2017年7月14日金曜日

格さんは、警察庁の総括審議官への就任が確実視

 内閣人事局が設置されたのは、2014年5月のことである。

「国家公務員の幹部人事を一元管理する内閣官房内の組織で、安倍さんが政治主導を極めるために作ったもの」

 と、政治部デスク。

「局長は官房副長官の萩生田(光一)さんですが、実際は菅さん(義偉官房長官)が全部決めている。例えば、『ふるさと納税』を推進する菅さんと意見が合わなかった総務次官候補の昇格が取りやめになったことがありました。この候補については大臣も太鼓判を押していたにもかかわらずです」

 ありきたりの人事に風穴を開けるとは聞こえが良いが、何のことはない。安倍一強が続く限り、官房長官に睨まれれば見捨てられ、媚びれば逆転も可能という虚しき人生すごろくが霞が関で生まれたに過ぎない。

〈経産次官に嶋田氏〉

〈厚労次官に蒲原氏〉

 通常国会が延長なしで閉じられた後にやってくるのは、他ならぬ、官僚たちの人事の夏である。

■オフレコ懇談

 6月最終週の新聞紙面に躍った各省庁のトップ人事について、6月29日夜、菅官房長官と番記者とのオフレコ懇談の場でのひと幕を、政治部記者が打ち明ける。

「度重なる人事報道に長官は“怒ってるよぉ”と笑い、番(記者)が文科省の人事が出ていないと冗談めかすと苦笑い。今後、人事を改める可能性には、“変えてやるよ。どこかは訂正の記事、出すことになるんじゃないの”という反応でした」

「菅さんが全部決めている」の言葉がよみがえってくる。ところで、菅氏はこの日午前の記者会見で、官邸批判の急先鋒として送り込まれた東京新聞社会部の女性記者と対峙していた。彼女が総理ベッタリ記者こと、TBSの元ワシントン支局長・山口敬之氏の準強姦疑惑に関し、検察審査会に申立をした詩織さんに言及。そして大要こんなやりとりをしている。

記者:当時の中村格(いたる)(警視庁)刑事部長、現・警察庁組織(犯罪)対策部長の判断で、当日の逮捕が取りやめになったことは事実として出ております。この中村さんに関し、菅官房長官が将来的に警察庁長官(への昇格)を考えているというお話を聞きました。

菅:(倦むように笑って)そういう憶測だとかですね、そういうことについての質問は控えてほしいと思います。ご本人の将来に関わることでしょう。

 将来に関わると言ったその口を拭って、当夜、報道が出た後に人事を弄(いじ)ると豪語する。そんな官房長官が寵愛する前刑事部長が直面する人事の夏を見て行こう。

■長官・総監への「総審」

「格さんは、警察庁の総括審議官への就任が確実視されています」

 とは社会部デスク。

「このポストは、長官・次長・官房長の下に位置するもので、任務は国会対応や庁内の諸々のことへの目配りなど多岐に亘る。現在の長官と次長、そして警視総監もみな、この『総審』経験者ですから、ここから上が約束されたようなもの。格さんは“一国一城の主”といわれる都道府県の本部長を一度も経験していませんから、総審の後に神奈川あたりの本部長をやって再び警察庁に戻ってくる流れでしょう」

 以前に本誌(「週刊新潮」)は、山口元支局長不逮捕の件で中村氏を直撃しているが、その際に、

〈(逮捕は必要ないと)私が判断した〉

 と主張。個別具体の案件に答えるのは官僚の矩(のり)をこえているという声もあがったし、更にご当人は周辺に、

〈なんで2年前の話が今ごろ出てくるのか、不自然でしょ。女も就職の世話をしてほしいという思惑があったから飲みに行ったのであって所詮男女の揉め事。彼女は2軒目にも同行しているんだしさ。その就職の話が結局うまくいかなかったこととか、最近、山口さんがテレビによく出ているからという、そういうことも(告白の)背景にあるんじゃないの〉

 そう漏らしていた(※本人は否定)が、目下その人生すごろくに瑕はついていない。

「ご存知のように、格さんは菅さんの秘書官を長く務め、絶大な信頼を得ています。2人は1日1度、会うか電話をしている間柄、菅さんは彼を手元に置いておきたいに違いない」(同) 

 とはいえ、今年中にも出る検察審査会の結果如何では、盤石のエリート街道が抜き差しならぬものになるのは論を俟たないのだ。