は捜査着手の要件でも、起訴の要件でもない。本気で行う捜査であれば密行性が重要であり、「告発受理」をマスコミに報道させるなどということはあり得ない。

実は、私自身も、この補助金適正化法違反の告発に関しては、3月中旬に、マスコミ関係者を通じて事前に相談を受け、告発状案にも目を通していた。単に、既にマスコミが報道しているような事実を、補助金適正化法違反で構成して告発状を提出しただけであって、捜査を行っていく上で特別の情報を含んでいるわけではない。

今回の告発受理の件については、昨日午前、大阪地検から告発人に突然連絡があり、その後、告発人に、大阪の記者が確認してきたとのことだが、その記者が「大阪地検告発受理」の情報を得たのは、東京の記者からだという。つまり、東京サイド(最高検ないし法務省)が「告発受理」の情報源だと考えられる。

いずれにしても、大阪地検の現場の動きではなく、何らかの意図があって、東京側主導で、「籠池氏の告発受理」が大々的に報道されることになったようだ。



自民党調査での籠池氏偽証告発はありえない

次に、「偽証告発」をめぐる動きであるが、【籠池氏証人喚問は、自民党にとって「危険な賭け」】【籠池氏問題に見る”あまりに拙劣な危機対応”】でも述べたように、籠池氏の証人喚問での証言を偽証告発するというのはもともと無理筋だった。自民党が籠池氏の「安倍首相からの100万円寄付」の発言の直後に、拙速に証人喚問に打って出たこと自体が、「拙劣極まりない危機対応」だったのであり、予想どおり、証人喚問は「籠池氏の独演会」に終わり、しかも、籠池氏が証人喚問で明らかにした昭恵夫人付職員からのファックスで、昭恵夫人が国有地の売却に関わっていた疑いが生じるなど、自民党、首相官邸はますます窮地に追い込まれることになった。

偽証の疑いがあるとして、告発をめざす調査の対象とされている事項は、

①籠池氏は、「学園の職員が払込取扱票の振込人欄に“安倍晋三”と書き、郵便局に持参した」などと証言したが、「安倍晋三」の筆跡が籠池氏の妻が書いたとされる字に似ていることから、郵便局に行ったのは、職員ではなく籠池夫人ではないか。

②寄付依頼書に「安倍晋三小学校」の記載がある払込取扱票を同封して使用した期間について、籠池氏は、「(安倍首相が)衆院議員時代、つまり総理就任、24年12月以前」であり、「使用してきたのは、ほんの一瞬」と午前の参議院予算員会で証言し、衆議院では「5カ月余り」と訂正したが、平成26年3月にも配っている。27年9月7日の100万円の振込に使われた払込取扱票にも「安倍晋三小学校」が記載されていることから、もっと長期にわたって使用していたのではないか。

の2点のようだ。

しかし、これらの事項に関して、国会議員が独自に調査した結果に基づいて籠池氏を偽証で告発することは極めて困難であり、現実的にはその可能性はほとんど考えられない。

まず、①で問題にされている籠池氏の発言は、参議院予算委員会での自民党の西田昌司議員の質問に対して答えたものだが、その前に、山本一太委員長の質問に対して、

その日は土曜日でございましたので、中身を確認し100万円であることを確認し金庫の中に入れました。そして、月曜、すぐ近くの新北の郵便局の方へまいったということでございます。その後、私は金庫に入れましたところあたりからは伝聞でございますので、私は直接いたしておりません。

と証言し、昭恵夫人から受け取った100万円を職員室の金庫に納めるところまでは自分がやったが、その後のことは「伝聞だ」と証言している。

したがって、その後の西田議員の質問に対する籠池氏の証言は、自分が直接経験したことではなく、「伝聞」であることが前提になっている。

「伝聞」であれば、聞いた話が間違っていれば、本人の認識も間違うのは当然のことだ。森友学園側で、100万円の振込の手続について、籠池氏の妻や学園職員からその時のことを聞いたのであろうが、当初の話が違っていたことがわかれば、それに応じて籠池氏の認識も変わることになる。証人喚問の時点では、籠池氏は、「学園職員が郵便局に行って手続をした」と聞き、そのように思っていたが、その後、郵便局に行ったのが実は籠池氏の妻だったことが判明したということであれば、籠池氏の「認識が間違っていた」だけで、「記憶に反して意図的に虚偽の証言をした」ことにはならない。籠池氏が、妻が郵便局に行ったことを知っていて、それを隠すために意図的に虚偽の供述をする理由があれば別だが、郵便局に行ったのが職員なのか妻なのかは、籠池氏にとってはどちらでも良い話であり、嘘をつく理由も考えられない。

すなわち、①の点について籠池氏に偽証罪が成立する可能性は限りなくゼロに等しい。このような問題で、籠池氏を偽証告発するために、払込取扱票の振込人欄の筆跡鑑定を行うというのは、全く馬鹿げていると言わざるを得ない。

次に、②の点については、籠池氏は、「安倍首相が総理大臣に就任する前」と証言し、その期間も「5ヶ月余り」と証言しているが、どの程度の期間使っていたのかという点についての籠池氏の証言が、客観的事実に反している可能性があることは確かである。

しかし、「安倍晋三小学校」の記載がある払込取扱票が、どの程度の期間使われていたのかというようなことが、国政調査権によって明らかにすべき「国政上重要な事項」なのであろうか。

【国会での証人喚問は「犯罪捜査のため」という暴論】でも述べたように、国会での証人喚問は、憲法62条に基づく「国政調査権」の手段として、国政上の重要事項に関して、偽証の制裁を科して証言を求め、真実を究明するために行われるものである。そこで、仮に、事実に反する証言が「故意に」行われたとしても、すべてが「偽証告発」の対象となるものではない。「偽証に対する制裁として刑事罰を科すこと」が、国政調査権の目的を達するために不可欠と判断された場合に、偽証告発が行われる。当然、国政にとっての重要事項を証人喚問によって明らかにしようとしたところ偽証が行われた、ということが証拠上明らかとなった場合に、偽証告発が行われることになるのである。

過去に偽証告発が行われた事例のほとんどが、その問題が検察等の捜査の対象となり、捜査の結果、偽証が明らかになった場合だけであることは【籠池氏証人喚問は、自民党にとって「危険な賭け」】でも述べた。

典型的なのは、閣僚、政府高官、国会議員等に関して何らかの疑惑が持ち上がり、それに関して国会として真相解明のために、当事者の証人喚問が行われ、そこで、疑惑を否定する証言が行われたが、後日、検察等の捜査で、偽証であったことが明らかになった場合である。

そのような形で偽証告発に至った2000年以降の事例として、鈴木宗男議員、守屋武昌防衛事務次官のケースがある。この場合、疑惑は、その後刑事事件に発展する可能性があるのであるから、証人喚問において「刑事訴追を受ける可能性がある」ということで証言拒否することは可能である。しかし、証人喚問されたのが国会議員、政府高官の場合、もし証言を拒絶すれば疑惑が一層高まることになるので、「自らのリスク」で疑惑を否定する証言をすることもあり得る。その証言が、その後の捜査で否定され、なおかつ、意図的な偽証であることが明らかになれば、その事実について偽証告発が行われることになるのである。

実際のところ、「国政上の重要事項」は、刑事事件に関連するものである場合が多い。「刑事訴追を受ける可能性がある」と証言拒絶されてしまえばそれまでなのだが、政府高官、国会議員は、証言拒否によって疑惑が深まるから拒否することもできない、ということで、証人喚問することに意味があるのである。籠池氏が、証人喚問の後の外国人特派員協会での記者会見で、「いきなり民間人が証人喚問されるというのは、あり得ないこと」と怒りを露わにしていたが、民間人であれば、犯罪事実に関することを聞いても、当然、証言拒否をすることになるので、証人喚問をすることの意味がないのである。

今回の証人喚問で籠池氏が述べた100万円の寄付自体は、違法な寄付ではない。それがあろうとなかろうと「国政上重要な事項」ではない。その寄付の事実に関して、仮に、意図的な虚偽の証言があったとしても、国政調査権の目的が達せられないなどとは言えないので、偽証告発の対象になどならない。ましてや、「安倍晋三小学校と記載された払込用紙をどの程度の期間使って寄付を募っていたのか」という点も、国政調査で明らかにすべき事項とは考えられない。

証拠面でも、偽証告発というのは著しく困難だ。籠池氏は、証人喚問で、

総裁になられて、(「安倍晋三小学校」を)お断りになられた後に、振込用紙が残っていて、少しの期間使われたことがあった

と証言し、その後、振込用紙がどのように使われているのかはわからなかったというのが籠池氏の弁解のようだ。証言内容が、仮に、客観的事実と異なっていたとしても、意図的に虚偽の証言をしたのでなければ、偽証とは言えない。

籠池氏の証言については、①、②いずれについても、意図的な偽証を明らかにできる証拠が収集されるとは思えないし、そもそも偽証の起訴価値もないので、偽証告発などあり得ないのである。



「二つの謎」の背景に何があるのか

大阪地検特捜部の不祥事で批判非難を受けたことで、それまでの「ストーリー通りの調書をとるための不当な取調べ」を中心としてきた特捜捜査の手法が使えなくなり、検察捜査は著しく弱体化した。「絵に描いたようなあっせん利得」の甘利元大臣の事件の捜査でも、為すすべなく敗北、東芝の歴代社長の告発をめざす証券取引等監視委員会に対しても告発を断念させることに懸命になっている。そのような今の検察にできることは、起訴の可能性のほとんどない補助金適正化法違反を「告発受理」するという「単なる手続」を行って、それを「籠池事件捜査着手」とマスコミにぶち上げて大々的に報道させることぐらいなのだろうか。

一方で、自民党議員による調査はほとんど無駄であり、偽証告発が可能になるとは思えないにもかかわらず、首相官邸側は、調査を肯定する異例のコメントをしている。自民党本部で偽証告発をめざす調査の記者会見が行われた28日午前の参議院決算委員会で、菅義偉官房長官は、齋藤議員の「虚偽証言で告発をすると、こういうことでしょうか。」との質問に答えて、「事実と違ったら、そのようになるという風に思っています。ですから、客観的な内容について、今私ども精査しています。」と答弁し、記者会見でも、証人喚問での籠池理事長の証言を巡り自民党が偽証罪での告発も検討していることについて、「真相究明の動きだ」などと評価する発言をした。

政府側のスポークスマンである官房長官が、国会での国政調査権に関して、偽証告発を肯定するような発言をするというのはあり得ないことだが、それに加え、既に述べたような全くの「無理筋」である籠池氏偽証告発に向けての調査まで肯定する発言を敢えて行っているのである。

今後、東京地検特捜部は、何らかの「無理筋」の事件を無理やり仕立て挙げて捜査を行い、偽証告発に向けての動きをアシストするというようなこともあり得るのであろうか。

そして、検察庁を所管する法務省は、これからテロ等準備罪と称する「共謀罪」の国会審議が本格化する中で、与党サイドの全面協力を得る必要がある。

このような状況において、籠池氏の「告発」をめぐって起きた「2つの不可解な動き」には、何やら不気味なものを感じる。

2017年8月1日火曜日

「逮捕後公開」を条件に籠池氏が明かしたこと 東洋経済

「逮捕後公開」を条件に籠池氏が明かしたこと ついに大阪地検特捜部が籠池前理事長を逮捕
2017年07月31日 野中 大樹 :週刊誌 記者 東洋経済



(編集部注)本記事は野中大樹氏を含む複数の記者が行ったロングインタビューをまとめたものです。東洋経済オンライン編集部が籠池泰典氏の発言の真実性を検証したわけではないことを冒頭で申し添えておきます。



2017年上半期、国民のお茶の間を賑わし国会を揺るがしてきたこの人が、ついに身柄を拘束された。東京都議選の投票日前日の7月1日には東京・秋葉原にあらわれ、演説をする安倍首相に向かって「100万円渡したら渡したって言え~」と叫んでいた、あの人である。

大阪地検特捜部は7月27日、詐欺と補助金適正化法違反の容疑で森友学園の籠池泰典前理事長を逮捕した。

詐欺については大阪府が5月、森友学園が経営する塚本幼稚園で教員数と障害のある園児数に応じて交付する補助金計6200万円を学園が不正に得た疑いがあるとして、詐欺容疑で告訴していた。

一方の補助金適正化法違反については、森友学園が校舎建設費について2015年12月3日付で金額の異なる3通の契約書を作成していたことが発覚。国土交通省に補助金を申請した際にはもっとも高い「23億8464万円」で提出し、約5644万円の補助金を不正に受給していた疑いがあがっていた。

■不可解な点が多く残されている

教育勅語を子どもに暗唱させるという特異な教育方針が注目を浴び、安倍首相や昭恵夫人との関係性から「国有地が不当に安く売却されたのではないか」と疑惑が持ち上がっていた森友学園問題は、籠池氏本人の逮捕という形で幕が引かれようとしている。

しかし森友学園問題には、いまだ不可解な点がいくつも残されている。公表が原則であるはずの国有地売却額が当初、非開示とされたのはなぜか。定期借地契約が特例として認められたのはどうしてか。鑑定価格9億5600万円の土地が1億3400万円に値引きされたのは正当だったのか。一時期までは吹いた「神風」はなぜ起こり、何がきっかけで逆風に変質したのか。

籠池氏に司直の手がのびようとしていた5月某日、大阪府内のホテルの一室で籠池氏は複数社の記者のインタビューに応じた。逮捕されてしまえば、ものは言えなくなる。逮捕される前に「言い残したこと」を語ってもらおうと著述家の菅野完氏がセッティングしたのだ。籠池氏の「最後の弁明」を聞く。

――籠池さんが逮捕されるという話が出ている。そうなる前に聞いておかなくてはならないことがいくつもあるので聞かせてほしい。まず、逮捕される覚悟はできているか。

なんで僕が逮捕されないかんのかなって思っているんですよ。

なんで(自分を)貶めるかというと、森友学園の問題の本筋にある国有地の値引き問題は、全部あいつが悪いんやという方向に世論をもっていこうとしているわけ。それってすごくまずいことやないですか。

3通の契約書について言うと、国土交通省に提出していた「23億8000万円」の契約書に、私自身はかかわっていないんです。あれは(設計会社の)キアラ建築研究所機関がやっていたことで、私は主体的にはかかわっていない。たしかに責任の一端はあるかもわからないけど、主犯じゃないことは確かなんです。

■2月の中旬に変更届を出すつもりでいた

――事前にキアラと話し合ったりはしていないのか。

打ち合わせ会議の時にいろんな報告は受けていたけど、ふうん、そうなんかと。言われたように印鑑を押しただけ。だって僕には専門知識がないし、わからないんやもん。キアラには国交省が指導していたと思うけど、僕にはその中身もわからなかった。

ただ、大阪府の私学審議会に提出していた「7億5600万円」は僕が主体的に出したものです。

――そこにはかかわっていた、と。

要は、学校をつくるという時、負債比率を総資産の30%以内に抑えなきゃいけないルールがあるから。寄付金が増えて(総資産が増えて)いけば建築費を高くすることができるという話だった。

――それは大阪府からサジェスション(提案)をうけながら?

もちろんそう。その範囲内で学校建築をやってもらわないかんなあと思っていたから、設計会社(キアラ)や施行業者(藤原工業)には7億5600万円以内でやってほしいと何度も伝えていたんです。ただ、(それでは足りなくなる可能性もあったので)僕は寄付金を増やす努力をせないかんなあと思っていたんです。

――寄付金を集め、総資産が増えた時には「7億5600万円」という数字の変更届を出すつもりでいたと?

もちろんそうです。ことし2月8日以降のドタバタがなければ、2月の中旬にも変更届を出すつもりでいましたよ。

――大阪府が告訴している内容についてうかがいます。実際に、塚本幼稚園ではすでに働いていない職員の名前も補助金申請書の中に出ていたようだが、ご認識は?

それはまあ・・・自分の悪かったところは悪かったと認めないかんと、そう思いますわ。それは、そういうこともあったということは認識しています。

ただ保育士の数でいうと、われわれが求めていた水準に達していない人を採用するわけにはいかなかったのです。

――人数をごまかしていたのではなく、教育者としてのレベルに達していないから採用できなかったと。

そういうことです。資格さえ持っていれば誰でもいいというわけではない。

――結果的にルールを逸脱していたというのは事実だと認める?

それは、おっしゃる通りです。でも一つだけ認識してほしいのは、われわれの学園はそこまでこだわりを持ってやっていたということです。

■「認可申請を取り下げたらチャラになる」

――籠池さんの宿願であった「瑞穂の國 記念小學院」の認可申請を、3月10日、急きょ取り下げた。裏ではどんなことが起きていたのか。

(当時の弁護士で、北浜法律事務所の)酒井康生弁護士が「取り下げないと藤原工業が潰れてしまう」と言ってきたんです。

――「施行業者が潰れる」ということが、認可申請を取り下げる理由になるのか。理屈がよくわからないが。

それプラスね、3通の契約書の問題とかその他の私にふりかかっている諸々の問題について、今(認可申請を)取り下げたら全部チャラになるという趣旨のことを言われたんです。なんとなく、ピンとくるでしょう?

――政治的な取り引きを持ちかけられたということか。

はい、弁護士が僕に。そういう話だった。

――酒井弁護士の背後には政府がいたということか。その酒井弁護士は3月16日に辞任したが、それまでは随所で籠池さんに助言している。

国有地問題の記事が最初に朝日新聞に出たあと、メディア対応の仕方については近畿財務局が「一社ずつ丁寧に応じて下さい」と指南してきた。僕ははじめメディア対応なんか「集団でしたらええのに」と思っていたんだけど「それではいけません。近畿財務局も一社ずつ丁寧にしていますから」ということだった。

――具体的に、指南していたのは近畿財務局の池田靖統括管理官か。 

そう。

――その伝達は携帯電話に直接?

うん、直接。

――酒井弁護士を通じて「しばらく身を隠すように」と指示を出してきたのも近畿財務局だった?

そう。弁護士を通じて、そう指示をしてきた。

――2016年3月11日に敷地内から「新たなゴミ」が出て来たとされた。本当に出て来たのかどうかはともかく、4日後の3月15日に籠池さんは東京に飛び、田村嘉啓・財務省国有財産審理室長と会い、怒り心頭で「あのお方」が侮辱されていると詰めよった。安倍首相と昭恵夫人の存在を財務省の側にほのめかしたわけだが、そういうことがあって、酒井弁護士と近畿財務局、大阪航空局の間で土地値引きの交渉が始まったのだと考えざるをえない。こうした一連の流れをふりかえってみて、籠池さんは「神風」が吹き出したのはいつ頃からだと思うか。

2015年11月に昭恵夫人付の谷査恵子さんからFAXが届いたあたりから、怒涛のごとく吹き始めた・・・そういう印象です。

――同年の9月に昭恵さんが「名誉校長」に就任したことも「神風」に影響したと思うか。

そうそう、FAXの前段階としてそれがあるし、名誉校長になってくれる前から昭恵さんは学園には講演に何度も来られているから。そのことを近畿財務局の人間も知っているから、知っているがゆえに凪がそよ風になり、そよ風が強風になり、「神風」になっていったのでしょう。

――昭恵さんの存在が「神風」の発生装置と思っていいのか。

そりゃそうでしょ。昭恵さんに動いてもらうことで、ぐぐぐっと事が動いていく感覚があった。

――昭恵さんが控室で籠池さんに100万円を渡す時、「一人にさせてごめんね」と言ったと籠池さんは証言した。これが事実であれば、名誉校長になるかを逡巡しているような人の発言ではない。

象徴的な言葉でしょ。これまで私は前面には出てこれなかったけど、いろいろやってくれてありがとう、でもこれからは本当に自分も頑張ってやるからねっていう言葉なんですよ、あれ。実際、それからは2016年6月の土地売買契約まで話がぐんぐんと進展していった。「神風」の効果でしょう。

■「昭恵夫人には値引きの相談もした」

――民進党のヒアリングで、籠池さんは昭恵さんと何度もやりとりをしてきたと話していた。国有地取引についても経緯を報告していたのか。

もちろんしていました。

――値切っているけど安くならない、どうしたらいいかという相談もした?

しました。すると「どなたか間に入ってらっしゃる先生はいるんですか」とおっしゃった。家内が横から「はい、いてはります」と答えていました。

――その話はいつ頃か。

まだ初めの頃ですよ。定期借地の見積もり合わせの時期だったと思う(2015年初頭か)。ただ最初の頃は鴻池祥肇(参議院議員)先生も動いてくれていたから…。

――昭恵さんからしたら、さしでがましいことはできないと?

そういうことでしょう。

――しかし鴻池議員ではなかなか事が進展しなかった。

これ以上はちょっと、というところにさしかかっていた。そろそろ次の段階に入らないかんと、なんとなく思っていた時期ですね。

――そこに昭恵さんが「名誉校長」となり、すっとハマってきた。

そういうことになりますね。

――最後、逮捕される前に言っておきたいことは?

まずひとつはね、疑いを持って僕を見てほしくないと思っているんです。結果としてこういうことになってしまっているけど、気持ちとしては本当に純粋にやってきたんでね。今となっては国策捜査の対象になっているけど、そうじゃない時期もあったということです。

もしも政権側と手を握っておったら、ここまではこなかったのかなあという気持ちもある。

3月10日に認可申請を取り下げたところで、この話をすべて終わらせておけば国策捜査はなかったと思う。2年くらいしたら「籠池君よくやったな、助けてあげるよ」という話になったんだと思うんです。

■政権側からはシグナルがあった

――「政権と手を握っておったら」というのは、やっぱり100万円の話を出さなければ、という意味か。

その話を言わざるをえんようになってしまったということ。そこに至るまで、シグナルは2、3回あった。

――シグナルとは?

2月22日、自民党の大塚高司・国対副委員長(衆議院議員、大阪8区)が僕のところに来たとき。

――他のシグナルは?

それは・・・言わんとく。

――逮捕されなければ出さないと約束するので話してほしい。

(籠池氏はその後しばらく重く口をつぐんだ。約30分後、ようやく口を開いた)3月15日、昭恵夫人から電話がありました。

――どんなやりとりを?

「かなり我慢をしてやってきましたのに、なんでこないなったんですか」と私が申し上げると「すみません、すみません、主人の意向なので」と。

私は「もう、あのことも言わざるをえんようになりました」と申し上げました。昭恵夫人が「あのこととは?」とおっしゃるので、「100万円のことです」と返しました。

――その時の昭恵さんの反応は?

「ああ・・・」と。沈黙されてました。

――否定はしなかった?

ないですよ。

――覚えていないとは?

ないない、そんなん。

――他には?

昭恵夫人は「こういうことになるとは私は思わなかった、わからなかったんです」とおっしゃっていた。私は「わかりました、これが最後です、失礼します」と言って電話をきりました。

――その場にいたのは?

家内の携帯にかかってきたのを私がとって話をしましたので、隣には家内がいました。車の運転席には長男がいました。

(筆者注)籠池氏は3月16日、参議院予算委員会のメンバーが「瑞穂の國 記念小學院」を視察に訪れた際に、「安倍晋三首相からの寄付金100万円を昭恵夫人から頂戴した」という話をぶちまけた。3月23日の証人喚問でも籠池氏は100万円寄付の話をしたが、昭恵さんは同日フェイスブックでこれを否定した

■良い社会国家を作っていってほしい

100万円の話は急に出すと信義に反するでしょう。頂戴したものやからね。安倍首相が何かのときに「褒められる話だ」ということをおっしゃっていたけど、その通りですね。これはきちっと仁義をきっとかなあかんなあと思っていたから(電話がかかってきたのは)ちょうどよかった。

――100万円の話を明かしたことで結果的に政権と手を握る選択肢を取らなかったわけだが、その判断をどう受け止めているか。

僕は何も劇場型にしたかったわけではなく、国民の方々に真実を知っていただきたかっただけ。今、歴史的にうごめいているものがある。自分の目でしっかり事実を確認して、次の世代のために良い社会国家を作っていってほしいという、その一点だけです。