2017年5月31日水曜日

「一般人は共謀罪の捜査の対象にならない」はやはり大嘘

「一般人は共謀罪の捜査の対象にならない」はやはり大嘘でした。詳細は以下から。

金田勝年法相は5月29日の参議院本会議で、環境や人権の保護を掲げる団体でも実態が組織的犯罪集団と認められれば構成員が処罰対象になる可能性があると認めました。
金田法相はこれまで「自然環境や景観の保護を主張する団体は目的が正当と考えられ、重大な犯罪を実行することにあるとは考えられず、座り込みを計画しても処罰の対象にならない」と発言しており、ここに来て説明が180度変わってしまいました。
参院本会議で金田法相は「対外的には環境保護や人権保護を標榜していても、それが隠れみので、結びつきの基本的な目的が重大な犯罪を実行することにある団体と認められる場合は処罰されうる」と指摘し、そうした団体の構成員は「一般の方々とは言えないことは当然だ」と明言。
ではいったいどのようにして「結びつきの基本的な目的が重大な犯罪を実行することにある団体と認められる」のかに関しては「捜査機関が刑事訴訟法の規定に従い収集した証拠に基づいて、社会通念に従って判断して認定する」とした上で「組織的犯罪集団だと確実に認められなくても、その嫌疑が客観的にある場合、捜査を開始できる」と発言しました。
共謀罪は双眼鏡や地図を持って花見に行っただけでも犯行の下見扱いされてしまうことはこれまでの審議で明らかにされてきましたが、やはり結局のところは捜査機関の胸三寸で認定されるかどうかが決まってしまうことになり、捜査機関に嫌疑を掛けられた時点で捜査が始まります。
共謀罪の277の対象犯罪には組織的威力業務妨害罪なども含まれており、共謀罪が成立する前の現時点ですら市民団体のメンバーに威力業務妨害罪が適用される場合があります。もしこのまま成立すれば威力業務妨害が実際に行われなくとも、そうした行為を共謀したとして捜査・逮捕される可能性が飛躍的に高まります。
安倍首相は「処罰範囲は明確かつ限定的で、捜査機関による恣意的な運用はできない。テロ等準備罪の創設は国民の権利、自由を不当に制約するものではない」などと言明していますが、残念ながら共謀罪がテロ等準備罪でないことは既に暴かれていますし、「国民の権利、自由を不当に制約」しないという法的根拠はどこにもありません。
また、、民進党の小川議員の「構成要件的には2人の者が共謀すればいいとなっているが、2人以上であれば団体の要件を満たすのか」との質問に金田法相は「ご指摘の通り満たす」と明言。ただ友人や同僚、家族と1対1の会話ですら共謀罪の構成要件を満たしてしまうというとんでもない代物であることが判明しました。
一方でローンウルフ型と呼ばれる単独テロ犯に対してこの共謀罪が全くもって無力であることは既に各所で指摘されているとおり。2トントラックとダガーナイフで17人を死傷させた秋葉原通り魔事件のようなタイプのテロを防ぐことは不可能です。
共謀罪ではテロ対策にはならず、単に推定無罪という日本の刑法の大原則を崩壊させて国民の権利と自由をを不当に制限するだけです。いったい安倍政権はなぜこの法案を十分な審議も行わず、国民の理解も得られない状況で拙速に成立を目指すのでしょうか?極めて不可解と言わざるを得ません。