2017年9月19日火曜日

「第1列島線」の防衛を同盟国の日本などに委ねる案 米軍が米領グアムまで一時移動

2017年9月16日 07時34分 東京新聞

 【ワシントン共同】米国が南シナ海や東シナ海で中国と軍事衝突した場合に米軍が米領グアムまで一時移動し、沖縄から台湾、フィリピンを結ぶ軍事戦略上の海上ライン「第1列島線」の防衛を同盟国の日本などに委ねる案が検討されていることが15日分かった。昨年7月に陸上幕僚長を退職した岩田清文氏がワシントンのシンポジウムで明らかにした。

 米軍を中国近海に寄せ付けない中国の「接近拒否戦略」に対応するためで、中国が開発した「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル「東風21D」による空母撃沈を避ける狙いがある。実際にこの案が採用されれば、自衛隊の役割拡大が求められるのは確実だ。

2017年9月16日土曜日

リオと東京の五輪招致にIOCの票の買収

9月13日付のイギリスの「ザ・ガーディアン」がリオと東京の五輪招致にIOCの票の買収があった容疑について新展開があったことを報じた。以下が記事。

リマでの総会で2024年パリ、28年ロサンゼルスでの五輪開催を決定したニュースに世界の耳目が集まることを期待していたその日に、2016年リオ、2020年東京五輪の招致チームによる買収容疑についての新たな疑惑をIOCは突き付けられた。

二つの開催地が決定した直後に汚職スキャンダルの渦中の人物が高額の時計や宝石を購入していたという調査結果が出て、この二都市の決定についてさらなる調査が開始されることになった。この事実がIOC総会での2024年、2028年の開催地決定セレモニーに暗い影を落としている。

『ガーディアン』紙は資料を精査して、信用を失墜した前IOC委員ラミーヌ・ディアクの息子パパ・マッサタ・ディアクがリオと東京の招致キャンペーンの前後にフランスの宝石店で高額の買い物をしていた証拠を得た。

ブラジル連邦検察局はフランス検察局の調査結果を踏まえて、支払いが「IOC内部に強い影響力を持つラミーヌ・ディアクの支援と票の買収の意図をもって」2016年リオ、2020年東京の招致成功のためになされたという結論を出した。

昨年、『ガーディアン』紙は、2020年の五輪開催都市レースのさなかに、東京五輪招致チームからマッサタ・ディアクと繋がりのあるブラック・タイディングスと称する口座へ七桁の送金があったことを暴露した。これらの支払は二回に分けて行われた。取引額は約170万ユーロで、2013年の9月7日、ブエノス・アイレスで開かれたIOCによる開催都市選定の前と後になされていた。

フランス当局の捜査にもとづいて、検察局は2013年9月8日に、ブラック・タイディングスはシンガポールのスタンダード・チャータード銀行の口座から8万5000ユーロをパリのある会社宛てに送金し、それがマッサタ・ディアクが宝石店で購入した高額商品の支払いに充てられたことを明らかにした。

ブラジル検察局によると、2009年から10年にかけてマッサタ・ディアクは一回6万5000ユーロから30万ユーロの支払いを、彼がコントロールしていると見られる七つの口座から、フランスとカタールの店舗およびモナコとニューヨークのオフショア・カンパニーに対して行っている。

2009年10月2日、コペンハーゲンでのIOC委員会で五輪開催がリオに決定したその日には、ディアク家と繋がりのあるパモジ・コンサルタンシイ社から7万8000ドルの支払いがパリの宝石店に対して行われている。

ブラック・タイディングスについての調査は日本の国会の審問に付託されたが、同国の総理大臣は招致のための票買収について調査を進めているフランスの検察当局と協力することを約束した。しかし、ブラジルからの今回の暴露によって、次回の五輪開催国に対する調査が再開され、どのようにして東京が五輪開催権を獲得したのかそのプロセスが解明されることになるだろう。

ディアクはこの疑惑に対しては回答していない。これまでのところすべての悪事を否定しており、彼に対する今回の主張は「世界スポーツ史上最大の嘘だ」と語っている。

記事はここまで。

東京の五輪招致については、シンガポールのブラック・タイディングスという怪しげなペーパーカンパニー(テレビが取材に行ったが、ボロい団地の一室であり、看板もなく、無人だった)にコンサルタント料が振り込まれたことが国会で問題になった。

この送金の事実を明らかにしたのは、国際陸連の汚職と資金洗浄を調査していたフランスの検察局である。

国会でも問題にされたが、当時の馳浩文部科学相は「招致委員会は電通からブラック・タイディングス社が実績があるからと勧められ、招致員会が契約することを決定した」と語っている。

ブラックタイディングス社の「実績」というのはペーパーカンパニーを経由しての資金洗浄と買収のことである。

支払いは2013年7月と10月の二度にわたって行われたが、これは開催地決定の前後に当たる。誰が見ても「手付金」と「成功報酬」としてしか解釈できない。

国会での答弁では、二度にわけた理由を問われて「金がなくて一度に全額払うことができなかった」とされているが、実際には招致委員会は資金潤沢であり、この説明にはまったく説得力がなかったが、日本のメディアは深追いせず、これを放置した。

文科省、招致委員会、電通・・・五輪招致をめぐって、これから忌まわしい事実が次々と暴露されるだろうけれど、それらを解明するのが「海外の司法機関」であり、それを伝えるのが「海外のメディア」であるということに私は日本の社会制度がほんとうに土台から腐ってきていることを実感するのである。

2017年9月8日金曜日

退職金による節税

 団塊世代の定年退職が始まった。退職となると気になるのが退職金のことだろう。日本において、退職金は税金面で非常に優遇されているのをご存じだろうか。そうした制度の基本にあるのが「退職所得控除」だ。

 退職所得控除は、勤続20年までは1年当たり40万円、それを超える分は1年当たり70万円となる。だから、勤続年数によって、次のような金額が課税対象から外される。

勤続20年の人 …… 40万円×20年=800万円
勤続30年の人 …… 40万円×20年+70万円×10年=1500万円
勤続40年の人 …… 40万円×20年+70万円×20年=2200万円
 大部分のサラリーマンにとって、退職金の金額はこの範囲に収まっているのではないだろうか。そうなると、退職所得控除を差し引くだけで退職金所得がゼロになるので、退職金には課税されないことになる。

 確かに、長年働いた人たちに対して「ご苦労さま」という意味のお金だから、そうした制度があることは理解できる。

 だが、退職金に対する優遇税制はこれだけではないのである。

 多額の退職金をもらう人は、退職金所得控除を差し引いても、所得が残るかもしれない。そうした場合、課税の対象とする額を、残った金額の2分の1だけにする「二分の一軽課」という制度がある。

 例えば、40年勤めて3000万円の退職金をもらったら、退職所得控除が2200万円だから、残りは800万円。そのうち課税対象になるのは400万円ということだ。

 つまり、退職所得控除を差し引いた後の所得の半分には、まったく税金がかからないのと同じことだ。

 退職金に対する優遇はまだある。それは、二分の一軽課によって半額になった課税対象については、総合課税ではなく「分離課税」にするという制度である。

 これはどういうことかというと、退職金については給料とは分離して課税するという意味だ。分かやすく言い換えると、給料をいくらたんまりともらっていようが、退職金は別枠にしてゼロから課税額を計算するというわけである。

 所得税は累進課税だから、給料と退職金を合算して課税するよりも、別々に課税したほうが税額は少なくて済む。

 こうして、「退職所得控除」「二分の一軽課」「分離課税」という3段階で退職金は優遇されているのである。「なるほど、日本政府は働く者に対して思いやりがある」と思うかもしれないが、退職所得控除はともかく、二分の一軽課と分離課税はほとんどの一般サラリーマンには関係のないことだ。数千万円から億単位の退職金をもらうような、大企業の役員や高級官僚にのみ関係してくる話なのである。

 政府が財政悪化を言うならば、退職金に対するこうした二分の一軽課や分離課税制度をなぜ廃止しないのか、不思議である。

 ところが政府の税制改正の動きは、むしろその逆である。一般サラリーマンにとって大切な退職所得控除を圧縮する一方で、ごく一部の金持ちにしか関係のない二分の一軽課と分離課税を残そうとしているように見える。

 政府が退職金優遇の政策を維持しようというならば、庶民はそれを逆手にとって利用してみてはどうだろうか。それは、給料でもらっている分の一部を、退職金に回してしまうという手だ。

 企業にとっては、退職金で払おうと給料で払おうとコストは変わらない。しかし、受け取る側にとっては、退職金に回してもらったほうが、税金ははるかに安く済むからだ。

 功労金や早期退職奨励金など、退職金に上積みしていく制度自体は多くの企業にある。それと同様に、給料の一部を退職金として積んでおいてもらえばいいのだ。

 大企業では給料と退職金の区分がはっきりしているので難しいかもしれないが、中小企業ではそれほど区分が厳密ではないので検討する価値は十分にある。特に、定年間際は給料が高くなり、所得税の税率が高くなっている人もいるだろう。

 例えば、年収が1500万円程度で、課税所得が900万円の人がいたとしよう。すると、その人の所得税の限界税率は30%にも達する。

 ところが、退職金ならば勤続35年で元々の退職金が2500万円だとすると、限界税率はわずか5%。そこに、50万円上積みしてもらった場合、税金は2万5000円しか取られないで済むのだ。

 だから、50歳になったら給料を下げてもらって、その代わりに退職金に積んでおくといい。そうすれば、結果的に手取りが増えるのだ。

 もっとも、退職金を手にする前に、会社がつぶれてしまったらアウトである。20代、30代の人にとってはリスクのある選択だろう。30年後に会社が残っているかどうかなんて、見当がつかないからだ。

 しかし、定年を間近に控えた人にとって、このテクニックは大きな税制優遇が受けられる強力な裏ワザといっていいだろう。

 給料の一部を退職金に回すというテクニックは、一見すると法律の網の目をくぐるような行為に思われるかもしれない。だが、けっしてそんなことはない。

 外資の年俸制などは、そのテクニックを生かしたいい例といえよう。彼らは、年俸1億で社員と契約したら、5000万円を支払いに、5000万円を退職金にキープしておくという手を使う。そうすれば、税金が劇的に減ることが分かっているからだ。

 社員にしても、大半は数年以内にやめていく者ばかりだろう。それならば、会社がつぶれるリスクが少ないままで、手取りが増えるのだから願ったりである。

 もしかすると、労働力が流動化するにしたがって、こうした方式がスタンダードになるかもしれない。短期で勤めて給料はほどほど、その代わり退職金をがっぽりもらい、やめていくというやり方である。

 企業にとっては給料で払っても退職金で払っても同じなのだから、社員に多くを還元したほうがいいと考えるのは合理的である。

 「だが、そんなやり方がスタンダードになったら、政府は税金が少なくなるから、そのうち法律で抑えられてしまうだろうね」。そう反論する人もいるかもしれない。だが、わたしはそうは思わない。

 なぜなら、こうした外資と同じやり方をしているのが、都道府県知事であり、天下り先を転々とする官僚だからだ。彼らは、短い期間を勤めただけで、莫大な退職金を手にしているのはご存じの通りである。

 知事を2期勤めただけで、数千万円の退職金をもらっているという話をよく耳にするが、その退職金には雀の涙ほどの税金しかかからないのである。

 大企業の役員、高級官僚、都道府県知事といった人が得をする税制というのは、そう簡単にはなくならない。それならば、我々庶民も、その制度を利用させていただこうではないか。

2017年9月5日火曜日

軍事技術

北朝鮮のミサイル、ロケット、水爆などの報道が続いている。
軍人が出ていて、兵力は何万人とか言っているのだが、
ドローンで爆撃すればいいのだから、人数は関係ないだろうと思う。
ハリウッド映画ではないのだから、筋肉を訓練しても無駄だろうと思う。

つまり科学技術の問題なのであるが、ミサイル、ロケット、水爆、潜水艦などは、
最先端技術ではないだろう。
ドローンも爆弾もテレビカメラも。陳腐である。衛星からの監視も陳腐である。
だからこそ、ソ連崩壊、中東戦争、ウクライナ紛争などで余剰になった科学技術者が北朝鮮に雇われて、または、スパイされて、陳腐な技術を提供して、武器開発をしているのだろうと思う。
開発というより、コピーだろう。

シャープを退職した技術者が韓国で働くようなものだ。
技術者が獲得できなければ、昔のようにスパイをする。

本当に最新の兵器ということになれば、秘密だろう。
お披露目とするということは、秘密ではなくなってしまうので、真似をされる危険が大きい。

ここで問題が生じる。抑止力と言うからには、相手に、抑止力の詳細を認知させる必要がある。
しかし武器としての認知が進めば、模倣もできるし、模倣できなければスパイする。また、その技術を無効とするような対抗技術も開発できる。無効化技術もスパイする。
だからといって、秘密にしたままでは、抑止力として十分ではない。

そして、どうせ秘密にしたままで、開発をすすめるならば、嘘を言っても同じである。

オープンにしても難があり、シークレットのままでも難がある。

ーー
現在、軍隊の最先端では隊員の筋肉ではなく科学技術が競われているのであるが、大部分秘密である。
説明しても、軍の偉い人たちは技術の意味がよくわからないだろう。

通常戦力のことについても、実際に戦闘をする必要はなく、
双方にどれだけの戦力がある、だから、実際に戦闘すればこうなるでしょうという予測は精密にたてられる。それで終わり。
実際に砲弾を消費して、飛行機や洗車を壊してほしいのは軍事産業だけである。

2017年9月1日金曜日

権力というものについて疑問を持たざるをえない

日本に暮らしていると
権力というものについて疑問を持たざるをえない
世界のどこでもそうなのかもしれないが
少なくとも日本では
権力とはわがままを言っても許される
判断ミスをしても許される
公私混同をしても許される
不勉強でも許される
税金を山分けしている
そのような印象を持つ

では権力者になるために何が必要かといえば
単に昔の権力者の子供であることだ

そのような人間に庶民の税金を徴収する権利はないし
その税金の使い道を決める権利はない

2017年8月30日水曜日

落下地点は予測できます

弾道ミサイルの場合、発射された初期の段階で速度、発射角度から落下地点は予測できます。

というのだが、着弾するあたりの海洋にはさんま漁船がいたというではないか。彼らは日本国民ではないのか?彼らを守る必要はないのか?

どのくらいの精度で予測できるのか問題がある。

Jアラートが作動しなかったという。納入した業者はどこか。追加料金無しで修理してほしい。ついでにJアラートに使った税金の額を教えてほしい。機密事項だなんて言わせてはいけない。

そもそも予測できているなら得意になって「着弾点はどこ」と宣伝するはず。
しかしながら、予測はあまりにも遅く、どのあたりかなと会議を開くときには、着弾してしまっていた様子だ。

迎撃についても、可能であるということを印象づける何かの証拠を行動で示したほうが良かった。
可能だというだけで何もできなかったのが実態と考えられる。できるなら何かやっているはず。
たとえば時々刻々の正確な位置をテレビで伝えることもできたはず。それがあれば、緊急避難など不要だったと分かるはず。

東日本に緊急避難しろと言っていたということは、少なくとも西日本には着弾しないというくらいしか把握していなかったということを暗示している。

迎撃なんて困難だから、先制攻撃の思想が優勢になる。

2017年8月29日火曜日

現代美術

今日、現代美術、わけても抽象絵画を描こうとする者にとっては、制作においてどのようなシステムを確立するかが最大の関心事になっているのではないだろうか。描くシステム。それはつまり絵画を描くということへの自己の立場と概念化の方向を明確にするものであり、そこではシステムの発見が自己の芸術の方向性の発見だと信じられる。ところがそこではまた往々にして、芸術家が一度発見したシステムにすっかり安住しきってしまうということが起こり得るのである。本末転倒というか、画家はしだいにシステムを行使するのではなくシステムに行使されるようになり、彼の絵画はひたすらシステム内における完成度をめざすようになる。こうして、当初の探求の精神を忘れた形骸的な抽象画が量産されることになるのだが、現在の芸術界の混沌ぶりは、おそらく、もはや誰も、システムが生き生きと機能した絵画と形骸化した絵画との区別がつけられなくなっているところにあるのだ。
渋谷和良が制作を行なっているのは、そうした形骸化とはまったく対極的な地点においてであると思われる。非システマティックな意志、とでも言おうか、彼は絵画がシステムに到達する以前の地点にひたすら踏みとどまり、そこで自らの感覚に殺到してくる印象を直に表出させ定着させようとしているのではないだろうか。非システマティックとは言っても、むろんそこに探求がないわけではない。むしろ安易なシステム化を拒否している分だけ、探求は厳しいものになり、彼はキャンヴァスを何度も何度も塗り直し、重層化させていく。しかしそうした厳しい探求は、画面に、より清新な感覚を溢れさせたいという願望から行なわれているに違いない。
いま感覚という言葉を使ったが、渋谷がその作品のなかで目指しているのは、まさに、自らの感覚のなかに外界の印象がどのように刻まれ、その作用が同時にどのようにしてわたしたちにとっての世界を成立させていくのかという問題であろう。それは近・現代の美術の根源的な問題のありかを探ってセザンヌあるいはモネまで遡り、抽象絵画成立の過程をもう一度たどり直してみるという行為ではあるまいか。渋谷はここ数年、海辺のアトリエで制作することが多かったこともあり、したがってそのタイトルには海、波、水、光、森といった、いかにも印象派的な名前が頻繁に登場するが、これも単なる偶然ではあるまい。ただし渋谷の制作行為は決してヨーロッパ近代絵画という特殊な歴史の検証だけであるはずがなく、これはもちろん同時にわたしたちの感覚への根源的な問いかけとなっているのである。その根源性こそが彼の非システマティックな意志と清新さへの願望につながっているのだ。
ところで印象と感覚の探求は、単にわたしたちが世界を<主観的に・見る>ことを越えて、わたしたちの感覚と外界とが同時に、主客の応答によって世界を成立させていくという考え方も導き出す。メルロ=ポンティ的な現象学への傾きと言ってもいいし、なんなら西田哲学的な考え方と言ってもいいが、絵画への渋谷の探求はそうした視点までも含んでいると私には思われるのだ。渋谷はあるとき海辺にテントを張って夜明けまで黒々とした海やその波の轟音に対峙していたことがあったという。おそらくそのとき彼が感じていたのは、海という客観物を自己の主観が見て、感じているというにとどまらない、海や音や風がまた自己を見て、自己を成立させているという感覚ではなかったろうか。見えるものや音、香りまで、あらゆる感覚が自己存在と応答(コレスポンデンス)するという考え方はボードレールら象徴派詩人のものであったが、そこには音楽という芸術の与える大きな影響もあった。父親の仕事が音楽関係で、ドビュッシーなども好きだと語る渋谷の画面には、どこか音楽的な諧調があるように思う。そのドビュッシーの、ピアノのための「前奏曲第1巻」は、ボードレール的な「音と香りは夕べの大気のなかに漂う」や、「西風の見たもの」といったタイトルの曲を含んでいる。渋谷の絵画は、まさに風から見られた世界だという印象が私には強くするのである。

政務活動費詐欺

 元「SPEED」の今井絵理子参院議員(33)との不倫疑惑を報じられた橋本健神戸市議(37)に、今度は“詐欺”の疑いが浮上している。

 橋本市議は2010年からの5年間に市政報告の広報チラシ「ハシケン通信」を50万部以上発行したとして、政務活動費約720万円を受け取っているが、これが架空発注だった疑いが持たれている。

 印刷業者に「実際には仕事をしていないのに橋本市議から領収書の発行を頼まれて渡した」とバラされ、しかも、報道関係者から問い合わせがあった時に備えて、「受注したと答えて欲しい」と“口裏合わせ”まで要求していたという。橋本市議は関係者に辞意を伝え、30日から始まる定例市議会の前に辞職するとみられているが、それで一件落着とはいきそうにない。

 2014年、不自然な日帰り出張を繰り返すなどして3年間で約800万円の政務活動費を得た“号泣県議”こと野々村竜太郎元兵庫県議は、詐欺罪で起訴され、懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を受けた。印刷業者に口裏合わせまで要求していた橋本市議は、今後の展開次第で逮捕もあるのではないか。

「市民オンブズマン兵庫」のメンバーが言う。

「神戸市から政務活動費を騙し取ったことを示す証拠書類を揃えて、橋本市議を詐欺などの容疑で兵庫地検に告発します。我々は橋本市議だけでなく、神戸市議会の自民党会派が組織ぐるみで行った犯行とみています」

■架空発注がお家芸?

 オンブズマンが神戸市議会の自民党会派に疑いの目を向けるのも当然。2年前、「自民党神戸」(解散)の市議ら15人が業者にアンケート調査を架空発注する手口などで約3800万円の政活費を詐取した疑いが浮上した。そのうち詐欺と虚偽公文書作成などで在宅起訴された市議3人は議員辞職したものの、書類送検で済んだ10人以上の市議は衣替えした「神戸市会自民党市議団」で今も何食わぬ顔で市議を続けている。

「神戸市議会の自民党会派では政活費の詐取が横行しており、お家芸というか、脈々とノウハウが受け継がれているのではないのでしょうか。橋本市議の広報チラシといい在宅起訴された市議のアンケート調査といい、“架空発注”の手口が同じことからもうかがえます」(前出のオンブズマンのメンバー)

 昨年、政務活動費の不正が発覚した富山市では市議14人が芋づる辞職に追い込まれた。神戸市議会も同じ道をたどることになりそうだ。

ドイツWDR-「希望的観測」のほか何もない原子力

ドイツWDR-「希望的観測」のほか何もない原子力

http://www.at-douga.com/?p=5422

フランス・ドイツ共同の国営放送局 ARTE 「フクシマ-最悪事故の陰に潜む真実」

フランス・ドイツ共同の国営放送局 ARTE 「フクシマ-最悪事故の陰に潜む真実」


http://www.at-douga.com/?p=5228

子どもたちの被曝

みなさん、こんにちは。今日はヘレン・カルディコットさんの講演会にお出でくださって、ありがとうございました。
2014年3月になりました。ちょうど、福島第一原子力発電所で事故が起きてから、丸3年になろうとしています。この間、私は毎日を戦争のように過ごしてきましたし、振り返ってみると、あっという間の出来事でした。
ただ、3年経ったにも関わらず、事故はまったく終息していません。
未だに放射性物質が福島第一原子力発電所の敷地から、空へ、海へ、流れていっていますし、敷地の中ではたくさんの労働者たち、それも東京電力の社員ではない、下請け、孫請け、そのまた下請け、8次、9次、10次と続くような下請け関係と聞いていますが、最低賃金すらもらえないような労働者たちが、放射能と向き合って、事故をなんとか終息させようと苦闘を続けています。
しかし、残念ながら事故を終息させるまでには、あと何年かかるんだろうか、何十年かかるんだろうか、あるいは何百年なんだろうか、と思うようなことが今現在続いています。
そして、敷地の外では、10万人を越えるような人たちが、ふるさと、生活をすべて奪われて、流浪化してしまうということになっていますし、その周辺にも汚染地帯が広がっていて、この日本という国がもし法治国家だと言うのであれば、放射線の管理区域に指定して、一般の人々の立ち入りを禁じなければいけないというところが、おそらく1万4千平方キロメートルほど広がってしまっています。
東北地方と関東地方の広大なところを、もし法律を守るというなら、無人にしなければいけないほどの汚染なのですが、今現在、数百万人もの人々、子どもも赤ん坊も含めて、そういう場所に捨てられてしまっています。
私のような放射能を相手にして給料を貰っている放射線業務従事者という人間、そして、大人であれば、まだそういうところで生きるという選択はあると思いますけれども、今回の事故を引き起こしたことに何の責任もない子どもたち、そして、被曝に対して大変敏感な子どもたちが、今現在も汚染地帯で被曝をしながら生活しています。
それを思うと、なんとも無念ですし、3年間一体何ができたのだろうかと、自分の無力さが情けなく思います。
しかし、これからもまだまだこの状況が続いていくわけで、今、私たちに何ができるかということは考えなければいけないと思います。
私が何よりもやりたいことは、子どもたちの被曝を少しでも少なくする、ということです。
そのために一番いい方策は、子どもたち、あるいは大人も含めてですけれども、汚染地帯から避難させるということです。ただ、人間というのはみんなそれぞれの土地で、それぞれ周りの人たちと一緒に生活を送ってきました。簡単に避難という言葉を使ってみても、なかなかできないし、やったところでものすごい苦難を背負うことになると思います。
本来であれば、この事故を引き起こしたことに責任がある東京電力、あるいは日本の国家が、人々をコミュニティごとどこかに移住させるということを私はやるべきだと思いますし、これからもそれを求めていきたいと思います。
しかし、今現在日本の国、自民党という政権がまた返り咲いたのですが、その政権はこれからも原子力を進めると宣言していますし、そのためには福島の事故を忘れさせてしまおうという作戦に出てきています。そういう日本の政権が、人々をコミュニティごと逃すというような選択は、おそらくあり得ないと思います。残念ですけれども、たぶんできないだろうと私は思います。
それならどうするかということですけれども、子どもたちをある一定の期間でもいいので、疎開させる、夏の一月でもいい、春の一週間でもいい、放射能の汚染の少しでも少ない場所に移して、そこで泥んこまみれになって遊べるようにする、草の上に寝そべってもいいというような環境を子どもたちに準備をするということが必要だと思います。
そのことは、今、日本の中ででも、たくさんの人たちがそれをやってくれて、これまでもやってくれてきましたし、これからもやってくれると思いますし、海外からもそういう支援の手が伸びていますので、少しでも多くの子どもたちを放射能から遠ざけて、そして、子どもらしく遊ばせるということをやりたいと思います。
でも、それもまだまだ限られたことでしかありません。
やはり、子どもたちも含めて汚染地帯で生きざるを得ない状況はこれからも続きますので、次にやるべきことは、汚染地帯の中で、特に強く汚染している場所があちこちにあります。ホットスポットとかマイクロスポットとかの場所が平均的に言えば、あまり汚染の強くない地域にも、そういう場所が存在していますし、子どもたちがそういうところで遊んでいることだってあるだろうと思います。
どんな場所がどれだけ汚れているかということを丹念に調べて、子どもたちが時を過ごすような場所からは汚染を除去するということが必要です。
今、日本では除染という言葉が使われて、除染をすれば環境がきれいになるという幻想がふりまかれていますけれども、残念ながら除染はできません。私たちが汚れと読んでいる正体は、放射能です。放射能は人間がどんなに手を加えても消すことができないのです。
除染など決してできません。
でも、子どもたちが放射能に触れてしまうのであれば、その放射能をとにかくどこかに移す、子どもたちの場所から移すということは必要だろうと思います。
つまり、放射能を除くのではなくて、移動させる、私はそのため移染という言葉を使っていますが、子どもたちの場所からとにかく放射能を移染するということを汚染地帯もそうですし、汚染が少ないと思って安心している場所でもホットスポット、マイクロスポットはありますので、移染という作業をしてほしいと願います。
次に重要なことは食べものです。
今現在、東北地方を中心にした食べものが汚染されています。日本の国は1キログラムあたり100ベクレル以下なら安全であるかのように言って、何の規制も無いまま、食べものを流通機構に乗せてしまっています。
しかし、この日本の国で、普通の食べものは、福島の事故がある前は、1キログラムあたり0.1ベクレル程度しか汚れていなかったのです。
1キログラムあたり100ベクレルというのは、事故前の1000倍もの汚染を安全だと言って、市場に出回らさせるとうことになってしまっているわけです。そんなことは到底私は許せないと思いますし、特にそんな汚染のものを子どもたちに食べさせることは許せないと思います。
子どもたちが食べる食べもの、例えば、学校給食、というようなものは、徹底的に汚染の少ないものを調べて、子どもたちに回すということを私はやりたいと思います。
え、そのためには日本の国家が本当は動かなければいけないのですけれども、残念ながら今の日本の国家、デタラメな国家ですので、子どもたちの学校給食を司っているそれぞれの自治体がやはり立ち上がって、子どもたちを守るということをやってほしいと思います。
最後に若い人たちに一言お詫びを申し上げたいと思います。
私は大きな事故が起きる前に、原子力発電所を止めたいと思って生きてきましたけれども、残念ながら私の願いは届きませんでした。大きな事故が起きてしまって、日本中、あるいは世界中に放射能汚染が広がってしまいました。
私には時間を戻す力はありませんので、この汚れた世界で生きるしかありません。ただ、私はあと10年、20年で死んでしまうと思いますけれども、若い人たち、これから人生を刻んでいく人たちに対しては誠に申し訳ないことだと思います。
皆さんが大きくなって大人になったときに、福島の事故を防げなかった責任というものをたぶん私たちの世代に問うだろうと思います。問われて仕方がないことを私たちの世代はやったわけですし、まずはお詫びをしたいと思いますし、残りの人生で何ができるかということを考えながら、私は生きたいと思いますし、
将来の皆さんからどうやってお前は生きてきたかと問われたときに、私なりにできることはやったというように答えたいと思います。
ありがとうございました。

トランプギャグ

 シャーロッツビル事件をめぐる「どっちも悪い」発言で、アメリカではトランプ大統領への批判がかつてないくらい高まっているが、日本のメディアではむしろ、トランプ的な「どっちもどっち」論が幅を利かせている印象がある。

 ネットでは事件の発端となったリー将軍像の撤去をめぐって、ネトウヨや「中立厨」を中心にリー将軍擁護論が盛り上がり、テレビでも「白人至上主義も忌まわしいが、リベラル至上主義も問題」などというトンデモ発言をした有本香はじめ、複数のコメンテーター、番組がどっもどっち的な解説を垂れ流していた。

 そんななか、こうしたトランプ擁護論を徹底論破していたのが、現在アメリカ在住の映画評論家・町山智浩氏だ。町山氏はツイッターで、リー将軍像が白人至上主義という差別思想と不可分であること、南北戦争で「南部が自治権を守ろうとしただけ」などというのは戦争終結後の南部のプロパガンダであることを指摘。こんな鋭い分析まで披露していた。

〈南部の正当化の仕組みは日本における戦争の正当化のそれと非常によく似ていると思います。南部帝国を擁護する日本人には、意識的か無意識か、大日本帝国を投影している人が多いのではないでしょうか。〉

 まさに博覧強記の町山氏らしい鮮やかな切り返しだが、その町山氏が今度は、トランプを徹底批判するアメリカのニュースショーと比較する形で、権力批判ができない日本のメディア状況やお笑い芸人の問題に踏み込む発言をして、話題になっている。

 発言があったのは、8月22日放送の町山氏のレギュラー番組『たまむすび』(TBSラジオ)でのこと。町山氏はこの日、シャーロッツビル事件以後も予定されている右翼の大集会やトランプ大統領の動向について解説したあと、「いまアメリカのレイトショー、夜のトークショーの人たちは、もうずーっと、この事件があってからもそうなんですけども、トランプギャグでものすごく面白いことになっているんですよ」と切り出した。

■アメリカでは毎晩、コメディアンたちがトランプをネタに

 そして、ABCテレビ『ジミー・キンメル・ライブ!』司会者のジミー・キンメルやCBS『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』で大人気を博しているスティーヴン・コルベアが毎日のように、トランプに対して苛烈なジョークやツッコミを浴びせていることを紹介した。

 たとえば、キンメルが「ドナルド・トランプをアメリカの王様にして、政治から手を引かせよう」という皮肉たっぷりの提案をしたことや、トランプが「両方とも悪い」と言ったことに対して、コルベアが「それは違うだろ、だって、あっちはナチだよ、こっち側はそのナチのカウンターだよ、ナチと戦う人たちだよ」「アメリカはナチと戦ったんじゃないの?」と厳しく突っ込んだことなど。

 しかも、町山氏が強調したのが、これらトランプ批判の多くがアメリカの「お笑いトークショー」を舞台に、コメディアンの口から発せられていることだった。

「アメリカのすごいところは、とにかくいちばん視聴率を取っていていちばん人気のあるコメディアンは政治ネタをやるっていうことなんですよ」

 そのうえで、町山氏は一転して日本のお笑いに目を向け、例の茂木健一郎氏の発言をもちだしたのだ。

「僕が今回、この話をしようとしたのは、前にね、だいぶ前になりますけど、茂木健一郎さんが日本のお笑いに関して『空気を読んでいるお笑いばかりで権力に対して批評の目を向けたお笑いがない』っていうようなことをツイートかなにかして。そしたら、炎上しちゃって。爆問の、爆笑問題の太田君から『うるせー、バーカ!』って言われましたよね(笑)。
「『あんなもんは簡単なんだよ、政治ネタとかは』って言っていて。あと、そういう人もいっぱいいるという話もしてたんですけど。あと、松本人志さんは『茂木さんは面白くない』っていう、ちょっとこれは違う話で反論されていたんですけど」

■茂木健一郎発言の本質と博多大吉の「安倍批判はリスクが大きい」発言

 茂木氏の発言については本サイトでも何度も紹介しているが、まさに、権力批判ができない日本のお笑いの問題点をつくものだった。しかし、太田光や松本人志などの大御所芸人が茂木氏を攻撃・嘲笑したことや、茂木氏が「日本のお笑いはオワコン」と発言していたことで、茂木氏のほうが集中砲火を浴びる結果に。そして最終的には『ワイドナショー』(フジテレビ)に茂木氏が出演して松本人志に謝罪するという、まさに日本のお笑いのムラ社会体質を象徴するようなかたちで、幕引きされてしまった。

 どうやら町山氏もこの本質が隠されしまった展開に違和感を抱いていたらしい。茂木氏に対して、「“日本のお笑いはだからダメだ”じゃなくて“なぜ、こういう政治的なお笑いをやる人がテレビに出ないのかな?”っていう話にすればよかった」と苦言を呈する一方、博多大吉の発言を引用するかたちで、日本のお笑い芸人が権力批判できない理由について、改めて言及したのだ。

「その時に(茂木氏に)反論した中で博多大吉さんが一番正直に言ったんだと思うんですね。博多さんが」
「それは『安倍総理を批判したらリスクが大きい』って言ったんですね。彼は(笑)。それが一番正直だなと思ったんですけど(笑)。だって、そのザ・ニュースペーパーっていうグループは森友事件を茶化すコントをテレビのために収録したら放送されなかったんですからね」
「だから『リスクが大きい』っていうのはやっぱりかなりストレートなものなのと、あとやっぱりスポンサーとかでコマーシャルに出れなくなっちゃうんですよね」

 そう、町山氏は日本のお笑いが権力批判できないのは、太田光の言うような「政治ネタをやってるヤツはいるけど、笑えない、浅い」とかそういうことではなく、芸人がつぶされるリスクを感じているからだ、と指摘したのである。

 この指摘はきわめて正しい。実際、この日の『たまむすび』でも、アメリカのニュースショーでのトランプ批判の激烈ぶりを説明する町山氏に、番組でパートナーをつとめる南海キャンディーズ・山里亮太が驚いて、こう問いかける場面があった。

「言っても大丈夫なんですか? 圧力が来てね、『そんなの言っちゃダメだ』とか、『そういう放送はさせないぞ』みたいなのないんですか?」

 これは逆に言うと、日本ではそういう圧力があるということだろう。町山氏もふれていたが、現実に安倍政権批判のコントが潰されたケースもある。

■放送直前、テレビ局が放映を中止した安倍政権批判のコント

 政治風刺を入れ込んだコントを得意とするザ・ニュースペーパーのリーダーである渡部又兵衛は、2017年5月14日付しんぶん赤旗日曜版に掲載されたインタビューでこんな裏事情を暴露している。

「僕は最近コントで「カゴイケ前理事長」を演じています。そう、森友学園問題の。こんなコントもしました。
 アベシンゾウ首相(舞台袖から登場し)「どうも、カゴイケさん。お久しぶりです」
 カゴイケ「あ、首相。ごぶさたです。…『お久しぶり』って、やっぱり僕ら、知り合いですよね?」
 それから二人は「お互い、奥さんには苦労しますね」と嘆きあうといった内容です。
 見たテレビ局の人が「面白い!」といってコントを放送することになりました。収録までしたのに放送当日、「すみません。放送は見送りです」と電話がきました」

 これ以上の詳細な裏事情は詳らかにされていないが、おそらく、現場スタッフのなかで「是非放送したい」とされた内容が、放送前の上層部チェックで「自主規制」および「忖度」の対象となったのだろう。

 圧力は放送見送りだけではない。ワイドショーなどで安倍政権に対して厳しい批判をしようものなら、たちまち炎上し、その芸人を起用しているテレビ局やCMのスポンサー企業にネトウヨの電凸攻撃が殺到する。その結果、テレビはこうした芸人を敬遠して使わなくなり、その芸人は仕事を干しあげられてしまうことになる。

 ようするに、日本のお笑い芸人たちはそういう事態を恐れて、権力批判を「自主規制」しているのだ。 

 劇作家の鴻上尚史氏は「SPA!」(扶桑社)17年6月20日号掲載の連載エッセイ「ドン・キホーテのピアス」のなかでこのように書いている。

〈地上波では、現在、まったく政治ネタの笑いがありません。かつてはありました。昭和のずいぶん前、テレビがまだいい加減さを持っていた頃、毎日、時事ネタを笑いにしていました。
 でも、今はありません。それは、お笑い芸人さんの責任ではありません。テレビが許さない。それだけの理由です〉

■ウーマン村本も政治ネタをやらない芸人たちの本音を暴露!

 前掲『たまむすび』で町山氏はアメリカにおけるコメディアンの権力批判について、「政治にツッコミを入れる、権力者にツッコミを入れるっていうのはコメディアンの始まり。だから、そういう仕事がアメリカでもあるんですよ。そういう機能を社会のなかで果たしているんですよ」と解説していたが、日本ではそんな機能はとっくに失われてしまったということだろう。

 実際、森友学園や加計学園問題をはじめ、いまの安倍政権はお笑いネタの宝庫であり、アメリカのコメディアンだったらネタにし尽くしているだろう。でも、日本のテレビではそんなお笑いはほとんど出てこない。それどころか、空気を読むことに長けたお笑い芸人たちが、ワイドショーで競うように、政権をヨイショしているというのが現実だ。

 なんとも絶望的な気持ちになるが、しかし、一方でこうした風潮に敢然と立ち向かおうとしている売れっ子芸人もいる。それはウーマンラッシュアワーの村本大輔だ。

 村本といえば、最近、『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)に出演。安倍首相のことを「戦争のにおいがぷんぷんする」、北朝鮮危機を煽る風潮についても「日本が朝鮮を植民地にしたという歴史も正視すべき」と主張するなど、ネトウヨを激怒させるような発言を連発。大きな話題になった。

 しかし、村本のツイッターを見ていると、その後もまったくひるんでおらず、まだまだ権力批判、戦争反対の姿勢を継続する気が満々のように見える。

 しかも、その村本は8月20日放送『EXD44』(テレビ朝日)のなかで、権力批判をしない日本の芸人についてこう喝破していた。

「先輩の芸人さんたちが『日本じゃああいうネタできないんだよ』とかって言ってたけど、違うよ、そこでメシ食いたいからやらないだけでさ」

 こうなったら、村本に日本のスティーヴン・コルベアになってもらって、安倍批判をガンガンやってもらうしかない?

2017年8月25日金曜日

リストラ支援助成金

○山本太郎君
大臣、竹中平蔵さん御存じですよね。経済学者らしいんですけれども、それ以外の今の肩書を御存じであれば、民間議員とかの肩書ではなく、肩書を御存じであれば教えてください。

○国務大臣(山本幸三君)
 特区諮問会議の委員でもありますし、経済財政諮問会議の委員でもあると思っております。

○山本太郎君
 都合のいいときは経済学者という名前を名のるらしいんですけどね。人材派遣会社などを手掛けるパソナグループの会長、オリックスの社外取締役などですよね。この竹中平蔵さん、自身の立場を利用して、自分たちの業界、関連企業に我田引水しているおそれがある案件、大臣、御存じの範囲で教えてください。

○国務大臣(山本幸三君)
 有識者会議で有識者としての意見を述べているわけでもありまして、そういうものは一切ないと理解しております。

○山本太郎君
 知らないって言えばいいのに、一切ないと言っちゃうんですか。

 解雇しやすい環境を整えて助成金を企業と再就職支援会社に出して、労働力を格安で違う企業に譲り渡す労働移動支援助成金の拡大、別の名をリストラ支援助成金、御存じですよね、大臣。これで一番笑い止まらないの誰ですか。間に入る再就職支援会社。再就職支援会社、再就職支援を得意とする人材派遣会社って、大臣、御存じですよね。

 再就職が決まらなくてもお金が入るって。仕事を失って条件悪くても就職したい商品、労働者を手に入れ、人手不足の企業に対し安い労働力を提供し、もうけることができる。ネット中継で見ている中学生にも分かるように言わせていただきます。社員を転職させたいって。じゃ、リストラすればいいですよ。転職支援ということで支援金出しますから。じゃ、再就職支援会社に委託しちゃってください。例えば、テンプスタップ、テンプスタッフとかいろいろあるでしょうって。委託した段階でお金出しますから。今までは転職成功時のみしかお金出していなかったけど、成功しなくても出すことにしましたよ。今まで対象外だったけど大企業もオーケーになりました。数が増えれば再就職支援会社もうかりますね。人が余っているなら処分した方がいいですよ、コストになりますから。首にした人は格安で別の会社に人材提供しますということを可能にしちゃった。

 このろくでもない提案したの誰だ。パソナ会長竹中平蔵さんじゃないですか。二〇一三年三月十五日、産業競争力会議での竹中さんの発言。労働移動型の解雇ルールへのシフトは大変重要。判例に委ねられているのはルールとして不明確であり、明文化すべき。金銭解決を含む手続の明確化をすることが必須である。早急に議論を煮詰めていくことが必要である。労働移動に助成金を出すことは大変重要です。最大、是非大規模にやってほしいです。今は、雇用調整助成金と労働移動への助成金の予算額が千対五くらいだが、これを一気に逆転するようなイメージでやっていただけると信じています。

 結果、それまで収益が悪化し、事業の縮小、これ余儀なくされた企業、これ中小企業とかね、従業員を一時的に休業、教育訓練、出向させる際に事業主が支払う休業手当や賃金の一部を国が助成していた雇用調整助成金が大幅に縮小しちゃって、そして竹中さんが求める労働移動支援助成金の方、いわゆるリストラ助成金の予算が大幅に上がった。竹中さんの言葉どおりに逆転してしまったという過去、お忘れになっていないでしょう。数年前の話ですよ。

 厚労省、これ、雇用調整助成金、二〇一三年、二〇一七年、それぞれ予算教えてください。

○政府参考人(坂根工博君)
 お答えいたします。
 雇用調整助成金の平成二十五年度と平成二十七年度の予算額は、それぞれ平成二十五年度が約一千百七十五億四千万円。平成二十七年度が約百九十二億七千万円となっております。

○山本太郎君
 八三・六%ダウンしちゃったんですよね。
 もう時間がないので私が読みますけど、一方でリストラ支援助成金は、労働移動支援助成金はどうなったか。一・九億円から三百四十九億円。つまり予算は約百八十三倍になったって、あり得ない話ですね。

 これによって起こったことはどういうことだったか。退職を勧める社員を養成する研修会。退職面接のトーク内容をまとめたマニュアル作成など、法律に触れない考えられた内容で、従業員リストラをシステマチックに進めるため人材派遣会社が具体的なノウハウ、制度設計を企業側に提供したと。これ、あり得ない話ですよね。

 ターゲットにされた人は毎日のように上司に呼び出され、二人で、二対一でずっと話をされて、結局辞めるはめになった。次の紹介された企業は前の仕事の給料半分だったって。狙いどおりじゃないですか。むちゃくちゃですね。だから、こうなることが分かっているから野党は猛反発していたんですよ、当時。



 この一点取っても、竹中平蔵さん絡むとなかなかろくでもないことに発展していただけるなということがよく分かると思います。
これ、自分の業界に対する利益誘導と思いませんか、大臣。

 二〇〇三年五月期は千三百五十六億円だった売上げが、パソナね、二〇一七年には二千六百三十七億二千八百万円まで増えているって。ほかにもやったこと、皆さん御存じでしょう、宮内さんと一緒に。労働規制の緩和、郵政解体、切り売り、ほかにも、農業を勝手にもうどんどん参入していって、結局、医療の分野にも入ってきた。オリックスが投資したバイオマスター社は解禁一番手だったじゃないですか。ほかにもいっぱいある。養父市にも入っている。

 で、外国人家事労働者、これ受け入れて、人材派遣会社のパソナが事業認定された二〇一二年、これ経産省の資料では、家事代行サービスは九百八十億円の市場規模だけれども、将来的には約六千億円まで拡大するって。これ、ずるくないですか。これ、国家戦略特区、外国人農業支援人材、竹中さん会長を務める人材派遣会社パソナ、今回参入できるんですか?排除されるんですか?

○国務大臣(山本幸三君)
 派遣業法の許可を取っていれば可能になります。

○山本太郎君
 透明性もない、公正さもない。一体何なんですか、これ。どこにドリルで穴開けているんですかって。そのお尻を拭くのは国民の血税なんですよ。やめてもらえません?これ以上、日本潰すのやめていただきたい。

2017年8月23日水曜日

獣医学を知らない素人が決めた加計学園獣医学部新設

 今治市の加計学園獣医学部新設問題で、「総理のご意向」を告げられたと証言した前川喜平・前文科事務次官にインタビュー。「ご意向」のもと、文科省が成功をおさめていた「共同獣医学部構想」とはまったく逆の方向で、“素人の説明・評価”によって官邸が獣医学部新設を進めようとしていたと前川氏は語った。


 「獣医学を知らない素人が決めた加計学園獣医学部新設は、税金のムダ遣いになる」と懸念する前川氏

◆文科省が進めていた「共同獣医学部」は成功している

――前川さんが事務次官になる前から、文科省は国際水準に達していない日本の獣医学部のレベル向上をはかろうとしていましたね。

前川:文科省としては、「量の拡大」ではなくて「質の向上」が課題でした。獣医学教育を国際水準に引き上げるために、獣医学部がある16の大学同士で協力関係を作って質を高めようと考えた。これが「共同獣医学部構想」(大学同士の獣医学部の合体)です。すでに取り組みが始まっていて、成功していると思います。

――16大学のうち8大学で再編が進み、鹿児島大学と山口大学をはじめ4つの共同獣医学部が誕生。文科学省は国家戦略諮問会議の配布資料の中で図示しています。

前川:そうなのです。「黒い猫でも白い猫でも(何でも)良かった」と国会で発言した加戸守行・前愛媛県知事(今治商工会議所特別顧問)は2016年9月21日、国家戦略特区の今治市分科会で「世界に冠たる先端ライフサイエンス研究を行う国際教育拠点」と「アジア・トップクラスの獣医大学・学部」を作ると説明したのですが、それなら共同獣医学部を作るべきです。

◆獣医学部新設は、国際水準にレベルアップしようとする文科省構想に逆行

前川:獣医学部新設は、国際水準までレベルアップをしようとする文科省の構想と逆行しています。加戸さんは獣医学について素人だし、「実に説得的だった」と評価した八田達夫教授(国家戦略特区ワーキンググループ座長)も同じく素人。素人が説明をして素人が評価しただけで、専門的な見地から検討されていなかったのです。

 獣医学の教員のマンパワーは限られていて、新たに獣医学部を作れば人材が足りなくなるし、安倍首相が言うように「(獣医学部新設の)2校目、3校目を作る」というのも論外。専門家たちは「実態を知らない素人の発言だ」と口を揃えて言っています。

◆加戸守行・前愛媛県知事は、地元に大学が来れば何でもよかったのでは


 獣医学部新設を喜ぶ加戸守行前愛媛県知事(右)は前川氏の文科省での先輩にあたる

――前川さんの元上司でもある加戸守行・前愛媛県知事は、なぜ“古巣”の政策(共同獣医学部構想)に逆行する主張をしたのでしょうか。

前川:加戸さん自身が文科省で高等教育行政をほとんどやったことがない。文科省OBというよりは愛媛県知事経験者として、とにかく地元に大学が来てくれれば良かったのだと思います。国家戦略特区の目的は「日本中でどこにもないものを作って国際競争力の強化と国際的拠点を形成する」ということ。もし作るのであれば「国際競争力」のある、「国際的拠点」と言えるようなものにしなければならない。

――しかも加計学園の場合は、教員と学生の比率が約1対3(国立大学は約1対1)という国内最低レベルです。

前川:(国際競争力のある国際的教育拠点になるのは)ありえないですよ。計画をどうやって実現するのか、本当に質の高い教員を集められるかという具体的な道筋については何一つ語っていない。それでも、獣医学部新設が決まってしまうわけです。

 さらに前川氏は「加計学園獣医学部新設の“司令塔役”は和泉洋人首相補佐官だろう」とも指摘する。また、今治市民からは加計学園の建設費水増し疑惑・賄賂疑惑に関する告発も出てきた。これら多くの疑惑が未解決の加計学園問題について週刊SPA!8月22日発売号掲載記事「加計学園 黒幕と補助金水増し」では、さらに詳しくリポートしている。

増税

安倍氏と財務省の関係を考えてみると
安倍氏は消費税増税を約束しておきながら二度も延期した。
安倍氏にとっては支持率が大切で、
そのためには増税なんてできない。
株価と為替の官製相場を作り出し数字を気にしている。
財務省にすれば、全てが許せない。怒り骨髄である。

財務省としてはこのまま安倍政権が続くなら安倍氏に増税をやらせるしかない。
やらないというならやめてもらうしかない。

財務省の側から考えると、
森友に大幅値引きして土地を提供する理由もない。
理由があるとすれば、安倍氏をコントロールできることである。
ことが明るみになって、財務省の傷を負うが、所詮組織なのだから、
別の人が役職を担当すればよいわけで、
佐川氏はほとぼりがさめるまで身を潜めていればよい。
武藤氏のようにノーバンしゃぶしゃぶの後でオリンピックの事務局長になる事もできる。
それなのに、すべての証拠は捨てましたと言い、さらにその人が
栄転して、国税庁長官である。まさかと思い、国民の怒りは沸騰する。それで良いのである。
しかも非常に強力な税務調査権を持つ。

これは財務省が安倍氏に配下に下れとメッセージを突きつけているようである。

安倍氏としては、官僚機構頭ごなしの特区機構に頼りたいところだろうが、
このようにして財務省が肉を切らせて骨を断つほどの作戦を採用して
いささかたじろいでいるのではないか。

そして誰が次の総理総裁になっても、
必ず増税しろ、しなければ、末路は同じだと、財務省は言っているようでもある。

署名1万706筆

 「課税なき所に統治なし」。納税は国家の基礎である。にもかかわらず、この国は税務署の最高責任者が国民から「辞めろコール」を浴びるありさまだ。

 きょう午後、大学教授や弁護士らが国税庁と財務省に佐川国税庁長官の辞任と罷免を求める署名1万706筆を提出した。

 国税庁の佐川長官自らに辞任を迫り、任命権者の麻生財務相には罷免を求めたのである。(主催:森友・加計の幕引きを許さない市民の会)

 1万706筆の中には現役の税務署職員による署名も含まれていた。「徴税の業務に支障をきたしている」とのメッセージが添えられていた、という。

 「市民の会」の醍醐聰・東大名誉教授に財務省正門前で話を聞いた。税務大学校で教鞭をとっていた醍醐名誉教授は憤りを隠さなかった ―

 「納税者は領収書の提出がなければ受けつけてもらえない。本当にこれで国家と言えるのか?あまりにもいい加減」。

 財務省は地方課広報連絡係の内村裕幸係長が、国税庁は財務相談室の大竹素彦相談官が対応した。

 醍醐名誉教授らが「佐川国税庁長官はなぜ就任の記者会見を開かないのか?」と問うと、大竹相談官は「諸般の事情により」と答えた。

 「会見を開くと国会答弁のウソがばれるからか?」と畳み掛けると「答えられない」と かわした という。

 「麻生大臣には(署名が)届くのか?」と聞くと内村係長は答えなかったそうだ。

 醍醐氏は「大臣には届かずにどこかで止まってしまう」「根元まで腐っている」と口角泡を飛ばしながら指摘した。

検察審査会で勝負かけます

「八木啓代のひとりごと」より抜粋>

「籠池氏逮捕&財務省は不起訴であっさり幕引き」路線は、検察にとって悪夢の

シナリオ、すなわち「強制起訴→有罪→国民の軽蔑と嘲笑が検察に向けられる」

可能性濃厚になってきてしまいます。

 一方で、私たちが、5月14日に出した「公用文書等毀棄罪」での刑事告発が

どうなっているか、という点ですが、こちらも、まだ、東京地検特捜部で

受理されていないという異例の展開になっております。

 当会の優秀な弁護士チームの方々が書かれた刑事告発は、過去8回、

すべてすみやかに受理されております。

最短では、翌日受理という前例も頂いているほどなのですが、今回に限っては、

2ヶ月半たっても受理されておりません。

 おかしいですね。告発事実と告発理由のところをコピペしていただければ、

被疑者否認でも、すみやかに裁判所から逮捕状が取れるレベルのものは

つくっているんですけどね。

 でも、これまた、同じ理由でしょう。特捜検察として、

最大のパートナーである国税庁の、その現長官を、財務省と官邸を敵に回して

起訴するなんてことが果たしてできるのか、という点では、大阪地検以上に、

忖度が要求されるところなのですが、とはいえ、不起訴を出してしまったら、

こちらも当会から、検察審査会に申し立てをされるのは、もうわかっているわけで

す。

 というより、もっとはっきり言ってしまえば、当会の告発状は、

「いまの特捜検察さんに起訴する度胸はないでしょうから、

検察審査会で勝負かけますんで、そのおつもりでね」ということが

、検察の方がお読みになれば、それはもう見え見えの文章だったりいたします。
抜粋終わり>

佐川宣寿国税庁長官逆襲

財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官。

早くも逆襲に転じたようだ。

些か旧聞に属するが、朝日新聞の関連会社、
朝日広告社が6年間で1億円の所得隠しを行っていた、
として5600万円の追徴課税。

社員2名が外注費の水増しなどで接待費を捻出していたとか。

業界では、この種の事はどこでもやっているらしい。

だから、“狙い撃ち”されたと見るのが自然だろう。

以前、大蔵官僚がノーパンしゃぶしゃぶの接待を受けていたなど、
その腐敗ぶりがメディアにさんざん叩かれたことがあった。

その結果、金融監督部門を切り離し、
今の財務省に衣替えする羽目に陥った。

ところが…。

「小泉政権が発足した直後の2001年頃から報復が始まる。
国税庁が、主要新聞、大手出版社、さらには民放キー局と、
マスコミに対して片っ端から税務調査を始めたのだ。
その調査は異常に細かいもので、記者が取材費の清算で提出した
領収証を1枚1枚チェック。
白紙領収証を使ったり、金額を偽造した領収証を特定して、
それを作成した記者まで事情聴取するという念の入れようだった。
そして、結果的にはいくつかの社が数千万円以上の申告漏れを
指摘された。

…メディアがその後、
どうなったかは推して知るべしだろう。

財務省の不祥事や批判がまったく
掲載されなくなったのはもちろん、
…財務省に操られたような記事が
どんどん掲載されるようになっていった」

朝日内部のリーク → 安倍(または麻生) → 国税庁(または佐川)

という流れ

佐川としては外局に出てほっとして世間の忘却を待ちたい気持ちなんだろうけど
完全に共犯者の立場に置いておきたい官邸が仕掛けている

国家戦略特区の件の告発状


           告発状


平成29年8月21日
松山地方検察庁 検察官 殿

告発人 

被告発人 寺井 政博(愛媛県今治市議会議員)
        菅 良二(愛媛県今治市市長)
       加計 晃太郎(学校法人加計学園理事長)
       渡邊 良人(学校法人加計学園事務局長)
     
 下記のとおり被告発人らの行為は、収賄罪(受託収賄罪及び事前収賄罪)及び強要罪及び 詐欺罪及び背任罪及び横領罪及び公職選挙法違反に該当するので、処罰を求めたく告発します。

                   記

1 告発事実

 被告発人寺井政博は平成8年より今治市内にある寺井建材の代表取締役をしている。そして、平成17年より4期連続で今治市議会議員に当選した。

 平成22年より、被告発人寺井政博は公益社団法人愛媛県浄化槽協会(以後「協会」と表記する)の会長に就任した。

 平成23年2月23日から平成24年2月23日まで被告発人寺井政博は今治市議会新都市開発整備特別委員会の委員長に就任したが、当時の今治新都市開発地区の出店情報、DCMダイキの出店の可否情報など、市役所の内部機密情報を外部の利害関係者に漏えいするようになった。

 さらに、平成25年3月1日から平成26年12月18日まで今治市議会新都市開発整備特別委員会の委員長に就任すると加計学園の岡山理科大学獣医学部新設があるという重要な機密情報について「俺のおかげ」「知事や誰とは言わないが日本の国で一番偉い人に頼まれてやっている」と、獣医学部の新設が安倍晋三首相の指示により、自分が獣医学部の誘致を行っていることを周囲に自慢し、機密情報を漏えいしていた。

 なお、平成29年2月28日から被告発人寺井政博は市議会国家戦略特区特別委員会の委員長に就任している。

 平成27年、協会の事務所に新事務所(鉄骨構造2階建て延べ床面積約100平方メートル)を建築する際、被告発人寺井政博は、愛媛県から天下りした参与の松井氏の知人で株式会社日創設計の濱本氏に設計を行わせた。実際の工事は合見積の形態をとって、前回の事務所改修工事を行った松山土建株式会社に選定し施工させた。

 しかし、この建築見積金額は市価の2倍の6000万円以上となっており、被告発人寺井政博の寺井建材に工事資材を発注する形で、本来の価格との差額分3000万円近くを着服した。この行為は刑法246条(詐欺罪)及び刑法250条(背任罪)及び刑法252条並びに刑法253条(横領罪)に違反する。

 そして、自分が今治市議会議員並びに、協会の会長であるという地位を利用して、平成22年より自分の支持者の親戚縁者を協会に縁故採用するようになった。

 平成29年現在、退職者も含めてその数は10名である。その手口は、公募採用とするが、実際は自分が縁故採用する人物が採用試験の点数が低く採用基準にまるで満たなくても、面接時に高得点にして合格させるというものであった。

 そして、被告発人寺井政博は、平成22年から平成29年に至るまで、市議会議員としての公務出張時、同時に協会の出張もしたことにして、今治市および協会の2箇所から出張旅費を二重に請求し着服していた。

 また、これに疑問を抱く協会職員がいても、被告発人寺井政博の縁故で採用されているため着服を拒否できず、また協会職員間でも被告発人寺井政博の一連の悪事の数々を隠蔽するための強要行為が日常茶飯事となっていた。この行為は刑法223条(強要罪)及び刑法246条(詐欺罪)及び刑法250条(背任罪)及び刑法252条並びに刑法253条(横領罪)に違反する。

 平成22年から29年にかけて、被告発人寺井政博は協会職員を自身の選挙活動に動員し選挙ポスター張りなどを行わせていた。この行為は公職選挙法199条及び199条の2及び199条の3 に違反する。

 この際、悪質なことに被告発人寺井政博は協会内に政治連盟なる政治団体を設置し、選挙名簿の送付および協会の資産を自身の政治活動のために横領し、職員に命令して政治活動を行っている。この行為は刑法246条(詐欺罪)及び刑法250条(背任罪)及び刑法252条並びに刑法253条(横領罪)及び公職選挙法199条及び199条の2及び199条の3 に違反する。

 平成27年6月4日、被告発人寺井政博は菅良二と加計晃太郎らと共謀して、内閣府国家戦略特区における学校法人加計学園岡山理科大学の獣医学部新設の申請にあたり、複数の当時の市議会議員および現職市議会議員に対し、1000万円の賄賂を渡していた。この行為は刑法197条(収賄、受託収賄及び事前収賄)に違反する。
 
 このことが本当か確かめるため、告発人は平成29年7月26日、今治市議会が乃万公民館にて開催した第4回議会報告会の質疑の場において「菅良二市長から1000万円賄賂をもらっていない者は起立してください」と問うたら、松田澄子議員と渡辺文喜議員だけが起立した。被告発人寺井政博は他12名とともに起立しなかった。そのため、告発人は被告発人ら計13名の市議会議員が贈収賄の事実を認めたものとして松山地方検察庁に7月27日(その後7月31日訂正して再提出)で告発した。

 平成29年7月28日、松田澄子議員から「今日午後、今治市議らほぼ全員が集まり7月26日の議会報告会の情報交換をした」との話があった。7月27日、告発人が松山地検へ告発した件が世論において全国的に予想以上の反響を受けていたため、7月28日で議員間で口裏あわせをして隠蔽工作をした模様である。

 平成29年7月28日、今治市議会が別宮公民館にて開催した第4回議会報告会の質疑の場において、告発人が市側からマイクを渡され「加計学園や加計孝太郎や菅良二市長から1000万円賄賂をもらっていない者は起立してください」と問うたところ、出席していた13名の市議会議員で即座に起立した者はいなかった。

 平成29年7月29日、前日の告発人がいた報告会に出席して起立しなかった黒川美樹議員に関係者が「賄賂をもらっていないのに、なぜ起立しなかった」と問うたところ「議会の雰囲気というのがあり、自分の意見や行動が自由にできないようになっている。潔白な人が自ら起立させないようにしているので自分も立てなかった。」ということであった。そのため同議員については告発対象から外した。

 しかも、7月27日の松山地検への告発において被告発人として対象になっている松田敏彦議員についても、関係者が聞き取りしたところ「議会の雰囲気があって、自分から潔白だと言えない。しかたないんで、自分は告発対象者のままでいい」と話したという。

 両議員の話により、7月27日分の告発状(その後7月31日訂正して再提出)における被告発人寺井政博らによって両議員に対する強要行為が行われていることが判明した。これは刑法223条(強要罪)に違反する

 そのため平成29年8月1日、告発人は計12名の市議会議員を贈収賄で松山地方検察庁に告発した。これによって贈収賄を認めた今治市議会議員は全部で25名になった。この行為は刑法197条(収賄、受託収賄及び事前収賄)に違反する。

 この事実を、告発人はブログやツイッターなどで全国に報じた。すると、爆発的な反響があり複数の投書が寄せられた。

 また、平成29年8月1日、加計学園の元関係者から「加計晃太郎から今治市などの政治家への賄賂は事務局長の渡邊良人が運んで渡している」との証言が告発人にあった。

 平成29年8月9日、告発人が共同代表をつとめる今治加計獣医学部問題を考える会(以後同会と表記する)の共同代表の黒川敦彦氏宛に匿名で被告発人らの悪行を告発する文書が郵送されてきた。

 さらに平成29年8月10日、同会の黒川氏に電子メールで今回の告発人が贈収賄対象とした議員のうち18名が確実に収賄をしていると証言する者があった。

 平成29年8月19日、告発人に対して、被告発人寺井政博の関係者から「今年の5月ごろ会合で寺井本人から『俺、今回の獣医学部誘致で市長からカネもらったんだよ。』と自慢げに話された。」という証言があった。

 さらに地元政界関係者から「獣医学部設置で議会が反対しないよう、国家戦略特別委員会の委員長である被告発人寺井政博議員に、他の議員に分配してもらうため億単位のお金が、加計学園から市長を経由し寺井議員に渡されたのだが、寺井はこの収賄で得たお金を一部の議員にしか配らず自分でネコババしている。そして他の議員には誘致の議決に賛成するよう強要している。」と、この事実を裏付ける証言があった。

 一連の贈収賄が加計学園によって行われたことを裏付けるかのように、さかのぼること平成29年7月31日、妻が広島加計学園の教育審議委員を務める夫の自由民主党衆議院議員下村博文氏に対し、被告発人加計晃太郎の部下の加計学園秘書室長山中一郎が200万円の政治資金を渡していたことについて下村議員らが政治資金規正法違反で東京地検に告発された。これは、被告発人加計晃太郎が常習的に政治家へ多額の賄賂を渡していたことの証左である。
 
 このことからも、被告発人加計晃太郎が理事長の加計学園による今治市への獣医学部新設にあたり、被告発人の渡邊良人を通じて、被告発人の菅良二市長に約3億円の現金贈賄を行い、それによって、市議会議員が反対意見を言わないよう、菅良二がその収賄資金をもって被告発人寺井政博ら市議会議員を買収し、議会に全会一致の議決をさせていたことが明白となった。この行為は刑法197条に違反する。さらに被告発人は他の議員に渡す賄賂を独り占めし、他議員には獣医学部誘致に賛成するよう強要していた。刑法223条(強要罪)に違反し、議会制民主主義を踏みにじる悪質な行為である。

 このように、被告発人寺井政博は、今治市議会において獣医学部新設で市議会議員の意思決定をとりまとめる国家戦略特別委員会委員長の責任ある地位にありながら、その地位を悪用し、市の機密情報を外部の利害関係者に漏えいした上、利害関係者である加計学園から多額の不正な賄賂を受け取り着服していた。また、兼務する公益法人の会長の地位を悪用して、不正で違法な横領や背任行為、就職斡旋、政治活動を多数行っていた。

 さらに、今治市議会では有権者の民意で選出された議員一人ひとりの自由な発言と行動が、これら、一連の贈収賄に関係している議員らによって妨害され、獣医学部新設に反対せぬよう強要されていることも判明した。議会制民主主義がまったく機能しておらず、悪質であるので告発する。

2 罪名・罰条
 収賄罪、受託収賄罪及び事前収賄罪  刑法197条
 強要罪 刑法223条
 詐欺罪 刑法246条
 背任罪 刑法250条
 横領罪 刑法252条並びに刑法253条
 公職選挙法199条及び199条の2及び199条の3

3 添付書類
 8月9日の黒川敦彦氏への投書……1通
 8月10日の黒川敦彦氏への電子メールの投書……1通
 寺井建材株式会社の法人登記簿写し……1通
   
4 その他
 告発人は、今治商工会議所の会員でコンサルタント業をしているが、平成29年3月に、今治市で被告発人寺井政博が認可申請、建設を行っている学校法人加計学園岡山理科大学獣医学部について「バイオハザードによる環境汚染」「不正な公金支出があるのではないか」という指摘を知人らから受け、被告発人寺井政博を含む、多数の今治市議会議員、愛媛県議会議員らに獣医学部誘致の経緯について郵送で問い合わせた。ところが、回答者は1名だけであった。市民への情報開示や十分な説明がされないまま96億円もの巨額の公金が支出され36億円相当の土地が加計学園に無償で譲渡される点を不審に思うようになった。

 そのため、情報公開や、住民への納得のいく説明を求めて、自ら「今治加計獣医学部問題を考える会」の共同代表となり、ボランティアで活動するようになった。

 そして、同会では国や今治市に対して7800ページを超える大量の情報公開を行った結果、加計学園、今治市、愛媛県、国会議員、文部科学省などで長年にわたり議会から公務員にいたるまで収賄行為や行政プロセスに特定の利害関係者への利益誘導を行っている実態がわかってきた。

 被告発人寺井政博が、告発人らからの再三の問い合わせや質問に誠意ある回答を示さないばかりか、被告発人加計晃太郎が最高責任者である学校法人加計学園が今治市から36億円相当の土地を無償で譲り受け、96億円の公金をもらって獣医学部を開設させてもらうのに、加計晃太郎氏が市民の前に出てきて一度もあいさつ、自ら説明をしてこなかった事実は世間一般の常識からしても「おかしい」と思っている。

 地元の今治市では「菅良二市長が地元市議会議員らに1000万円のワイロを渡して、加計学園の獣医学部設置に反対しないようにした。」と政界関係者で話されている。

 7月27日の松山地検への告発以降、自民党議員の有力な関係者から「武田さんが松山地検に贈収賄で告発したことを聞いて、思い当たることがある。獣医学部新設の話が数年前に具体化してきて、当初反対してた議員たちが愛媛もいたのだけど、ある日突然、てのひら返したように全員賛成に回った。それから反対する人がいなくなった。だから、やっぱり賄賂があったと思う。」という話が告発人にあった。

 もし、今回、被告発人らが「収賄について潔白」であるのなら、告発人の問いに対して即座に否定できるのであり、できぬどころか、認めるというのは、民主主義、議会政治の根底を揺るがす重大な事態である。

 それだけでなく、被告発人らは今治市議会議員に対しても、獣医学部新設に賛成するよう強要行為を行っていたことが判明し、議会制民主主義を根底から揺るがす悪行を行っている。

 本件において被告発人加計晃太郎は国会への度重なる証人喚問にも応じず、週刊誌でも報じられたように逃げ回り隠遁生活を続けているのは、国民に対して、表に出て来て説明できない隠し事、収賄や詐欺のような悪事をはたらいていることが自明である。

 そのような人間が、国や自治体からの助成金や融資を受けておきながら、世間に公明正大な姿で情報開示せず、使途不明な支出を行っていることは国民全員に対する不利益であるので告発する。

厳正な処罰を求める。
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2017年8月21日月曜日

アイドルグループ「欅(けやき)坂46」 イスラエル大使館 「ホロコースト(世界大戦のユダヤ人虐殺)の特別セミナーにご招待

2016年のことだが
アイドルグループ「欅(けやき)坂46」がハロウィンでナチスの軍服と類似している衣装を着ていた問題で、イスラエル大使館の公式ツイッターが「ホロコースト(世界大戦のユダヤ人虐殺)の特別セミナーにご招待したい」と投稿しました。
 
イスラエル大使館は一連の問題について、「タレントさんは多大な影響力があり、皆様がこの重大な問題について知識を持つことが重要です」と指摘。特別に欅坂46のメンバーを招待したいと投稿し、このツイートがネット上で話題になっています。

これも教育の問題

教育はいまどうなっているか推測する手がかり

愛媛県今治市で建設中の岡山理科大学獣医学部キャンパス。建築図面が流出
1~6階は講義室や実習室、実験動物飼育室などとなっているのだが、最上階の7階の図面には、教育施設として似つかわしくない表記が出てくる。「ワインセラー」「冷蔵ショーケース」「ビールディスペンサー」……。一体、何のための設備なのか。図面には「パントリー(配膳室)」と書いてある。隣は「大会議室」だ。つまり、会議室を“宴会場”として利用するための設備のようなのだ。

教育はいまどうなっているか推測する手がかりである

2017年8月19日土曜日

「移民国家」日本、外国人抜きでは社会が機能不全

「移民国家」日本、外国人抜きでは社会が機能不全に…年間約6000人の外国人実習生が失踪

 オウム真理教事件の陣頭指揮にあたっていた1995年、何者かに銃撃されて一時は命が危ぶまれた國松孝次・元警察庁長官。

 回復して復帰後は、スイス大使を経て役人の道を離れ、現在は救急ヘリ病院ネットワーク会長としてドクターヘリの普及に務めるほか、「社会が発展できるモデル」の構築を目指す「未来を創る財団」の会長も務めている。

 同財団の「定住外国人政策研究会」は、2015年、16年の2回にわたって定住外国人受け入れの必要性について提言を行い、政府や行政の関係者に働きかけている。また、メディア関係者に向けた勉強会を定期的に行っている。その内容を踏まえて、國松会長に「定住外国人受け入れ政策」について聞いた。

●人手不足でゼネコンも「外国人留学生歓迎」

 16年12月の法務省統計によると、在留外国人は約238万人。人手不足の切り札として存在感を増している外国人労働者は100万人を超える。コンビニエンスストアや外食チェーンでは、外国人の留学生や定住者に向けたマニュアルを作成し、外国人労働者が働きやすい環境を整備している。

 この問題について取材を進めると、「外国人労働者には本当に助かっている。彼らがいないと店が回らない。重要なパートナーだ」という声を聞く。

 人手不足が特に深刻な建設業界も対策に乗り出している。ある鳶専門の工事会社は、ベトナム人の技能実習生を多く受け入れている。同社の社長は「大切な戦力である。“奴隷”を入れるのではなく、自分の家族のように大切に扱っている。彼らがベトナムに帰ってもキャリアを積めるように、人生のお手伝いをしている気持ちで若い子を預かっている。それを理解してほしい」と語る。

 建設業界の人手不足は、専門工事業にとどまらずゼネコンにも押し寄せている。今春開催された、建設業界への就職を目指す学生向けの「みんなの建設業☆就職フェスタ」では、ゼネコンのブースにも「外国人留学生歓迎」の貼り紙があった。

 リクルーターは、「優秀な方であれば、外国人留学生でも女性でも、おおいに歓迎しますよ。優秀な就活生を獲得するのが我々リクルーターの仕事であり、もはや国籍や性別にこだわる時代は過ぎ去ったのです」と言う。

 また、筆者の近所の新聞販売所では多くのモンゴル人留学生が新聞を配達しているが、話を聞いてみると「モンゴル人がいなくなったら、明日にでも新聞を配ることができなくなりますよ。昔のように日本人の学生が新聞配達のアルバイトをしてくれることが少なくなりましたからね」という。

 今や、日本中で人材獲得競争の嵐が吹いている。企業や業界が外国人労働者の獲得に走るのは当然の流れかもしれない。

●外国人技能実習生の闇…約5800人が“失踪”

 安倍晋三政権は、基本的に移民政策は採らない構えだ。しかしながら、「高度人材」は積極的に受け入れ、外国人留学生の受け入れ要件も緩和し、技能実習生の受け入れも中国人からベトナム人、ネパール人に拡大しており、現実には外国人労働者が増えている。

 一方で明らかになっているのが、負の側面だ。法務省によると、2017年1月1日時点の不法残留者は約6万5000人、15年の外国人技能実習生の失踪者は過去最多の約5800人に及ぶ。

 ある専門工事会社の社長は、「外国人技能実習生に初日に逃げられるとは思わなかった。今はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)があるから、本国にいるときから計画的に逃げる準備をしていた。反社会的勢力に利用されなければいいが」と懸念する。

 これらの失踪者や不法残留者が日本の闇社会に入り、反社会的勢力と結託すれば、日本の治安に大きな影響を及ぼす。そう考えるのが、國松会長だ。同財団の「定住外国人政策研究会」の第2次提言は、以下の5項目からなる。

(1)政府としての明確な定住外国人受け入れ方針の策定
(2)定住外国人を「生活者」として受け入れる理念の明確化
(3)政府の責任で日本語教育を行うことの明示
(4)地域の定住外国人交流拠点の整備
(5)未来投資会議等の下に「定住外国人政策委員会(仮称)」の設置

 國松会長は、現在の日本をこのように見る。

「今、日本は未曽有の人口激減時代を迎えており、毎年20~30万人ほど減少しています。国は、女性や高齢者の一層の活用、イノベーションの推進による省力化と生産力の向上など、さまざまな施策を展開しており、それらは実り多い成果が期待されています。

 しかし、人口の激減による生産力の低下は、それだけで阻止できるものではありません。好むと好まざるとにかかわらず、外国人労働者の導入に頼らざるを得ない。これは、避けては通れない事実として直視しなければならない現実です」

●日本語学校の質低下が深刻…ビザ取得の抜け道に

 一方で、技能実習生の失踪や不法残留者が増大すれば、どうなるか。

 國松会長は「受け入れについてはきちんとした体制を整えないと、治安を攪乱する要因になります。なし崩し的に受け入れるのではなく、国が責任を持って統一した受け入れシステムを構築すべきであり、受け入れる側も覚悟が必要です」と指摘する。

「そもそも、治安の面から見て、警察OBは外国人受け入れには消極的なのでは」と質問すると、國松会長は「むしろ、治安を考えれば警察OBとしては当然の提言だと思っています」とにこやかに語った。

 これには、ライバルも多い。同じように少子高齢化を迎えている中国や韓国も移民受け入れ政策を検討することが予想されているのだ。國松会長は、「日本の労働市場を外国人にとって魅力的なものにすることは、まさに『将来への投資』。必要不可欠な施策と考えるべきです」と提案する。


 また、國松会長は外国人労働者の教育について、こう続ける。

「労働者として受け入れたとしても、入国したからには生活者になります。そのため、国の責任で日本語教育を行い、生活者として日本になじんでもらうように環境整備を急ぐべきです」

 定住外国人の受け入れに消極的な人たちは、「移民政策を採用しない限り、日本に外国人は流入しない」と考えているようだが、現実は違う。政府の緩和策によって、実際にはすでに多くの定住外国人が日本で生活しており、産業の現場では大きな戦力になっているのだ。

 国の責任で日本語教育を行うことについては、政治が動いている。16 年 11 月 8 日に超党派の国会議員による「日本語教育推進議員連盟」が発足し、今後は議員立法によって「日本語教育振興基本法(仮称)」の制定を目指す。同財団と同議連は意見交換を行っている。

 國松会長は、外国人向けの日本語教育の重要性を以下のように強調する。

「外国人向けの日本語学校のカリキュラムの内容や講師の質などについては、文部科学省が踏み込んで実質審査を行い監理・監督すべきです。地域によっては、実態がよくわからないような日本語学校が存在していますが、それではいけません」

 外国人が日本で生活者としてなじむために、日本語教育の充実は欠かせないという。しかし、外国人が通う日本語学校は質にバラつきがあるのが実情で、出稼ぎのためのビザ取得の抜け道になっている学校も存在する。質の悪い日本語学校のなかには、教育は二の次になっているところもあるのだ。

●中国人依存で廃校になる日本語学校も

 また、これまで海外からの出稼ぎ労働者といえば中国人が多かったが、今は日本語学校に通う中国人は減少している、これは、経済発展に伴って日本に出稼ぎに来るよりも沿岸部の工事現場などで働いたほうが稼げるという事情が背景にある。そのため、中国人に依存していた日本語学校のなかには廃校になるケースもあるぐらいだ。

 その代わりに、今はベトナム人とネパール人が増えている。しかしながら、多くはアルバイトで学費や生活費を稼ぎ、本国への仕送りを行っている。これでは、日本語の習得に身を入れるというのは現実的ではないだろう。

 さらに、國松会長は「在留外国人の対策について、行政は一体となってやっているかといえば、疑問があります。就労者や留学生に関しては入り口として法務省などの各省庁が担当しているだけです。生活者としての外国人の処遇や対策を、どうやって国の施策として生かすか。それが今、問われています。ほかの先進国には、その仕組みができています。そのため、日本でも議論が進むことが大切なのです」と語る。

 日本は国内法において移民に対する規定や定義が存在しない。また、國松会長の提言について、各省庁の反応は薄いのが実情だ。しかし、「本音としては、『何かやらなければならない』という空気に変わっている」(國松会長)という。

 現実問題として、生活者や労働者としての外国人が増加しており、その依存度も高まっている。そこで問われるのが、我々の覚悟だ。政府が移民政策に舵を切らないとはいえ、経済協力開発機構(OECD)によると、日本の人口における外国人の割合は1.6%で世界22位。十分に「移民国家」の当事者であるといえるのではないだろうか。

 少子高齢化が進む日本にとって、定住外国人の受け入れは最終選択であり、目の前に突きつけられている喫緊の課題といえよう。





2017年8月17日木曜日

インパール作戦 そのような人間が組織の中で栄達する

日本陸軍のインパール作戦、誰も責任を取らない、この国のいい加減さをテレビでは指摘していた。

大本営は命令したのに、資料を破棄、すべては部下が勝手に動いたこととする。
部下は、上司の命令だと言いはる。

そのような人間が組織の中で栄達する。悲しいことがだそれが現実である。

「野党とマスコミが追及できないように、事実上、海外に逃がした」

 今月3日に行われた内閣改造で外務大臣に任命された河野太郎氏。自民党の原発推進政策に公然と異を唱え、南スーダンPKOの日報隠蔽問題も追及してきた。ところが、外相という「アメ」を与えられた途端、鳴りを潜めてしまったようだ。

 森友疑惑で“渦中の人”となった総理夫人付秘書官・谷査恵子氏の在イタリア日本大使館勤務という“栄転”を認めてしまった。谷氏は、経産省のノンキャリア官僚ながら安倍首相の妻・昭恵氏を秘書としてサポート。何より、大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された籠池泰典前理事長と財務省をつないだ「口利き役」という、疑惑のキーパーソンだ。

 外務省はそんな重要人物を出向先として迎え入れ、谷氏は晴れて6日付で1等書記官に着任した。これ以上、野党とマスコミが追及できないように、事実上、海外に逃がした形だ。なぜこんな人事がまかり通るのか。政治評論家の山口朝雄氏がこう言う。

「常識的に考えれば、ノンキャリの官僚が在イタリア大使館へ栄転する人事はあり得ない。特別な人事を行うことで、政権に協力すれば褒美として出世させると官僚に見せつけたのも同然です。河野太郎氏も、外務大臣に“大栄転”したことで、官邸に歯向かえなくなっているのではないか。もともと、安倍首相が河野氏と野田聖子氏を入閣させたのは、自分と考え方の違う人間を閣内に入れることで、国民に対して謙虚な姿をアピールするためです。河野氏は、まんまと安倍首相の演出に一役買ってしまった。谷さんの人事をストップさせていれば、国民の河野外相に対する評価は跳ね上がったはずです」

 谷氏以外に、海外に出向したキーパーソンとして挙げられるのが、防衛省の前統合幕僚監部参事官付国外運用班長の小川修子氏だ。小川氏は、南スーダンPKOの日報隠蔽問題で実務レベルの責任者だったが、現在、在中国大使館の1等書記官を務めている。

 谷氏の“高飛び”をストップしなかった河野外相の責任は重い。

ーーーーー
もともと、大臣になった途端に「反原発ブログ」を隠蔽してしまった河野太郎だ。

しかし思うに、この時代に、谷氏について、「野党とマスコミが追及できないように、事実上、海外に逃がした」などということが言えるのだろうか。イタリアにいてもどこにいても追及できるではないか。要はやる気の問題だ。

2017年8月15日火曜日

「戦争責任者の問題」

だますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。

 そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。

 このことは、過去の日本が、外国の力なしには封建制度も鎖国制度も独力で打破することができなかつた事実、個人の基本的人権さえも自力でつかみ得なかつた事実とまったくその本質を等しくするものである。

 そして、このことはまた、同時にあのような専横と圧制を支配者にゆるした国民の奴隷根性とも密接につながるものである。

 それは少なくとも個人の尊厳の冒涜、すなわち自我の放棄であり人間性への裏切りである。また、悪を憤る精神の欠如であり、道徳的無感覚である。ひいては国民大衆、すなわち被支配階級全体に対する不忠である。

 我々は、はからずも、いま政治的には一応解放された。しかしいままで、奴隷状態を存続せしめた責任を軍や警察や官僚にのみ負担させて、彼らの跳梁を許した自分たちの罪を真剣に反省しなかつたならば、日本の国民というものは永久に救われるときはないであろう。

「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。

「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいないのである。

 一度だまされたら、二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。この意味から戦犯者の追求ということもむろん重要ではあるが、それ以上に現在の日本に必要なことは、まず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し、だまされるような脆弱な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることである。

伊丹万作、『映画春秋』創刊号(昭和二十一年八月)「戦争責任者の問題」

2017年8月14日月曜日

ファシズムの初期徴候



「ファシズムの初期兆候/Early Waming Signs of Fascism」として政治学者のローレンス・W・ブリットによって書かれたもの

2017年8月11日金曜日

獣医学部新設のメリットはない

焦点のひとつは、今治市に獣医学部をつくるメリット。市は「卒業後の学生が今治に定着する」などと説明してきたが、獣医師資格を持つ市内の女性はこう訴えた。

「結婚を機に今治市にやってきて、獣医師の働き口を探しましたが、需要がありません。県職員の“公務員獣医師”は数が限られていますし、市内に獣医師の働き先は皆無に近い」

 つまり、獣医学部新設のメリットはない、と言い切ったのだ。

2017年8月9日水曜日

ガソリン代を計1412万円

 鈴木俊一五輪担当相(衆院岩手2区)が代表を務める資金管理団体「清鈴会」が、2013~15年の3年間にガソリン代を計1412万円支出したと政治資金収支報告書に記載していたことが9日、分かった。鈴木氏の事務所は「7人が政治活動に車を使用した」と説明しているが、高額過ぎるのではないかとの見方も出ている。
 報告書や事務所への取材によると、ガソリン代の支出額は13年が491万円、14年が382万円、15年が539万円だった。15年1月には1回分の支払いが174万円に上るケースもあった。
 同事務所は「岩手県は土地が広く、当時7人が車を1台ずつ使用して各地を回った。1人が1日250~300キロは走っている」と説明した。
 ガソリン代をめぐっては、民進党の山尾志桜里衆院議員が代表を務める政党支部が12年に429万円を計上したとして問題視され、調査の結果、元秘書が不正に請求していたことが判明した。

長い話

"
坂本弁護士事件の怪
 
坂本弁護士一家殺害事件の実行犯の供述によると、犯行状況は凄惨なものだった。
 実行犯はオウム真理教の中川智正、岡崎一明、村井秀夫、新實智光、早川紀代秀、
端本悟の6人である。1989年11月4日午前3時頃、横浜市磯子区にあるアパ-
ト2階の自宅で就寝中の坂本弁護士一家3人を実行犯が襲撃した。

 まず、端本が、いきなり眠っている坂本弁護士(当時33)の身体の上に馬乗りと
なり、同弁護士が目をさますや、声を上げさせないようにするため同弁護士の顎を手
拳で数回殴打し、次いで、岡崎が、上半身を起こそうとした坂本弁護士の背後に回り
込み、右手を同弁護士の首に回して同弁護士の着衣であるパジャマの左奥襟辺りをつ
かんだ上、それを右方向に引っ張り、パジャマの布地を使って同弁護士の首を絞めた。
 坂本弁護士は、背後から首を絞め付けている岡崎を振り払おうとして必死に抵抗し
たが、岡崎を振り払うことができないまま、間もなく、その場で窒息死した。
 一方、新實は、寝室に入ると、すぐに、同室で寝ていた都子の身体の上に馬乗りと
なり、騒がれないように同女の口を両手で塞ぐなどして同女の身体を押さえつけた。
都子は、苦痛を押して「子供だけはお願い」などと龍彦の助命を哀願した。
 この間、傍らで寝ていた龍彦が、目を覚まして泣き声を上げたことから、同児の側
にいた被告人(中川)は、龍彦に声を上げさせないようにするとともに、同児を窒息
死させるため、その場にあったタオルケット様のもので同児の鼻口を押さえ、それを
数分間続けたところ同児がぐったりした。
 被告人(中川)は、都子の背後から、右手を同女の首に回した上、同女の首を絞め
続け、間もなく、その場で同女を窒息死させた。
 また、都子から離れた新實は、被告人(中川)の前記暴行によってぐったりし、け
いれん状態を引き起こしている龍彦を殺害するため、同児の鼻口を手で押さえ続け、
間もなく、その場で同児を窒息死させた。(『読売新聞』1996年3月12日夕刊)


 これが本当だったら余りにもむごい。裁判抜きで実行犯をリンチにして殺してしま
え、というマスコミの論調にも頷けるものがある。しかしその前にちょっと冷静にな
って良く考えてみて欲しい。人を3人も殺すことは大変な作業である。しかも犠牲者
はおとなしく殺される訳ではない。自分の身を守ろうと、愛する家族の命を助けよう
と、必死の抵抗をしたはずである。
 検察の冒頭陳述からも、その様子を伺い知ることができる。しかも事件の起きたの
は、夜中の午前3時である。閑静な住宅街はひっそりと静まり返り、坂本弁護士一家
が暮らしていたアパ-トでも住民は眠り込み、しんとして物音一つしなかったに違い
ない。そこに突然、こんなどたばた騒ぎである。事件に気づいた人がいないという方
がおかしい。
 ところが、である。アパ-ト2階にある坂本弁護士の自宅の階下に住んでいた家族
は、4日の午前3時頃には坂本弁護士の部屋からは物音ひとつしなかったと証言して
いるのである。物音ひとつしなかった、これはすなわち事件が起きたのは、11月4
日の午前3時ではなかった、ということを示しているのではないだろうか。
 事件が起きたのが、『11月4日午前3時』ではなかったことを補強する材料とし
て、事件現場の流しには、夕食に使ったと思われる食器が洗われずに置いてあった、
という事実が挙げられる。
 清潔好きで几帳面だった都子さんは夕食後すぐに食器を洗う習慣があった。つまり、
夕食に使った食器を洗わずに寝てしまうということはないということだ。それが洗わ
れずに残されていたということはすなわち、犯行が行われたのは一家が寝る前、つま
り4日未明ではなく、3日夜だったということを示している。
 また、事件当日には坂本弁護士夫妻が着ていた服もなくなっている。ところが、2
人が使っていた寝巻は部屋にあった。つまり失踪時、坂本弁護士夫妻は普段着だった
ということだ。これまた、『4日午前3時』説が間違っていることの傍証となる。
 次に家計簿について。都子さんは毎日、家計簿をつけていた。結婚して以来、書い
てない日はなかったという。その家計簿をつけるのは、旅行でもしない限り必ずその
当日のうちである。それが11月3日から書いていない。もし犯行が『4日午前3時』
に行われていたなら、3日の家計簿はつけてあったはずである。

 洗われずに置いてあった食器、部屋に残された寝巻、つけられずに残されていた家
計簿、以上の点からも、『4日午前3時』犯行説は明らかに誤りであることが分かる。
実は犯行時間についてだけではなく、坂本弁護士一家殺害事件にはまだまだ多くの謎
が残されているのである。

 その1。実行犯はどうやって坂本弁護士宅のドアの鍵を開けたのか。「鍵はすでに
開いていた」「都子さんが鍵をかけ忘れた」と言われているが、本当なのか。
 坂本弁護士は、青山被告や上祐氏が事務所に訪ねてくるようになって以来、自宅の
鍵だはかけ忘れのないよう都子さんに念押ししていたとされている。事件当日だけ都
合よく鍵をかけ忘れたというのは、出来すぎた話ではないのか。

 その2。事件現場に、実行犯が落としていった「プルシャ」と呼ばれるオウム真理
教のバッジがあった。犯行現場に自分たちの身元が分かるような証拠を残していく犯
人がいるとすれば、大馬鹿者である。オウム真理教の実行犯がそうだったのかも知れ
ないが、それにしては、真夜中、誰にも気付かれずに坂本弁護士一家を殺害して、そ
の遺体を運び出すというマジシャンまがいの行為をやってのけた見事なお手並みは、
どう説明したらいいのだろうか。
 さらに不思議なのは、「プルシャ」が発見されたのが、鑑識の調査が済んだ11月
8日の午前中だということである。鑑識課員が見逃したのを坂本弁護士の母親が発見
したのだ。これまた、まずあり得ない話である。警察の捜査というものは、そんなに
いい加減なものなのか。本当はオウム真理教の犯行に見せかけるために、後から誰か
がこっそりと「プルシャ」を部屋に落としてきたのではないのか。犯人は警察内部に
潜入している秘密結社のエ-ジェントかもしれない。

 ところで『11月3日犯行説』を裏付けるものとして、坂本弁護士宅の階下の部屋
に住んでいた家族が3日の午後8時過ぎ、坂本弁護士と、坂本弁護士を訪問したらし
き人物とが会話している声を聞いたと証言していることがあげられる。

  前回のインタビュ-の時、「坂本さんの自宅を訪れたのは、坂本さんに信用させ、
ドアを開けさせることができた女性の疑いがある」とおっしゃって いました。その女
性が、11月3日午後8時過ぎ、坂本さんにドアを開けさせ部屋に入った。だから、
4日午前3時頃に岡崎容疑者や早川被告が行った時はドアは開いていた、ということ
ですか?「そう考えるほうが、『都子さんがドアの鍵をかけ忘れた』と考えるよりは、
はるかに自然でしょうね」
  「3日午後8時過ぎ」の訪問者を「坂本さんを信用させた相手」と考える、その
根拠はありますか?「湯呑み茶碗です。坂本さんは、ある人から贈られた来客用の湯
飲みセットを使っていました。鑑識が調べた結果、全部で5つあるはずのその湯呑み
茶碗セットのうち3つがなくなっています」
  ということは、3日の夜に3人の来客があり、坂本家では彼らにその湯飲みでお
茶を出し、それがなくなっているということですか?「そういう推察も成り立ち得る
ということです」(「週刊プレイボ-イ」95年10月3日号の「現役.公安幹部の告
白<第2弾>」から引用)

 それでは坂本弁護士一家は、どのようにして殺害されたのであろうか。一つの仮説
としては、11月3日の夜に自宅アパ-トで近所の住人に気付かれないように密かに
殺害されて、4日の深夜にこっそりと遺体が運び出された、というものがある。
 もう一つの仮説は、11月3日夜、坂本弁護士一家は自宅から外におびき出されて
拉致された、というものである。それを裏付けるような情報がある。「坂本弁護士一
家救出のための懸賞金広告実行委員会」の木村晋介委員長(弁護士)が、「タクシ-
運転手から寄せられた情報」として公表した情報だ。
 それによると、坂本弁護士が姿を消した当夜、坂本弁護士一家に似た客3人がタク
シ-に乗車し、横浜市瀬谷区三ツ境付近で降り、そこに待っていた二人の男と共にラ
イトバンに乗り継いで行ったという。この情報は「注意を要する情報」として、わざ
わざ記者会見を開いて公表されたものなので、信憑性は極めて高い。
 今となっては真実は闇の中である。だがどう考えてもオウム真理教=犯人説には無
理があるように思える。それでは真犯人はいったい誰だったのであろうか。

 真夜中に何故か都合よく開いていたドアの鍵、そして3人の来客の謎。オカルトに
精通している者にはすぐ分かる。フリーメーソン神話において、ソロモンの神殿の建
築者である親方メ-ソンのヒラム.アビフを殺害した、3人の卑しむべき職人メ-ソン、
ユベラ.ユベロ.ユベラムが登場したのだ。

 フリーメーソンとは自由(フリ-)な石工(メ-ソン)という意味である。フリー
メーソン側がいくら否定しようと、フリーメーソンはれっきとした秘密結社である。
秘密の儀式を有している、秘密の教えを有しているから秘密結社であるというのでは
ない。仏教の教義の中にも、ステ-ジの高い修行者にしか明かされないタントラ.ヴァ
ジラヤ-ナという秘密の教えが存在している。何故秘密にされているのかというと、
精神性の低い修行者にとっては危険な教えであるし、世間にその秘密が漏れると誤解
を招く恐れがあるからである。
 だからといって、我々は仏教教団を秘密結社であるとは言わないだろう。仏教修行
の目的は、解脱や悟りにあることは自明のことだからだ。筆者がここで秘密結社とい
うのは、その達成されるべき目標およびそのための手段方法を部外者に知らせない組
織のことである。すなわち陰謀を働く結社であるということだ。
 従って共産党のような革命組織は例えそれが地下組織であったとしても、秘密結社
とは呼ばない。何故ならマルクスも言うように、「共産主義者は、自分の見解や意図
を秘密にすることを軽蔑する」(共産党宣言)からである。しかしもし革命の本当の
目的が共産主義社会の建設ではなくユダヤのキリスト教破壊と国家経済の独占にある
としたら、もし共産党を背後から操る陰謀組織が存在しているとするなら、その組織
は秘密結社であると言っていい。それでは、秘密結社フリーメーソンの真の目標とは
何なのだろうか。
 フリーメーソンの目標は世界支配、そのための手段はオカルトである。このオカル
トには儀式殺人も含まれている。しかしフリーメーソン結社員は、フリーメーソンは
ロ-タリ-クラブのような単なる社交団体であるとぬけぬけと言う。結社の目的は外
部の人間には秘密にされている。だからフリーメーソンは秘密結社であると言えるの
である。

 フリーメーソンの起源に関しては様々な説がある。しかしここでは、アメリカのオ
カルト研究家、ジェイムズ.シェルビ-.ダウナ-ドの説を御紹介しよう。ダウナ-ド
によると、中世の石工組合(スト-ン.メ-ソン)はその起源をロ-マ人設立の大学(ロ
-マ.カレッジ)に辿ることができるという。
 フリーメーソンの起源は高位神官と同じように神秘に満ちている。彼らは神聖な秩
序のもとに神聖な建物をつくっていたので、物理空間における測量、数、面積を特別
に重要視した。それはロ-マ神話の農耕の神、クロノス-サタンがこの建築の世界を
支配しているとされたからだ。フリーメーソンは神を「宇宙の偉大な建築者」と呼ん
でいる。
 ゴシック大聖堂の発展の歴史を考察すれば、フリーメーソンが堕落して行った過程
を伺い知ることができる。もちろん当初は、メ-ソンも信心深く宗教的な男の集団で
あった。その仕事は、真実と美の調和を石工において実現することにあった。しかし
これは長続きせず、腐敗はたちどころに始まったのだ。
 大聖堂の聖母マリアの彫像を調べてみれば、このことがよく分かる。最初は聖母マ
リアは、全ての女性にとっての理想像である清純な処女として描かれていた。しかし
その後すぐに彼女の姿は、偉大だが自然な美を持つ、実在の母親の肖像へと変化して
行った。信心深い者は新しく出現した彼女の人間性の面を賛美するかも知れないが、
そうすることで同時に彼らは、別世界に存在するような彼女の神聖さというものを犠
牲にしてしまったのである。
 次ぎなる段階は、彼女が「大地母神」へと変えられた時に起こった。メ-ソン好み
の豊穣の女神へと変化したのだ。最後の段階は13世紀と14世紀に、彼女の姿が余
りにも人間臭く成り過ぎた時に起きた。アミアン大聖堂の南入口のマリアの姿は、実
際のところ浮気女や今にも浮気をしそうな女へと堕落してしまっている。これは正に
ゴシック建築におけるメ-ソンの影響力を表しているのである。
 石工組合はこれらの秘密の唯一の保持者なのだ。この聖母マリアの変身の過程は、
いつの日か現実の女性へと適用されるだろう。いやもう現実にそうなっている。馬鹿
な浮気女の大量発生、筆者が改め て指摘するまでもない。
 スト-ン.メ-ソンは神秘的な労働組合として、当時の労働者に対してある種の支配
権を持っていた。そしてフリーメーソン友愛組合と親密な関係を築いていた。余りに
も親密であったので両者を区別することは事実上難しく、また両者は一体となって発
展した。両者の結合は、ヨ-ロッパにおいて騎士道が廃れた時に起きた。現代のメ-
ソンは、彼らの祖先は騎士道精神を体現していたと言うが、これは嘘である。スト-
ン.メ-ソンのまったき崩壊は14世紀に始まっている。

 「騎士道の衰退は14世紀になって起こった。都市のマネ-.パワ-が古き農耕社会
の秩序と宮廷の伝統を破壊し、ドンキホ-テ(滑稽なもの-筆者注)へと堕落させて
しまったのだ」(-ゴシック彫刻)

 ドイツの友愛組合のメンバ-は、「シュタインメッツェン」と名乗った。グランド.
ロッジはシュトラスブルク、ウィ-ン、ケルン、チュ-リッヒに設立された。145
9年にグランド.ロッジが設立されると同時に、シュトラスブルクの大聖堂の親方がド
イツのメ-ソンのグランド.マスタ-になることが決められた。
 シュタインメッツェン(スト-ン.メ-ソン)とフリーメーソンの一般的な違いは、
少なくとも18世紀の初めまではシュタインメッツェンは「実践的」メ-ソンと考え
られていたのに対し、フリーメーソンは「思弁的」と考えられた点にある。「実践的」
メ-ソンは実際に実在の石を扱うのに対し、「思弁的」メ-ソンは組織的な目的のた
めに象徴的儀式的な対象として石を用いるのである。最終的には、シュタインメッツ
ェンは完全にフリー(思弁的)メ-ソンへと溶け込んでしまった。
 石垣が単なる象徴に過ぎなくなった時、それは秘密と沈黙を表すものへと変化した
のである。

 ダウナ-ドが明察したように、フリーメーソンの世界支配の陰謀は14世紀に始ま
る。この時キリスト教精神が破壊されて、マネ-.パワ-がそれに取って代わるのだ。
 この14世紀の初めには、世界史的に重要な事件が起こっている。テンプル騎士団
の大弾圧である。1314年3月18日夜、テンプル騎士団の最後の総長であったジ
ャック.ド.モレ-は火あぶりにされて処刑された。筆者はテンプル騎士団が世界的陰
謀の総元締めであったと考えている。ではテンプル騎士団とはいったい何者なのであ
ろうか。
 1118年-第1次十字軍がイスラムを破り、アンチオキアとエルサレムを占領し
て、ゴドフロア.ド.ブイヨンをエルサレムの王に据えてから19年後-、ユグ.ド.パ
ヤンとゴドフロア.ド.サントメが率いる9人のフランス人騎士の一隊が、聖墓への巡
礼者を守るため修道会を結成した。
 時のエルサレム国王は、この修道会に対しソロモン神殿の広場に面した用地を与え
たので、以来テンプル騎士団の名で呼ばれる。
 清貧を旨としたテンプル騎士団も莫大な寄付を集めた結果、12世紀末には裕福で
強力な団体になっていた。時のフランス国王、フィリップ端麗王はテンプル騎士団の
財産に目が眩み、それを横取りしようと陰謀を企んだ。
 1307年10月13日、フィリップ端麗王は異端の罪でフランス国内のテンプル
騎士団全員を逮捕させた。ジャック.ド.モレ-をはじめとする多数の騎士は、キリス
トの否定や十字架に唾を吐きかけたこと、偶像つまり髭の生えた頭を見せられこれを
拝むように命じられたことを告白した。
 しかしこれらの告白は拷問により強要されたものだった。フランスでは告白を撤回
した54人の騎士が1310年5月12日、異教徒に戻ったとして火あぶりにされた。
4年後の1314年3月18日、ジャック.ド.モレ-も同じ運命を迎えた。
 テンプル騎士団はイスラムの暗殺教団「アサシン」と同盟を結んでいたと言われて
いる。アサシン(暗殺)という言葉は、この教団に由来する。組織の上級者は若者を
ハシシで酔わせて様々な快楽を味わせる。自分は天国にいたと錯覚した新団員は、組
織の命令を実行すれば、永遠の喜びで報いられると信じ込む。こうして彼は殺人に命
をかけるようになるのだ。アサシンは基本教義としてはイスラムへの忠節を公言して
いたが、少数の者にしか明かされない秘密の教義を持っていた。その究極の目的は宗
教の外套をまとった少数者による支配であり、その手段は反対する者の皆殺しであっ
た。アサシンの狂信を通じて機能する組織的殺人システムが西洋に輸入されて、ヨ-
ロッパの秘密結社のモデルとなったのだ。アサシンは「東方のフリーメーソン」とも
呼ばれている。

 以上はテンプル騎士団弾圧に関する「通説」である。だが、陰謀家どもの主張する
テンプル騎士団無罪説、フィリップ悪玉論は真実ではない。彼らは、騎士たちの告白
は拷問の結果なされたものだから真実とは異なる、という。しかし全ての告白が拷問
の結果なされたわけではない。パリの教皇会議の審問では、多数の騎士が教皇を前に
その陳述を確認したのだが、ここではいかなる拷問も行われなかった。
 また、テンプル騎士団の財産はフィリップ端麗王に接収されたわけではなく、王自
らの手でエルサレムの聖ヨハネ騎士団に与えられているという事実がある。
 テンプル騎士団異端説にはやはり根拠があったのである。彼らはバフォメと呼ばれ
る髭面の両性具有の悪魔を崇拝し、セックス.マジックや首切り儀式に熱中していた。
胴体から切り話された喋る生首、これが彼らの本来の崇拝の対象である。おとぎ話で
はない。猿の首のすげ替え実験はすでに成功しているのだ。そのうち人間の首のすげ
替えも行われるようになるだろう。テンプル騎士団とその後継者が目指している伝説
的な目標は、髭面の男の頭を肉感的な女性の胴体に移植することである。その時こそ、
テンプル騎士団が崇拝した両性具有の悪魔.バフォメが地上を徘徊することになるのだ。
 バフォメは単なる空想の産物などではない。この世に現実に存在している。加え煙
草で下品な言葉を吐き、男のような恰好で街中を闊歩している、それでいて胸とけつ
だけは張り出している。こんな生き物を昔はおとこ女と呼んだものだ。筆者はバフォ
メと呼んでいる。近年、男と女の性差がなくなりつつある。人類が中性化しつつある
のだ。男と女は対照的であるからこそ互いに引き合うのである。男女の対照性が消滅
してしまえば、陽と陰の両極性が生み出すダイナミズム、生命力といったものも自然
に消滅してしまう。自然の生命システムが破壊され、残されるものはクロ-ン人間の
ようなロボット人間だけになってしまう。昔ながらの豊かな自然風景は消滅し、無機
的な死の街だけが後に残され る。その死の街を徘徊するロボット人間の群れ、これが
陰謀家どもの究極の目標なのだ。

 我々の生命力を破壊するエイリアン集団、テンプル騎士団こそ、西欧キリスト教文
明にとっての疫病神であったのだ。彼らは最初に登場した国際銀行家のひな型であり、
教会が高利貸しに対する態度を転換させるのに大いに貢献した。どのような中世の組
織も、テンプル騎士団ほどに資本主義の台頭に力を貸したことはなかった。
 彼らは金融業務に関して優れた手腕を発揮した。これは中東のアレキサンドリアの
ユダヤ人から学んだ可能性が高い。かくしてテンプル騎士団はユダヤ人を除いては唯
一の資本家集団となったのだ。
 筆者は、テンプル騎士団は魔術結社と同様に二重の組織だったのではないかと思っ
ている。つまり、一部の者は騎士団の秘密の教義を授けられたが、大多数は始めから
終わりまで何も知らされなかった。裏切る恐れがないと高位者が判断した者にだけ、
口づてで秘密が明かされたのだ。テンプル騎士団には顕教と密教があり、表と裏の両
面を持っていたのだ。テンプル騎士団の総長は表の長であり、その代理セネシャルは
裏の長ではないかといわれている。テンプル騎士団の印璽も一匹の馬に二名の騎士が
乗るという奇妙な図案である。これはテンプル騎士団が二重の組織であることを象徴
していると考えられる。騎士団は東方正教の信仰を持つと外部には完璧に見せかけた。
分団長だけが行き先を知っており、残りの団員は疑問も持たずついていくだけだった。
テンプル騎士団はれっきとした秘密結社であったのだ。

 そしてこのテンプル騎士団とフリーメーソンが合体しているのだ。フリーメーソン
の「親方」の参入儀礼がテンプル騎士団システムへと変えられた時、ジャック.ド.モ
レ-はヒラム.アビフに取って代わり、3人の暗殺者はテンプル騎士団の内部告発者、
フランスのベジエのスキャン.ド.フレキシアン、フィレンツェのノッフォディそして
正体不明の第3者に置き換えられた。しかしこの第3の男に関しては記録が残ってい
ないので、でっち上げの可能性が高い。フリーメーソン伝説の3人の暗殺者と整合性
を持たせるためである。3人の暗殺者とは、フリーメーソン伝説においてソロモンの
神殿の建築者ヒラム.アビフを殺害した3人の卑しむべき職人、ユベラ.ユベロ.ユベラ
ムのことである。

 テンプル騎士団とフリーメーソンの繋がりは、フリーメーソン側も公認の事実であ
る。フランスでのテンプル騎士団裁判中、ピエ-ル.ドモンと7人の騎士はメ-ソン職
人の手引きでスコットランドに逃亡し、マル島に上陸したといわれる。1307年の
聖ヨハネの日(6月24日)に、彼らは最初の憲章を発表した。その後、スコットラ
ンド王ロバ-ト.ブル-スに保護された彼らは、7年後の1314年(ジャック.ド.モ
レ-が火あぶりにされた年-筆者注)の夏至.聖ヨハネの日(6月24日)に、スコッ
トランド軍に加わって、騎士団を弾圧したイングランド王エドワ-ド2世とバノック
バ-ンで戦った。

 エドワ-ドは強力な騎兵をふくむ、2万にのぼる大軍をみずからひきいてスコット
ランドに侵入した。あと一日でスタ-リング城(イングランドの保持するスコットラ
ンド内の最後の重要な砦-筆者注)に達するという6月24日早朝、スタ-リング南
部のバノックバ-ン(フォ-ス川の支流)に駒をとめていたイングランド軍は、兵力
が3分の1に満たないロバ-ト軍に急襲された。沼地にはばまれたイングランド軍は
戦闘がままならず、フォ-ス川で溺死した者は数知れなかった。捕虜になったイング
ランド貴族の数も多く、その身代金支払いのせいで「スコットランドは一日にして裕
福となった」と、巷間うわさされたのである(『イギリス史1』山川出版)

 バノックバ-ンでの決定的な勝利の後、1314年6月24日に、ロバ-ト1世(ロ
バ-ト.ブル-ス)は聖アンデレ.あざみ勲位を制定した。この聖アンデレ.あざみ勲位
の象徴は、ヘレダム(ヒアダム)儀式とテンプル騎士団に関係している。
 聖アンデレの祝日の11月30日は、スコットランドのグランド.ロッジの聖餐式の
日であり、聖アンデレ.あざみ騎士は、フランスのメトロポリタン.チャ-タ-(スコ
テッシュ.ライト.メ-ソン)の位階である。また、グランド.スコテッシュ.聖アンデ
レ騎士はテンプル位階である。テンプル騎士団とフリーメーソンの密接な繋がりが御
理解頂けたと思う。

 ところで、オカルトの歴史にとって何より重要な世界史的転回点はルネサンスであ
ると言われている。そのルネサンスと十字軍とは密接な関係がある。
 十字軍の結果、北イタリアの諸都市は東方貿易で栄えた。東方貿易によって、ギリ
シア.ロ-マの古典文化を保持していたイスラムとビザンチンから、古典古代の学問が
流入した。1453年にビザンチン帝国がオスマン=トルコに攻撃されて滅亡すると、
ビザンチンの学者がイタリアに亡命してきたので、古典研究が盛んになった。この古
典の文献研究がルネサンスの口火を切ったのだ。
 ルネサンスはフィレンツェで最も早くしかもはなやかに展開した。ルネサンスの巨
人で『神曲』の作者、ダンテはオカルトの秘密結社員で錬金術や占星術に長ずるカバ
ラ主義者であったことがよく知られている。彼が入団していたのは、テンプル騎士団
系のフエデ.サンタである。イタリア.ルネサンスのオカルト哲学者、マルシリオ.フィ
チ-ノ(1433-99)はフィレンツェのコジモ.デ.メディチ一族の中で育った。
フィチ-ノはヘルメス文書のギリシア語写本をラテン語に翻訳した。
 ヘルメス文書の著者とされるヘルメス・トリスメギストスは、エジプトの神トトと
ギリシアの神ヘルメスを融合した神話的人物で、その名は「3重に偉大なるヘルメス」
を意味する。紀元前3世紀から後1世紀頃に書かれた同文書は、西洋の神秘思想と魔
術の発展に大きな影響を与えた。
 ヘルメス文書の中で特に重要視されるのは「エメラルド碑板」である。これはフェ
ニキア文字の刻み込まれたエメラルド製の碑板で、アブラハム(あるいはアレクサン
ダ-大王)の妻サラによって洞窟の墓場の中から発見された。エメラルド碑板はヘル
メス.トリスメギストスの死体の指でしっかりと握られていたという。
 魔術上の目的で特に重要な箇所は、エメラルド碑板のラテン語版の冒頭の一文であ
る。「上におけるごとく、下もしかり、下のごとく上もしかり、唯一なるもの驚異を
達せんがため」これは占星術と錬金術の基礎となる原理で、人類と地上の小宇宙(ミ
クロコスモス)と、神と天上の大宇宙(マクロコ スモス)が照応関係にあることを示
している。
 フィチ-ノの極めて優秀な弟子、ジョバンニ.ピコ.デラ.ミランドラ(1463-9
4)はカバラをグノ-シス主義、ヘルメス主義、新プラトン主義と同化させた。ピコ
は、カバラはキリスト教の真理を確定することができる、と信じたのだ。このカバラ
とはユダヤ神秘主義のことである。
 1492年にスペインからユダヤ教徒が追放されると、彼らの多くはイタリアに行
き、そこでヘブライ語に対する新しい関心と、ユダヤ教の神秘主義的伝統すなわちカ
バラに対する熱意とを広めた。ピコの教師がスペインのユダヤ教徒であったことは疑
いない。その中で主だったのは、ピコにカバラ的な写本を提供したフラヴィウス.ミト
リダ-テスという謎の人物だった。

 さて、ルネサンスとカバラ魔術の関係が分かると、ルネサンスに対する我々の評価
も自ずから変わって来ざるを得ない。
 古典文化の復興、人文主義(ヒュ-マニズム)、美術の開花、真理や美の追求、キ
リスト教と封建制度にしばられた中世世界からの脱却。一般的には、ルネサンスは無
条件で称賛されている。ルネサンスを批判すると、野蛮人のように思われてしまうの
が落ちだ。しかし筆者に言わせると、ルネサンスの本質、それはずばり「魔術の復活」
なのである。魔術結社はルネサンスを隠れ蓑にして、悪魔的陰謀を企んだのだ。
 ルネサンスの表看板は自由の賛美である。自由の何処が悪い、人はこう反論するに
違いない。言論の自由、表現の自由、報道の自由、好きなことを空想する自由、好き
なことをする自由(法律に触れない限り、あるいは法律に違反しても捕まらない限り
において)、自由はすばらしい。それはその通りだ。権力者に個人の自由を縛られる
のは、誰でも御免被りたいはずだ。ヒトラ-、ムッソリ-ニ、スタ-リン。ロ-マ教
皇、ラスト.エンペラ-、天皇ヒロヒト。専制主義の悪玉には事欠かない。しかし本質
的には彼らの存在は危険な物ではないのだ。その暴力性があまりにもあからさまで、
我々はそれに対して身構えることができるからだ。
 しかし、自由、平等、友愛を隠れ蓑にしたファシスト的な階級組織であるフリーメー
ソンに対しては、我々は完全に無防備だ。自由幻想に酔い、影で邪悪な陰謀が進行し
ていることに気付かない。一例をあげると、選挙がある。ファシズム体制下では自由
な投票はありえない。デモクラシ-社会では自由で公正な選挙が保証されている。す
ばらしい。だが実は、大衆は選挙が公正に行われていると錯覚しているに過ぎないの
だ。得票数などは、裏で完璧に操作されていることに気付かない。一抹の疑いを抱く
ことすらしないのだ。
 疑いを知らぬ大衆の心理操作、これこそリアル.ポリティックス、真実の政治力学な
のである。その手段は物理的暴力ではなく、詐欺やペテンである。腕力ではなく頭の
勝負なのだ。この時代の悪魔との決戦場は物理的次元にはなく、霊的.精神的な次元に
あるのだ。目に見える暴力と目に見えない暴力、どちらがより危険かお分かり頂けた
と思う。

 ルネサンスの魔術師の話を続けよう。黒魔術師の評判の高い、ハインリクス.コルネ
リウス.アグリッパ(1486-1535)は『オカルト哲学について』の著者である。
『オカルト哲学について』はフィチ-ノのヘルメス主義的魔術とピコのカバラ主義的
魔術を結びつけた集大成である。アグリッパはまたヨハネス.ロイヒリン(1455-
1522)のキリスト教カバラにも影響されている。
 アグリッパは宇宙を3つの世界、つまり元素世界、天空世界、叡智世界に分けてい
る。彼は「魂の戦車(乗り物)」として、ランタンから漏れる光のように肉体を離れ、
あらゆる時空を理解し、不思議な領域を探索し、天球層と精神的階梯を通って原型あ
るいは神へとのぼりつめるための、星気体の能力についても言及している。アグリッ
パは、肉体からの星気体(アストラル体)の分離、すなわちアストラル.トリップにつ
いて述べているのである。
 このアグリッパに影響されたのが、エリザベス朝イングランドの高名な哲学者、数
学者、占星術師、魔術師、スパイであったジョン.ディ-(1527-1608)であ
る。アグリッパのように、ディ-は宇宙は自然界、天空界、超天空界に分かれている
と考える。

 アメリカの歴史修正論者であるマイケル.A.ホフマン二世によると、ジョン.ディ-
は近代フリーメーソンの初代グランド.マスタ-であったという。公の歴史では、近代
フリーメーソンは1717年6月24日、聖ヨハネの祝日に、ロンドンにある4つの
ロッジが合同して創立されたことになっている。しかしこれはフリーメーソンが歴史
の暗闇の中から彷彿とその姿を現し、公然とエリ-ト階級をリクル-トし始めた時期
であって、そのずっと以前からフリーメーソンが存在していたことはすでに述べた。
 筆者はホフマンの「ジョン.ディ-=近代フリーメーソンの初代グランド.マスタ-
説」を採らない。しかし、ディ-がイギリス史に果たした役割は非常に大きいと考え
ている。そこでジョン.ディ-について簡単に触れておきたい。

 ディ-は1527年にロンドンの近くに生まれた。「妖術師」の悪名の高かったデ
ィ-は、1553年、カトリック女王メアリのホロスコ-プを作成して、女王の薄命
を予言した。この予言が当局の忌憚に触れて叛逆罪に問われ、ディ-はハンプトン.コ
-トに投獄されてしまった。ディ-の予言どおり、メアリ女王は短命だった。
 1555年、メアリ女王の跡を継いだエリザベス女王は、早くから、ディ-の占っ
たホロスコ-プで王位につくべき運勢を保証されていた。女王になったエリザベスは
ただちにディ-を牢獄から釈放して、王室数学官に任命し、彼女の載冠式の日取りを
占わせた。載冠式はディ-の指定する1559年1月14日めでたく行われた。
 ディ-は協力者のエドワ-ド.ケリ-と共に、降霊術で天使を呼び出したと噂されて
いる。魔術師であり優れた数学者でもあったディ-は、『ユ-クリッド』のヘンリ-.
ビリングズリ-の英訳に寄せた序文にこう書いている。「数により、知られうるもの
すべての探究と理解への道が得られる」
 ここには科学と官僚性の基礎となる概念が表明されている。これは西洋哲学におけ
る重大なパラダイム.シフトであった。
 1583年にジョン.ディ-とエドワ-ド.ケリ-はイギリスを後にして、大陸旅行
に出発した。大陸で過ごした歳月の間、ディ-はある種の伝道活動をし、そのことで
ポ-ランドのクラコウそしてプラハへ行った。プラハにいた時にデ ィ-はラビ.レ-ヴ
と接触した。
 ボヘミアのプラハはカバラの一大中心地であり、一人の極めて注目すべき魔術師、
ラビ.レ-ヴが16世紀後半のプラハで有名であった。彼はオカルト主義者の皇帝ルド
ルフ2世と記念すべき会見を行ない、その際皇帝は実際にこのユダヤ人に精神的助言
を求めている。ユダヤの伝説では、レ-ヴは異教徒抹殺の人造人間「ゴ-レム」の創
造者であるとされている。
 エリザベス女王の密命を帯びたディ-はこのプラハで、ラビ.レ-ヴと重大な契約を
結んだのだ。その契約とは、イギリスの発展のために国際ユダヤの隠れた支援を取り
付けることであった。そのお蔭で、これまではちっぽけな島国に過ぎなかったイギリ
スが文字通りの大帝国にのし上ることができたのだ。
 契約の見返りは、ユダヤ人のイギリスへの再入国であった。1290年にエドワ-
ド1世(バノックバ-ンでスコットランド軍と戦ったエドワ-ド2世の父王)はイギ
リスからユダヤ人をすべて追放していた。ただし隠れユダヤ(キリスト教への改宗者)
は別である。その後ユダヤは、エリザベス1世の治世にこっそりとイギリスに再入国
することができた。ユダヤ人が公然とイギリスに帰還したのは、クロムウェルの時代
になってからであった。
 イギリスへの再入国という見返りを約束されて、ユダヤはディ-に協力して大英帝
国の基礎を築いた。そして西洋を支配することになるイギリスの秘密結社の育成をは
かったのである。
 密命を無事に終えた後、ディ-は女王の腹心サ-.フランシス.ウオルシンガムに宛
てて秘密報告を出している。彼は数学者らしく、名前の代わりに数字でサインをした。
「007」と。オカルトによる世界の宗教改革、それがディ-の目指したものであっ
た。魔術師ジョン.ディ-こそ、世界史に大きな影響を与えた大英帝国の企画者、女王
陛下の秘密エ-ジェント、「007」であったのだ。

 大英帝国がオカルト秘密結社の前進基地であったことが分かった。そこで今度は、
過去から未来に目を転じてみよう。オカルト秘密結社の創始者、ジョン.ディ-はイギ
リスで生まれた。そして新約聖書のヨハネの黙示録に描かれた獣、聖書に予言された
反キリストもイギリスに生まれているのである。
 これはあくまで筆者の仮説であるとして聞いて欲しい。その反キリストは「ウィリ
アム」という名前を持っているはずである。ヨハネの黙示録の獣の数字「666」は
いくつかの写本には「616」とある。ウィリアム「William」のWを二つの
Vに分解し、二つのLをIと読む。これを並べ替えると,「I Am VI I V
I」となる。ロ-マ数字「VI I VI」はアラビア数字で「616」のことであ
る。
 この「ウィリアム」という名前を持つ超有名人がイギリスにいる。チャ-ルズ皇太
子と故ダイアナ妃の長男、未来の英国王ウィリアム王子である。ウィリアム王子が即
位すると、彼はウィリアム5世となる。「William V」を並べ替えると、「I
 AmVI VI VI」となり、ここに獣の数字「666」が出現するのである。
 チャ-ルズ皇太子とダイアナ妃の変態セックス(セックス.マジック)の賜物、ウィ
リアム王子は1982年の夏至の日、6月21日に誕生している。夏至とは、一年で
一番日が長くなる日である(北半球では)。古代密議宗教では太陽は神として崇拝さ
れていた。フリーメーソンのシンボルは左目と太陽である。黒魔術師アレイスタ-.ク
ロウリ-が夢見た「ム-ン.チャイルド(月の子供すなわちダイアナの子供)」である
ウィリアム王子は、未来のイギリスに太陽王として君臨することになるのだ。反キリ
ストとしては申し分のない血統であろう。
 余談になるが、この太陽王ウィリアムの子分とでも言うべき二人の有名人がいる。
ウィリアムの愛称はビル(Bill)である。二人の高名なビル、誰あろう、ビル.ク
リントン合衆国大統領とビル.ゲイツマイクロソフト社会長のことである。

 オカルト秘密結社の歴史をおさらいした所で、話をオウム真理教事件に戻す。坂本
弁護士一家殺害事件で登場した3人の暗殺者は、フリーメーソン神話の3人の卑しむ
べき職人、ユベラ.ユベロ.ユベラムであることが分かった。
 坂本弁護士一家殺害の目的はもちろん、オウム真理教に殺人者の汚名を着せること
にある。フリーメーソンはオウム真理教を潰してしまいたい、しかしそれにはそれな
りの口実がいる。現代日本は民主主義社会である。思想、信仰、結社の自由は保証さ
れている。オウム真理教を武力でもって無理やり解体することはできない。戦前、戦
中の治安維持法みたいなものは適用できないのだ。そんなことをすれば、宗教弾圧で
あると反撃される。殉教者を作りあげること程、恐ろしいものはない。宗教とは、迫
害をばねにして教勢を拡大するものだからだ。
 しかし宗教団体が卑劣な殺人を犯した、となると話は別だ。殺人カルトなど、弾圧
されようが解体されようが誰も文句は言わない。アメリカや日本で、宗教団体による
殺人、詐欺、児童虐待などの犯罪行為や、集団自殺行為が多発するのもそのためであ
る。つまりこれは、でっち上げられた犯罪であり集団自殺なのだ。国家権力とは恐ろ
しいものであり、その支配の手段が国民に隠蔽される時、とてつもなく危険なものと
なる。そしてこの支配の手段こそ、フリーメーソン秘密結社が部外者から隠してきた
「王の技法(ロイヤル.ア-ト)」であり、リアル.ポリティックス(真実の政治力学)
なのである。

松本サリン事件の謎

 まず、図1をご覧頂きたい。これは、松本市地域包括医療協議会が行ったアンケ-
ト調査の結果である。調査対象は、有毒ガス中毒者がでた町内会すべての住民および
その他の計2052名であった。アンケ-トは中毒事故発生から約3週間後の199
4年7月14日から18日の間に行なわれた。

 最初に自覚症状を感じた時刻
 自覚症状を6月27日の20時から21時の間に感じていた者が5名、21時から
22時の間に感じていた者が8名いた(図1)。自覚症状を感じた時間のピ-クは2
3時から24時にかけてであり、全体の30.6%を占めていた。しかし6月28日
の朝(6-8時)にも小さなピ-クがあった。すなわち、自覚症状を感じた時刻は2
峰性という疫学現象を示した。(『松本市有毒ガス中毒調査報告書』より抜粋)

 ところがこの調査結果は、松本サリン事件の検察冒頭陳述と矛盾しているのである。
冒頭陳述にはこうある。

 村井らの乗車する噴霧車等は、平成6年6月27日午後10時30分ころ、前 記鶴
見方駐車場に到着し、噴霧車は、同駐車場の東側のフェンスの側に前部を南側に向け
て駐車し、ワゴン車は、同駐車場の西側寄りに前部を同じく南側に向けて駐車した。..
 そして、村井は、噴霧車の助手席で遠隔操作でサリン貯留タンクの下についている
エアバブルを開けるとともに、銅製容器の加熱及び有圧換気扇の作動をそれぞれ開始
するため、そのスイッチを入れ、噴霧装置を始動させた。
 すると、同午後10時40分ころから噴霧車の噴霧口から気化したサリンが白煙状
になって噴出し、噴霧車の周りに立ち込め、同駐車場の東側にある池の畔に生えてい
る木立の上などを通って周囲に拡散された。..
 村井は、同所で約10分間サリンの噴霧を続けた後、サリンの残量がなくなったと
判断し、端本に対し、噴霧車を移動するよう指示し、端本が噴霧車を発進させ、同駐
車場の西側道路を北方に向け逃走を始め、これを見た富田もワゴン車を発進させ、噴
霧車に追従して同駐車場から逃走した。

 ここで、検察冒頭陳述の矛盾点を二つ指摘しておく。1.6月27日の20時から
22時の間に自覚症状を感じた人が存在するのに、検察冒
  頭陳述ではサリン噴霧は22時40分から行われたとされている。2.6月28
日の朝6時から8時にも、自覚症状の小さなピ-クがある。言わずもがな、
  6月28日の朝には実行犯はすでに逃走済みである。

 いったい何故、こんな矛盾が生じたのであろうか。これは警察が無理やり、嘘の供
述を松本サリン事件の被告から引き出したからであろう。つまり、オウム真理教=犯
人説には疑問があるということだ。では事件の真実とはどのようなものであったのだ
ろうか。これを推測させる記事が存在する。

 なぜ、供述と時刻のズレがあるのか。国際基督教大学の田坂興亜準教授(分析化学)
が、こういう。
 「これは、8時台に少量のサリンを噴霧車を使わず、別の方法で発生させ、10時
半過ぎに大量のサリンを噴霧した。つまり、2段階行った。同じ日に、別の者が実行
するのは考えられず、同一実行犯が2回実行した可能性がある」
 しかし、別の見方もある。「考えられるのは、攻撃グル-プが2班いたのではない
かということ。最初のグル-プが、午後8時台にサリン以外の、例えばホスゲンなど
を撒いたのではないか。その後、第2段階で噴霧車からサリンによる本攻撃を行った
可能性がある」(捜査関係者)(『週刊現代』1996年5月4日号より)

 この記事には、オウム真理教以外の別の真犯人の存在が暗示されている。閑静な住
宅街に毒ガスをばら撒き、罪のない住民を殺害するような凶悪犯が野放しになってい
るとするなら、それは恐ろしいことである。こんな記事を書き恐怖のオ-ラを振りま
くことが、秘密結社の支配する日本のジャ-ナリズムの役割の一つなのである。

 地下鉄サリン事件の変

 不審物について

 まずは図2を御覧頂きたい。これは地下鉄サリン事件で、地下鉄日比谷線霞ケ関駅
で目撃された毒ガス発生装置である(『東京新聞』95年3月21日朝刊)。本文記
事にはこうある。

 営団地下鉄日比谷線霞ケ関駅ホ-ムで至近距離から不審物を目撃した複数の乗客に
よると、その“兵器”は透明ビニ-ル袋の中に茶色の箱の形をした紙袋があり、ガラ
スかプラスチック製の瓶の口のようなものが二つあった。この口から透明の液体が流
れ出し、包んでいる袋に染み、列車の床に液体が広がっていたという

 あれれ、おかしいぞ。オウム真理教の実行犯が傘で突き刺したというサリン入りの
ナイロン袋とは違うではないか。こう思った人は、催眠術から目を覚ます希望が残さ
れている。これはどう見ても、ナイロン袋と呼べる代物ではない。四角い箱の中に二
つの瓶があって、そこから液体が流れ出している。
 不審物の目撃例はこの他にもまだ沢山ある。

 東京.営団地下鉄の車内で有毒ガスが流出した地下鉄サリン事件で、車内に残されて
いた不審物は、複数の薬品をそれぞれ溶剤に溶かして試験管のようなガラス製容器に
詰め、容器を割って混合させるとサリンが発生する構造だったことが二十二日までの
警視庁捜査本部の調べで分かった。犯行後逃走する時間を稼ぐため、溶剤でサリンが
揮発する時間を調整しようとしたものとみている。
 調べでは、不審物のいくつかは平べったい弁当箱大の包みにおおわれ、内部から割
れたガラス片が多数見つかった。形状から試験管大のガラス容器とみられる。また日
比谷線霞ケ関駅の電車からはガラス瓶を押収した。一方、別の日比谷線の電車では、
異臭がする直前に、乗客がガラスの割れる音を聞いていた。
 現場の残留物からサリン製造の際に出来るメチルホスホン酸ジイソプロピルエステ
ルが検出されており、捜査本部は、複数のガラス容器にサリン合成の最終段階の液体
二種類を溶剤に溶かして別々に入れ、倒すなどして容器を割って混ぜ合わせ、サリン
を発生させたと見ている。(『毎日新聞』95年3月23日朝刊)

 ガラス瓶が押収されたと聞いて驚かれた人も多いと思う。しかし警察は口が裂けて
もそんなことは公言しない。真実が明らかになっては困るからだ。我々一般庶民には、
本当に大切なことは何もあかされないのである。
 このガラス容器が割れる音については、別の証言もある。

 北千住駅から日比谷線に乗り、前から三両目にいた。秋葉原駅で自分の後ろの方で
パリンという音がして、シンナ-のようなにおいがした。(『毎日新聞』95年3月
21日朝刊)

 八丁堀-築地駅間では、網棚におかれていたビンが落ちて割れ、その瞬間に一人が
倒れたという。(『産経新聞』95年3月20日夕刊)

 病院で治療を受けた足立区に住む会社員(32)は、「日比谷線の人形町の手前で
びんの割れる音がした。床が液体でぬれていてシンナ-臭かった。みんなせき込んで
おり、けいれんをおこした人もいた。目の前が真っ暗になった」と話した。(『産経
新聞』95年3月20日夕刊)

 不審物にはガラス容器が含まれていたことは間違いないようだ。犯人がガラス容器
を使ったのは、複数のガラス容器を割ることで中の液体を混合させ、現場で毒ガスを
発生させるためである。これを専門用語で「バイナリ-方式」と呼ぶ。

 東京の地下鉄サリン事件で、犯行に使われたサリン発生源は、踏みつけるなど衝撃
を与えると容器が割れ、数分後にサリンガスが発生する仕組みになっていたことが二
十四日、警視庁特捜本部の調べでわかった。
 これまでの調べでは、包みの中には二つの密閉された容器が入っており、容器を踏
むなど衝撃を与えるとそれぞれの密閉パックに入 った液体の化学物質が混ざって反応
し、サリンが発生する仕組みだった。
 専門家によると、化学防護服などを着けない限り、猛毒のサリンをそのままで持ち
歩くことはできない。このため、犯人グル-プは、サリン生成の最終工程に使われる
毒性の低い化学物質を別々に溶剤に溶かして、二つの容器に分け、毒ガステロの目的
地で混合させ、サリンガスを発生させる方法を使ったとみられる。
 二種類の化学物質を使用する場所で混合するやり方は「バイナリ-方式」と言われ
るが、これだと、サリンガスの発生までしばらく時間がかかり、犯人が電車から降り
る直前に容器を割れば、自分がサリンの被害を受ける危険性は少ない。(『読売新聞』
95年3月24日夕刊)

 一方、佐藤重仁.筑波大臨床医学系助教授(麻酔学)は「自分で容器を開けることは、
自身にも危険だ。サリンの前段階の二種類の液体を別の容器に入れてロケットで打ち
上げ、振動で混じり合わせるという兵器のアイデアを米国が持っていたと聞く。今回
も、電車の振動で液体が混じり合うようにしたこともあり得る」と話している。(『毎
日新聞』95年3月21日朝刊)

 これまでの調べで、一部の電車内にあったサリンの発生源の容器は中が二つに分か
れていたことが分かり、警視庁築地署特捜本部は犯人が現場で化学物質を反応させて
サリンを生成したとの疑いを強めている。目撃証言などによると、発生源となった容
器は、中が二つに分かれていたとみられる。(『日本経済新聞』95年3月27日夕
刊)

 地下鉄サリン殺傷事件で犯行に使われた不審物は、別々の袋に詰めたサリン一歩手
前の物質とアルコ-ルの一種を車内で反応させてサリンを作る“二液混合方式”だっ
た可能性の強いことが、二十七日までの警視庁築地署捜査本部の調べで分かった。
 捜査本部は、犯人が新聞紙に包んだ袋に何らかの方法で穴を開け、二種類の薬物を
流出させて混合、サリン発生前に逃走した疑いがあるとみて目撃情報などから容疑者
の割り出しを急いでいる。
 長野県松本市のサリン事件では、容器は見つかっていないが、白煙が上がるなど、
現場でサリンが発生した形跡があり、捜査当局は同じ方式だった可能性が強いと見て
いる。
 調べによると、地下鉄事件でサリンが発生した五車両のうち、少なくとも二車両の
不審物は、複数のビニ-ル袋を新聞紙で包んであり、袋から液が漏れ出しているのを
乗客が目撃している。

 さらに(1)サリンと一緒に、サリン合成時に副生成物として生じる「メチルホス
ホン酸ジイソプロピル」が検出された(2)二車両で不審物から白煙が出ている(3)
被害が出るまでの時間やサリン発生の規模が各現場で異なっている-などの状況が、
二つの液体を混ぜてサリンを発生させた際の特徴と一致しているとみている。

 専門家によると、サリンの生成方法は何通りかあるが、この方式は、生成の最終段
階で、三塩化リンから作る「メチルホスホン酸系化合物」と「イソプロピルアルコ-
ル」を混ぜ合わせ急激な化学反応を起こす。この際「メチルホスホン酸ジイソプロピ
ル」が発生し、白煙が上がるという。
 被害が出た五本の電車のうち、北千住発の日比谷線では急激にサリンが発生したこ
とを示す白煙が車内に充満、五本の中で最も被害が大きかった。
 中目黒発日比谷線では、男が不審物を置き去ってから約五分後に異常が起きた。こ
れに対し、丸ノ内線の一車両では不審物が見つかってから四十分以上経過してから被
害が出ており、捜査本部は混合スピ-ドの差で被害に違いが出たとみている。(『共
同通信』95年3月27日)

 白煙が出たこと、被害発生までの時間や被害の規模が各車両で異なっていることな
どが、「バイナリ-方式」の特徴と合致しているのだ。隠蔽されたのはガラス容器だ
けではない。事件直後の乗客の目撃証言はさらなる多様性を示している。

 乗客の話では、列車の座席の下に新聞紙に包まれた箱が置いてあったり、ガソリン
容器のようなものが倒れたりしていた。また車内に透明の液体がまかれたという証言
もある。(『朝日新聞』95年3月20日夕刊)

 調べでは、不審物は五本の電車に、それぞれ一つずつ置かれていた。捜査本部が密
閉して保管しているが、二十五日までに中身を確認したところ、三つは弁当箱くらい
の大きさの容器が、二つはビニ-ル袋がそれぞれ新聞紙に包まれていたという。(『朝
日新聞』95年3月26日朝刊)

 日比谷線小伝馬町駅-電車が駅に着いた時、車内に直径、高さとも35センチ位の
筒状の物が二重のビニ-ルに包まれて置いてあった。乗客が「これは危ない」とホ-
ムにけ飛ばした。(『読売新聞』95年3月20日夕刊)

 丸ノ内線池袋駅-午前8時30分ごろ、2両目に乗ったところ、ドア付近に新聞紙
に包まれたものがあった。円柱状で人の頭大だった。(『読売新聞』95年3月20
日夕刊)


 不審物の多くは、二十-四十センチ四方の弁当箱状のもので、中には直径約三十五
センチの筒状のものもあったという。(『読売新聞』95年3月20日夕刊)

 日比谷線-新聞紙かチラシのようなものでくるまれ、ビニ-ルのひもで十文字に結
わえられた縦、横二十センチぐらいの紙袋が床に落ちているのに気付いていた。(『読
売新聞』95年3月21日朝刊)

 これまでのところ車内にあった新聞にくるんだ不審物から液が漏れ出しガスが発生
したという。不審物は二十センチほどの大きさの弁当箱のような金属製の物体。(『毎
日新聞』95年3月20日夕刊)

 日比谷線-男が車内に置いたとみられる不審物は、直径.高さとも三十五センチ程度
の円筒形で、新聞紙やビニ-ルで包まれており、液体はサリンとみられている。(『東
京新聞』95年3月21日朝刊)

 千代田線国会議事堂前駅では、ホ-ムに居合わせた清掃作業員(65)が午前八時
十三分着の代々木上原行き電車の先頭の床に強烈な異臭を放つ、高さ約三十センチ、
幅約十五センチの白いプラスチック製の水筒のようなものを見つけた。布切れの上に
置かれていたので、ホ-ムに持ち出し、警察が押収したという。(『東京新聞』95
年3月20日夕刊)
 車内にはシンナ-のような強い異臭が立ちこめていた。車内を探したところ、床に
落ちていたビンのような容器に入った白いポリ袋からにおいが出ているのを発見。駅
構内の管理室内に運んだ。(『日本経済新聞』95年3月20日夕刊)
"

それを日本側がロシア側に伝えると、当然のことながら、話はこれでおしまいだ、となった。

・そもそも米軍は日本の領土のどこにでも基地を作ることができるとの約束がある。
北方領土が日本に返還されたら、そこに米軍基地を作らないと、あらかじめ約束することはできない。
それを日本側がロシア側に伝えると、当然のことながら、話はこれでおしまいだ、となった。

またしても安倍総理 原爆を「原発」と言ってしまった件

またしても安倍総理
原爆を「原発」と言ってしまった件
2017年8月6日
一昨年の8月6日の広島での記念式典で「原爆」を「原発」と言ってしまい、言い直さないで読み上げた。
今回は、原発と読んで「間違い」に気が付き、間をおいて「原爆」と読み直した。
原稿があるのに、なぜ間違えるのか?

詩織さん事件

<詩織さん事件の加害者・山口強姦魔にけじめを>

 TBSは日本を代表する民放の雄である。国民の電波を活用して、報道事業を手掛ける大事な任務をこなしながら、健全社会のための一翼を担っている。そこでの社員の一大不祥事を、司法に委ねて黙認することは許されない。司法とは別に、組織としてのけじめが求められる。この当然すぎる責任を、まだ果たしていない。隠蔽してやり過ごそうとすれば、それは安倍晋三内閣そのもので、国民は納得しない。いわんやTBS社員の犯罪は、女性の人格・尊厳を奪う重大な性凶悪犯罪である。しかも、官邸の政治力を行使して、事件そのものをもみ消すという、想定もできない重罪である。国民の電波を扱う公正な報道機関として、自らしっかりとしたケジメをつけなければ、国民特に女性は承知しない。

<官邸のもみ消し犯は警察庁NO3へ大出世>

 こともあろうに、山口という強姦魔事件をもみ消した警視庁刑事部長は、警察庁の組織犯罪対策部長から警務審議官へというNO3に昇格して、これがネットで大炎上している。

 犯罪者を助けたワルの官僚が、大出世する安倍―菅官邸を、内外に誇示している。信じがたい愚挙から見えるのは、法治を退けて人治の日本を象徴している。元首相の福田康夫が「安倍は日本を破滅させる」と警告するのも、大いに理由がある。

<東芝医療事故も人治で処理>

 筆者は、詩織さん事件を重視している。TBS強姦魔は、強姦するために薬物を利用して、女性を酩酊させ、ホテルに連れ込んで犯行に及んだ。
 被害者の詩織さんの勇気ある告訴に警視庁高輪署が、裁判所の許可をもらって犯人・山口の逮捕状をとった。ところが、逮捕直前に、菅官房長官秘書官を歴任した茶坊主のような同庁刑事部長の中村が、逮捕寸前に、逮捕状を握りつぶしてしまった。
 過去に自らも席を温めたことのある捜査一課で再捜査させて、不起訴にしてしまった。江戸時代の悪代官そのものである。事情通であれば、安倍―菅ラインによる強姦罪もみ消し事件であると、容易に分析できる。
 詩織さんは、屈せず検察審査会に不服の申し立てをしている。

 筆者が懸念しているのは、息子の医療事故死事件と同じような展開を見せているためだ。法治ではなく、人治の法務検察という悲劇を、詩織さん事件から見てとれるからである。東芝病院医療事故死事件は、反省も謝罪もしない関係者を、やむなく業務上過失致死事件として刑事告訴、捜査一課と大井警察署が受理してくれたものの、1年有余も捜査をたなざらし、その挙句に警視庁の書類送検に対して、東京地検の松本朗検事は不起訴にした。
 圧倒する三井住友傘下の東芝の政治力に軍配を上げた。最後の手段が検察審査会への不服申し立てだったが、被害者遺族の声も聴かずに、たった1回の協議で、検察を擁護する決定を下して幕を閉じた。これが日本の司法の現場である。

 警視庁告訴の場面では、法務大臣秘書官をした検事のアドバイスで、警察官僚OBの政治家の関与の必要性を説得され、やむなく亀井静香代議士にも協力をお願した。彼は何度か刑事部長に「早く捜査を」と懇願してくれたが、結果は無残なものだった。

<検察審査官は検察の下請け機関>

 憲法は「法の下の平等」を明文化しているが、実際は違う。大きなもの、金のある者が勝つようになっている。日本は人治の国である。共謀罪の恐怖を裏付けている。
 詩織さんの事件も、まさにそうである。強姦罪のもみ消しは、もうそれだけで政権は倒れてしまう。欧米の先進国であれば、そうであるが、日本は全く違う。安倍内閣の下では、悪人が勝つ。

 問題の検察審査会は、検察の下請け機関である。11人の無知な市民の集まりである。検事の説明に頷くだけのロボット組織である。
 詩織さん事件の弁護人は、そのことを承知してるからこそ、詩織さんにメディアへの登場を促したものであろう。そこでの、彼女の悲壮すぎる決断を見てとれる。このことを理解できない官邸を含めた右翼人士は、金で雇われているのであろうが、まさにケダモノ族である。河野太郎が、この悲惨な事件を茶化したことが、ネットに出ているが、本当であろうか。事実なら、外相失格である。

<「木更津レイプ殺人事件」と公明党創価学会の究明責任>

 詩織さん事件は、TBSの責任でもある。山口の「組織としてのTBS社員」を信用して、彼女は接触したものであろう。現に、TBSの番組にはいいものもある。以前は、土曜日の夕刻に報道する真相究明番組の人気は高かった。
 筆者が自民党・宏池会を担当していたころ、石原君という有能な派閥記者がいた。彼は最近まで、社長を務めていたはずだ。いまの社長に問題がある。
 「司法の判断を見て」というまやかしのコメントで逃げては、TBSに傷がつく。真相究明は、TBS自ら山口の友人知人を追いかければ、強姦魔の正体は容易に割れる。捜査当局よりも、詳細な情報が手に入るだろう。そのうえで、しかとケジメをつける責任がTBSにある。

 ちなみに「木更津レイプ殺人事件」は、公明党創価学会の末端で、やくざが絡んだ極悪非道な事件である。これも、組織が少し動くだけで、事の真相が判明する。残念ながら、隠蔽してやり過ごそうとしている?
 これは卑怯者のやることである。この事件の対応は、現在の公明党創価学会を印象付けているように見える。
 やくざに脅されて、突発性の大動脈りゅう破裂で即死した美人栄養士は、年齢よりも10歳、15歳も若く見えた。彼女をやくざ経営のデーサービスKに連れ込んだのは、やくざ浜名の手先のホームヘルパー・吉田ふみえである。吉田が全てを知っている。共犯者である。

<レイプ文化返上の時>

 最近、ネットで見て驚いたのだが、創価学会の男子部長が、次々と学会本部の美女を食い物にしていたことが発覚、彼は即刻解任された。当然のケジメであろうが、木更津の事件は、戦争遺児が被害者である。たとえようもない、むごすぎる殺人事件である。公明党創価学会のケジメある対応を求めたい。そうしなければ、殺人やくざ隠蔽の罪を免れないだろう。

 やくざの信仰を否定するものではない。しかし、殺人犯を擁護・隠ぺいすると疑われる対応は、TBSの責任よりも、はるかに重い。被害者もまた、熱心すぎる公明党創価学会員なのだから。

 詩織さん事件も、人権後進国・日本、レイプ文化の日本を暴きだして尽きることがない。日本に、本当の女性運動家が誕生しなければならない時期でもあろう。今日は末広がりの8月8日である。

東京新聞8月8日

 国家戦略特区による獣医学部新設を巡り、二〇一五年六月のワーキンググループ(WG)の議事要旨で伏せられた学校法人「加計(かけ)学園」側の発言に、学園幹部が「愛媛県今治市には当学園の岡山理科大獣医学部を設置したい」との意向をWG委員に伝えるやりとりがあったことが、政府関係者の聞き取り記録や証言で分かった。安倍晋三首相の「(審議過程で)事業主体について提案者の今治市から説明がなかった」という国会答弁との整合性が問われる。 

 首相は国会で、学園の計画を今年一月二十日に初めて知ったと説明しているが、一五年六月の特区提案段階で事実上、今治市と学園が一体で提案していたことが判明。首相の説明責任が求められる。

 内閣府は本紙の取材に、「説明補助者は参加者と扱っておらず、公式な発言と認めていない」と回答し、議事要旨にない加計側の発言を明らかにしなかった。また、ヒアリング内容を首相に報告したかどうかは明確にしなかった。

 公開されている一五年六月五日のWGの議事要旨では、座長の八田達夫・大阪大名誉教授が「獣医学部新設は大学そのものの新設ですか」と質問。愛媛県の担当者が「大学の新設と学部の新設も考えている」と答えている。

 政府関係者によると、同席していた加計学園の相談役も、八田氏の質問に答えていたと明かす。学園系列の岡山理科大の名前を挙げ、「獣医学部設置の相談を受けている。今治市には岡山理科大獣医学部を設置したい」と発言したという。

 国家戦略特区では、提案内容が認められると事業者を公募で選ぶ。この時点で、加計側が事業者に名乗りを挙げていたことは、当初から学園と今治市が一体の提案者だったことを裏付けるものだ。

 政府関係者の記録によると、議事要旨には記載がないが、教員確保の見通しという具体的な開学に関するWG委員と加計側のやりとりがあった。質問した委員の本間正義・西南学院大学教授は「今治市に獣医学部を作るのは加計学園という認識だった。その認識がないのに先生何人集まるのとは聞かない」と明かした。

 別のWG委員が三点質問した場面は、政府関係者の記録によると加計学園側が二点、愛媛県職員が一点について回答しているが、議事要旨では県職員だけが答えている不自然な記載になっている。


竹中さんには誰も逆らえない

平成のハイエナ竹中平蔵が密かに狙っているもの!


 前々から「竹中平蔵」が怪しげな男だと感じていたが、コヤツは平成のハイエナ、守銭奴だ。小泉純一郎をうまく手玉に取って懐に飛び込み、民間人でありながら見事に「大臣」を手にした。

 大学教師の竹中にとって、「大臣経験者」の肩書は絶大で、利権屋の地位をほしいままにした。

 政財界の間を巧みに遊泳する守銭奴「竹中平蔵」の素顔を、権威ある硬派雑誌の「週刊金曜日」が白日の下にさらした。 (敬称略)

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週刊金曜日編集部
「特区の生みの親」竹中平蔵が疑われる原因(佐々木実)

 加計学園問題で脚光を浴びる国家戦略特区は別の問題も抱えている。衆議院の地方創生に関する特別委員会は国家戦略特区法の改正案を可決した5月16日、「附帯決議」として次の文言を盛り込んだ。

 〈民間議員等が私的な利益の実現を図って議論を誘導し、又は利益相反行為に当たる発言を行うことを防止するため、民間企業の役員等を務め又は大量の株式を保有する議員が、会議に付議される事項について直接の利害関係を有するときは、審議及び議決に参加させないことができるものとする〉

 野党議員の念頭にあったのは「国家戦略特区諮問会議」民間議員の竹中平蔵。

 与党内にも懸念の声はあった。

 そもそも国家戦略特区制度を提唱したのは竹中なのだが、「特区の産みの親」が疑われる原因は特区で優遇される企業との深い関係にある。

 特区諮問会議は東京都などで外国人による家事代行を解禁し、参入事業者のひとつにパソナを選定した。

 竹中が取締役会長を務めるパソナグループの子会社だ。

 兵庫県養父市の農業特区では、竹中が社外取締役を務めるオリックスの子会社を選定している。

 附帯決議については雑誌の記者から私も意見を求められたが、不思議なことに、その記者もふくめ関心をもつ人々は「もうひとつの企業」を見落としている。

 竹中と森ビルの関係はずいぶん古い。小渕恵三政権の経済戦略会議の委員となった際、同じく委員だった創業家2代目の森稔の知遇を得た。

 やがて竹中は森ビルの文化事業を担う「アカデミーヒルズ」の理事長に就任する。森稔の名声を高めた六本木ヒルズが完成したとき、竹中は小泉政権の現職閣僚だったが、上棟式に出席している。

 現在はアカデミーヒルズ理事長のほか、森記念財団の理事も務める。

 同財団の理事には森ビルの辻慎吾社長が名を連ねる。

 竹中は同財団の都市戦略研究所の所長も兼務している。

 国家戦略特区制度は「世界一ビジネスのしやすい国際都市づくり」を目的とするので“研究対象”である。

 実は、竹中が民間議員を務める特区諮問会議が扱う最大規模の事業が東京都心の再開発だ。

 特区で手がける都市再開発事業は30あまりあるが、特区諮問会議はそのうち5つのプロジェクトの事業主体として森ビルを選定した。

 森ビルの辻社長は今年2月10日、国家戦略特別区域会議に出席している。司会役は加計学園問題で名前が取り沙汰された藤原豊内閣府審議官(当時)で、森ビルのプロジェクトに関して、着工前の各種行政手続きを大幅に簡素化すること、設備投資減税の措置を講ずることなどを報告。

 辻社長は「この国家戦略特区制度と小池(百合子東京都)知事の都市政策のもと、政官民が一体となって異次元のステージとスピードで世界の人々を引きつけるような都市づくりを進めていかなければならない」と語り、「引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします」と結んだ。

 この日の会議に竹中の姿はなかったが、森ビル社長が謝意を伝えるべき相手が「国家戦略特区産みの親」であることは贅言を要しないだろう。

2017年8月8日火曜日

国有地が異常な安値で取引される。その知恵を国側がつけていた

 森友学園の補助金不正受給問題で、籠池前理事長夫妻が詐欺の疑いで逮捕されてから1週間。ここへきて、事件の“本丸”である不可解な国有地取引について、新たな証拠がボロボロ出てきた。森友学園にタダ同然で土地を譲渡できるよう、国側が道筋をつけて便宜を図ったことを裏付けるものだ。

 森友事件の発端は、評価額9.5億円の国有地が約8億円も値引きされて払い下げられたことにある。その上、国は地中ゴミの撤去費用として1億3000万円を支払っていて、森友学園は実質200万円で手に入れた。籠池夫妻はここに「安倍晋三記念小学校」を建立する予定だったのだ。

 3日の報道ステーションは、森友学園が土地の購入を申し入れてから6日後の去年3月30日に籠池夫妻と当時の弁護士、設計会社、施工会社が打ち合わせた際の「メモ」が見つかったと報じた。

 そこには、「航空局、財務局、彼らのストーリー。調査ではわからなかった内容で瑕疵を見つけていくことで価値を下げていきたい」「9メートルの深さまで何か出てくるという報告をするよう、財務局から森友学園側に言われている」と書かれていた。地中から新たに出たゴミを理由に、国有地が異常な安値で取引される。その知恵を国側がつけていたことをうかがわせる。メモには「国賠請求をしない条件として、評価額を下げる方向を向いている」「航空局も同意」などとも記されていた。

■音声データの生々しいやりとり

「この国有地取引について、通常国会で当時の佐川理財局長は『事前の価格交渉はしていない』と答弁していましたが、それが虚偽答弁だった可能性が高まった。それどころか、森友学園の支払いをほとんどゼロにするための方策を国側が授けていた疑いまである。怪しげな籠池夫妻に対し、国がそこまで便宜を図ったのは、背後に安倍夫妻の存在があるとしか考えられません。『自分や妻が関わっていたら議員も辞める』とタンカを切ってしまった安倍首相は内閣改造で目先を変え、籠池夫妻の逮捕で森友問題にフタをしてしまいたいのでしょうが、そうはいきませんよ」(ジャーナリスト・横田一氏)

 FNNが入手して公開した音声データには、さらに生々しいやりとりが録音されていた。安倍昭恵夫人の名前を出して、土地の大幅値引きを迫る籠池サイドの談判もかなりえげつないのだが、近畿財務局の担当者だった国有財産統括官がこう言っているのだ。

「(籠池)理事長がおっしゃられる『0円に近い』が、どういうふうにお考えになられているのか、売却価格が0円ということなのかなと思うが、私ども、以前からちょっと申し上げているのは、有益費(ゴミの撤去費)の1億3000万円という数字を、国費として払っているので……その分の金額ぐらいは少なくとも、売却価格は出てくる、と。そこは何とかご理解いただきたい」 

 で、実際に売却された金額が約1億3400万円。ゴミ撤去費用にわずか200万円を上乗せしただけだった。これらの会話が録音されたのは昨年5月。国有地の正式な鑑定価格が出る前である。

「これまで財務省は、鑑定価格からゴミの撤去費を差し引いて、売却価格を算出したと説明していましたが、森友学園の支払いを実質ゼロにするために、後からつじつま合わせをしたことは明らかです。それなのに、国会答弁で『記録は廃棄した』と繰り返し、ウソまでついて安倍政権を守り通した佐川理財局長が国税庁長官に出世したことはブラックジョークでしかない。財務省の悲願である消費税10%実現のため、政権に恩を売っておこうと考えたのかもしれませんが、首相夫妻に近い人に税金を使った利益供与が行われていた疑念が深まる中、公平性を歪めた組織の当事者が、税を徴収する組織のトップに就けば、税の公平性を担保出来ません。どのツラ下げて納税をお願いするのかという話で、国民をバカにしているとしか思えません」(横田一氏=前出)

 佐川国税庁長官が着任して1カ月以上。慣例の就任会見はまだ開かれていない。やましいことがないのなら、堂々と公の場に出てきたらどうなのか。

 いつまでも、そうやって逃げ回るつもりかもしれないが、フザけた人事に納税者は怒り心頭だ。すでに、佐川国税庁長官の罷免を求める署名活動が全国で始まっている。主体である「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐聰東大名誉教授は「税金の元締がモラルハザードの張本人となっている」と厳しく批判していた。

 政治学者の五十嵐仁氏もこう言う。

「財務省は書類を廃棄しても許されるのに、納税者に厳しくあたれるのか。国税庁には抗議の電話が殺到しているというし、現場の徴税官もやりづらくて困っているはずです。国民より政権の方を向いて仕事をしている官僚が出世するようでは、税の公平性だけでなく、行政全体の公平性を疑わせる。真面目に働いて納税するのもバカらしくなります。これでは、行政全体への不信感を増幅する人事を認めた側にも問題がある。結局、安倍政権はまったく反省などしていないし、国民をナメきっていることの表れです」

■組織ぐるみで国民を欺いた

 政治家や官僚の国会答弁で「記憶にない」は常套手段だが、そこには、さすがに国会で嘘をつくことはできないという敬意なり矜持が多少はあったはずだ。ところが、この政権では、みんな平気で嘘をつく。国会冒涜の代表格といえるのが佐川氏で、「データは自動的に消える」とまで言い切った。

 そういう人物の長官昇進を「国会で丁寧な説明に努めてきた」「国税庁次長なども務めており適材だ」と是認したのが麻生財務相である。麻生自身も、森友学園への国有地売却は「適正な手続き、価格で処理処分された」と答弁していたが、新たな音声データのやりとりが財務省の説明と食い違うことを問われると、こう言い放った。

「取材が正しいか、我々の答弁が正しいか。取材の方が正しいと思ったことはありません」 

「籠池さんは逮捕されたんでしょ。逮捕された人に話を聞いて、こちらがどうのこうの言うことはありません」

 これだけ決定的な証拠が出てきても、知らぬ存ぜぬの鉄面皮である。音声データは怪文書ならぬ「怪音声」扱いか。大臣以下、組織ぐるみで国民を欺く財務省。こんな背任組織は国民にとって害悪でしかない。大臣から幹部まで総退陣が必要ではないか。

「安倍政権の国家私物化によって、この国のガバナンスが破壊されてしまった。国民から信頼されなければ、国家は成り立ちません。それでいいのか、そういう政権の存在を許すのか。森友問題は、単に国有地売却の疑惑というだけでなく、安倍政権にも、有権者にも多くの問題を突き付けている。新たに出てきた証拠を無視し、籠池夫妻の逮捕で幕引きでは、国民の怒りは収まりません。政権への不信感は消えず、内閣不支持が増え続ける。隠蔽工作は政権のクビを絞めるだけです」

2017年8月7日月曜日

またしても安倍首相が「原爆」を「原発」と言ってしまい、「原爆」と読み直した。 原稿があるのに、なぜ間違えるのか?

またしても安倍首相が「原爆」を「原発」と言ってしまい、「原爆」と読み直した。 原稿があるのに、なぜ間違えるのか?

「役所の答弁書を朗読する」と語る新大臣

3日の内閣改造で就任した江崎鉄磨・沖縄北方相(衆院愛知10区)が5日、地元・愛知県一宮市で、今後の国会答弁で立ち往生するのを避けるためとして「役所の答弁書を朗読する」などと記者団に語った。

2017年8月6日日曜日

2017年8月4日金曜日

合格後、引き続き受験勉強を続け、一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能

杉尾秀哉参院議員が「iPS細胞という国家戦略につながる提案をしている京都が劣っていて、今治が優れている理由は何か」と質問すると、内閣府の塩見英之参事官からは驚きの答え。

「昨年12月22日の段階で『1校に限る』となり、どちらかを選ぶ必要性が生じた。年末年始にかけて、早期実現性の観点から提案書を比較し、今治市で公募することに決めた」

 中身よりも早期実現性が決め手とは、何たる国家戦略だ。しかも、今治市の公開資料によると、内閣府は今治市とだけ「平成30年4月開学」というスケジュールを共有。だから、選定前から予定地のボーリング調査に踏み切れたわけで、スピード重視なら今治市に決まるのも当然だ。

 こんなデキレースだから、加計学園は獣医学部の学生募集パンフレットに<合格後、引き続き受験勉強を続け、一般入試でワンランク上の大学、国公立大学にチャレンジすることも可能>と明記。国家戦略を担う大学とは到底思えない。

 山本地方創生相は先月、「今治市と京都府の提案を比較して決定したが、記録は取っていない」とスッとぼけ、きのうの最後の定例会見でも「文書があることと、事の信憑性は直接の関係はない」と開き直った。

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京産大と加計学園の提案書類をテレビで見たが京産大のほうが圧倒的に充実していた。

2017年8月2日水曜日

国家戦略特区諮問会議とその下にあるワーキンググループ(WG)

 加計学園問題で一躍注目を浴びることになった国家戦略特区諮問会議とその下にあるワーキンググループ(WG)。諮問会議の議長は安倍晋三総理だが、民間議員やWG委員には、竹中平蔵氏をはじめ、小泉純一郎内閣の時から自民党政権のブレーンを務めているバリバリの政策通が名前を連ねている。

 加計学園獣医学部の新設が認められた経緯を見ると、疑惑だらけと言っても良い状況だ。加計孝太郎理事長と安倍総理、萩生田光一官房副長官、下村博文元文部科学相、さらには安倍昭恵夫人まで、おなじみ安倍ファミリーとの癒着ぶりは目に余る。さらに、文科省の問題文書を「怪文書」と切り捨てて隠ぺいしようとした事実。安倍総理が閉会中審査から逃げ回る姿。もう、ここまで見せつけられれば、どんなにお人よしでも、「これで何もないなんてありえない!」と考えるだろう。

 世論の勝負は、証拠があるかどうかではない。普通の人がどう思うかで決まる。これまでは、マスコミを抑え込んでいたので、本来なら負けるはずの状況でも、何とか時間稼ぎをしているうちにうやむやにできたが、今回は、東京新聞の望月衣塑子記者効果で、ついにマスコミ封じもできなくなった。そう考えると、安倍政権側にはほとんど勝ち目はない状況だ。

 一方、こんなに不利な状況なのに、なぜか、諮問会議の民間有識者たちは、わざわざ記者会見までして、自信たっぷりに加計学園の獣医学部新設を認めたことについて、「一点の曇りもない」と胸を張った。賢明な人たちの行動としては、いかにも解せないという印象だ。

 私は、ここに名を連ねる多くの人たちと規制改革や公務員改革などの関係で一緒に仕事をしたことがある。彼らは、一部を除けば、おおむねまじめな仕事師である。ほとんどの人は、私腹を肥やそうとか、政治家に取り入ろうなどという邪心を持つような人ではなかった。

●民間議員の既得権層への敵意

 彼ら民間議員の多くは、長年、政官財の癒着の構造にメスを入れ、既得権と闘ってきた人たちだ。彼らが、こうした既得権層に対して持っている敵意というものは、並大抵ではない。なぜなら、戦いの過程で、例えて言えば、後ろから切りつけられたり、闇討ちにあったりというひどい目にあわされてきたという思いがある。時には個人攻撃されることもあった。

 彼らの目から見ると、とりわけ、文科省はがんじがらめの規制で学校や教育者をしばり、その陰で天下り利権を守る、とんでもない抵抗勢力そのものである。私も長年規制改革に携わっていたが、確かに、文科省は、ルールを作って学校を管理するのが仕事だと考えている面が強く、教育の質を限られた予算の中で向上させるためのイノベーションを生み出すということにほとんど関心がないように見えることも多かった。少なくとも、彼らが正義の味方だという見方ははっきり言って間違っている、ないしは極めて一面的だと思う。

 ただし、諮問会議のメンバーが言うほど、文科省が悪の権化だというのも行き過ぎである。財務省や経済産業省も文科省と全く同様に天下り先確保のために様ざまな規制や予算措置などで行政を歪めている。つまり、どちらも脛に傷を持つ身だということだ。
 しかし、どうして、彼らの間には、こんなにも深い溝があるのだろう。不思議なようにも思えるが、よく考えると、実は、それが当然だということに気づく。なぜなら、彼らは、お互い全く異なる世界に住んでいるからだ。

●民間有識者と文科官僚の主観的な風景は全く異なる

 諮問会議有識者の多くは、経済学者や経産省などの元官僚、あるいは経済界出身者である。したがって、頭の中が、基本的に経済学の原理に支配されている。その基本的考え方は、なるべく規制はなくし、政府が余計な口出しをせず、競争原理で淘汰を進めることで社会が進歩するという筋書きだ。この考えをあらゆる分野に適用しようとする。そして、消費者利益の最大化を考える目線に立つ。これは、一般論で言えば決して間違いではない。
 一方の文科省は、教育は淘汰して勝者を選んでいくものではないという考え方に立つ。すべての子供たちが敗者にならないように支え育てるのが教育だという考え方だ。もちろん、教育の過程で競争というものも取り入れるが、あくまでもそれは、全員が前に進むためのものであって、勝者と敗者を線引きするためのものではないと考える。競争の勝者が教育の成果をより多く受け、敗者はこれをあまり受けられないというのは正義に反すると考えるのだ。教育を受ける者の利益を最大化するという目線が基本だ。

 例えば、諮問会議メンバーが、獣医学部を増やし、獣医を増やして競争を通じてその質を上げ、診療報酬を下げれば、消費者や社会の利益に資すると考えるのに対して、文科省は、獣医になって社会に貢献したいという学生の望みをかなえるためには、競争に負けて獣医になれず、失意の中で泣く泣く他の仕事に就くという学生の数は極力減らすべきだという考え方をする。筆者はこうした考え方には、まだまだ議論の余地があると感じるが、普通に聞いたら、なるほどと納得してしまう人も多いのではないだろうか。

 こうした考え方に立てば、どんどん獣医学部を増やして、あとは競争に任せよという考え方は全くの暴論だということになる。

 つまり、諮問会議メンバーや内閣府(経産省や財務省出向者の影響力が強く、プロパー職員も元経済企画庁の職員が主流なので全体として経済原理派が強い)は競争に任せて自然淘汰を進めて学生や獣医よりも消費者の利益拡大を目的とするのに対して、文科省は予定調和で学生の利益最大化を目的とする、というかなりはっきりした基本哲学の差異が存在するのである。

 したがって、各々が自分の立場が正論、相手の立場は意味不明のたわごとという考えを持つことになっているのだ。

 こう見れば、諮問会議の民間有識者が、自分たちは、競争を否定するとんでもない利権官庁・文科省と闘って、やっとの思いで獣医学部新設を認めさせた正義の味方である、それなのに、何かいかがわしいことをやったかのように言われるのは心外だ、という気持ちになる理屈がわかってくる。

 ちなみに、こうした考え方の他に、有識者や経産省、財務省らの強力官庁の側には、文科省は三流官庁だという根拠のない偏見がある。これは、単に入省時に、財務省や経産省の方が東大生に人気があって、文科省よりも入るのが難しい傾向があるということに基づくものに過ぎない。それから10年、20年経った後、教育行政について、どちらがより正しい答えを出せるのかということを考えると、こうしたランク付けは全く意味はないのだが、財務省や経産省の官僚には、なんでも順位を付けたがる傾向があり、その順位は基本的にテストの成績で決まると考えている人たちが多い。しかも、彼らは予算を握っていたり、官邸への影響力を持っていたりするので、どうしても文科官僚は押され気味になってしまう。その結果、文科官僚自身が、「俺たちは三流官庁だから」などと自嘲気味に話したりすることさえ目にするようになってしまったのである。

●有識者は政権を利用して規制改革を進める人たち

 もう一つ、この問題を理解するために知っておくべきことがある。それは、国家戦略特区諮問会議やWGの一部の民間有識者が、一般の省庁の審議会メンバーとは根本的に異なる行動をするということだ。

 一般の審議会は、役人が仕切っていて、委員は基本的に箔づけのためのお飾りである。審議も役人が主導して進め、報告書も役人が書く。しかし、今回記者会見したメンバーは、自分たちが会議を仕切り、官僚が抵抗しても、政治家を使って逆に切り崩していくということをやる人たちである。

 彼らは、安倍政権に使われているように見えるが、一部の委員たちは、逆に安倍政権を使って改革を進めようとしているのだ。したがって、改革の必要性を声高に叫ぶだけでなく、個別に菅義偉官房長官など官邸や内閣府の幹部にブリーフして、政治的に後押しをさせるというようなことまでする。原英史氏(GW委員。元経産省キャリア官僚で渡辺喜美元行革担当相の補佐官も務めた人物。現在は元財務官僚の高橋洋一氏とともに株式会社政策工房を経営し、政策立案などをビジネスにしている。)は今や菅官房長官の懐刀とまで言われているそうだ。

 安倍総理が、「頭に来たから」どんどん獣医学部を作れと言ってしまったのも、おそらく日ごろ彼らから、直接か間接かは別にして、「文科省はとんでもない役所です。獣医学部や獣医師会の利権と癒着して、寝転がって動かないんです」という話を聞いていたからであろう。安倍総理の頭には、それに対する怒りがベースにあって、「そんな悪玉が『行政を歪めた』などと正義の味方を演じ、とんでもない言いがかりをつけてきた」となり、「だったら、奴らが一番嫌がる全面解禁をしてやるぞ。ざまあ、みろ。思い知ったか!」という反応になってしまったのではないかと思われる。

 安倍総理としては、格好よく大見得を切ったつもりだったのだ。

●有識者の正義感を悪用した安倍政権の利権誘導

 こうしてみると、有識者と文科省のどちらが悪玉でどちらが善玉かというような単純な構造にはなっていないことがお分かりいただけると思う。

 そういう二元論に目が行くと、物事の本質を見失う。

 幸い多くの国民がすでに気づいているとおり、問題は、規制改革の政策論ではなく、加計学園の獣医学部新設が決定する過程での不正な利権誘導である。

 安倍政権は、元々規制改革に熱心ではない。もし、熱心であるなら、最初から獣医学部の新設を全国で解禁するという諮問会議メンバーの議論をサポートすべきなのに、それは最初からやる気がなかった。

 安倍政権は、諮問会議が獣医学部新設の理論武装をしてくれたので、それを使って、党内の抵抗が少なくなるようにと1校に絞り、さらに条件を細工して、加計学園だけに適用させるようにしたのである。つまり、諮問会議有識者メンバーは、安倍政権を使って規制改革を実現しようとしたが、逆にそれを安倍政権によって悪用され、結果として、とんでもない不正な行為のお先棒を担いでしまったわけである。

 ちなみに、先の衆参の閉会中審査では、参考人として、前川喜平前文科事務次官と原英史氏が出席し意見を戦わせたが、これは、実は官邸が仕掛けた罠である。

 これはあたかも、ことの本質が規制改革にかかわる2派の対立であるかのような印象付けをねらった舞台設定になっていた。そして、民間有識者としては、批判されれば、自己弁護をせざるを得ず、きっと文科省批判をしてくれるだろう。そうなれば、文科省の利権構造が、安倍政権の主張ではなく第三者の主張によって浮き彫りになり、文科省の信頼度が下がる。その結果、相対的に安倍政権の言うことの信憑性が増すという計算だ。

 しかし、残念ながら、その目論見は外れたと言ってよいだろう。いくら、その点について話をしても、冒頭の疑問(加計理事長と安倍夫妻、萩生田官房副長官、下村元文科相らの癒着ぶりなど)が消えない限り、安倍政権がおかしなことをしたという強烈な印象は消えないからである。

●安倍政権に騙されたふりをした有識者のしたたかさ

 安倍政権が有識者たちを利用したと書いたが、実は、(これは私の勘だが)有識者たちはそれに気づいていたのではないかと思う。彼らは、安倍政権に騙されるほどお人よしな人たちではないからだ。

 彼らは、そこは気づいていたが、規制改革の実を取るために気づかぬふりをしたのではないだろうか。安倍総理たちが、加計学園のためならなりふり構わず圧力をかけてくれる。そう読んで、そのためにうまく理論武装をして官邸関係者を洗脳して、「規制改革と言えば何でもできる」と思わせたのではないだろうか。

 有識者たちは、もちろん、汚い争いに直接手を染めるようなことはなく、後に「一点の曇りもない」と胸を張れるような立場をしっかり維持しながら、それをやり抜いた。

 以上は、私の推測だが、決して的外れということはないと思う。彼らは、それくらい、したたかな人たちなのである。



特区諮問会議

安倍首相が、しきりに民間議員がとか有識者がと言って、加計学園の申請が受理されたのは行政指導によるものではないことの根拠に上げていたことを思い起こせばいい。諮問会議の有識者議員やワーキンググループの委員が、民間有識者の立場を利用して自分たちと首相の利益・思惑のために首相の権力を笠に着て好き放題をしている、ということだ。第一に、特区諮問会議というのがおかしな組織だ。諮問会議の規則では、諮問するのが首相や大臣で、諮問会議の議長が首相で、諮問会議のメンバーに大臣が入っている。自分(たち)が自分(たち)に諮問して自分(たち)に答申するようになっている。こんなの諮問会議っていうんだろうか。このあたりのことを誰も指摘していないのは何でだろう。諮問会議は、いわば参謀本部で、ワーキンググループの構成員は参謀ということだ。誰からも諮問を受けずに誰にも答申する必要のない組織だ。自分たちで立案して自分たちで決めることができるようになっているのだから、好き勝手ができるわけだ。民間議員に依ってとか民間有識者に依る言えば官主導ではないから適正だと強弁した安倍首相が「民間」を隠れ蓑にして不正を覆い隠しているのである。

竹中平蔵氏はパソナグループの会長

神奈川県の国家戦略特区で規制緩和された家事支援外国人受入事業について、大手人材派遣会社のパソナが事業者として認定されてます。国家戦略特区の諮問会議の民間議員の一人である竹中平蔵氏はパソナグループの会長。審査する側が仕事を受注したわけだから、審議の公平性が保てない」とAERAで竹中氏に関しての報道がなされてます。5月16日に衆院地方創生特別委員会で採択された国家戦略特区法改正案の付帯決議では、会議の中立性を保つために「民間議員等が私的な利益の実現を図って議論を誘導し、又は利益相反行為に当たる発言を行うことを防止する」と明記されました。竹中氏はいまの国家戦略特区の制度を安倍政権に提案し、自ら民間議員にもなっています。(AERA記事より要約)。高橋洋一氏は小泉政権の時代から竹中平蔵氏と近く、加計学園の件でも今治における獣医医学部新設を後押ししています。郭先生はその著書「国家戦略特区の正体」の中で「特区で得られる利益は外国企業に持ち去られ、地域間、国民間の格差をより拡大させる”治外法権区域”に他ならない」と書いてます。国家戦略特区WGとしては成田の医学部もそうですが、とりあえずは国内での実績づくりを焦っている様に見受けます。そのうち、第二の郵政改革の様な大規模な”規制緩和?”をどこかの特区で行うでしょう。

加計問題、「総理のご意向」を仕組んだ“真犯人”は誰か

加計問題、「総理のご意向」を仕組んだ“真犯人”は誰か ~恐るべき18歳の推理
投稿日: 2017年7月31日 投稿者: nobuogohara
安倍晋三首相も出席して行われた衆参両院の閉会中審査での「加計学園が今治市に獣医学部を新設する話は今年1月20日まで知らなかった」との答弁が、野党の集中砲火を浴び、マスコミでも厳しい批判を受けたことで、加計学園問題に関する安倍首相の疑惑は解消されるどころか、ますます深まっており、一向に沈静化する兆しはない。急速に下落し「危険水域」に入ったと言われている内閣支持率の回復も見込めず、安倍内閣は危機的な状況に陥っている。

こうした中で、まだほとんど注目されていないが、 Tomoaki Kitaguch(北口)氏による【 加計問題の真相?(フィクションとしてお楽しみください)】との注目すべき記事が、フェイスブック上に登場している。ご本人も、「より多くの方に、この考察を読んでいただきたい」と了解してくれたので、以下に全文を引用する。

新たな報道を見聞きして、「加計問題の真相」は、巷で議論・想定されている内容とは違うところにあるのではないか、と考えるようになりました。

以下、報道されている情報を基に、国家戦略特区ワーキンググループ(以下、特区WG)の視点から構成した「フィクション」(少なくとも、現時点では)を掲載します。

信じるか信じないかは、あなた次第です。

*   *   *

『獣医学部新設の制限は、株式会社による農地保有の禁止などと並んで有名な岩盤規制だ。だから特区WGは、2013年の特区制度設立時から、「国家戦略特区がこれらの岩盤に穴を開けなかったら、国家戦略特区の存在意義を問われる」と考えていた。』(特区WGについて、WG座長・八田氏)

安倍首相のビッグスポンサーであるが故に「籠池氏の二の舞」とならないだけで、加計学園は「利用された」のだ。渦中の人となっている、安倍首相・萩生田氏といった政界の大物たちも「利用された」のだ。誰に? そう、「規制緩和ありき」で獣医学部新設を推進してきた、特区WGに、だ。

現在の疑惑の中心は、安倍首相・萩生田氏を始めとする官邸関係者だが、獣医学部新設の実働部隊は、特区WG・内閣府。実働部隊が共有する行動理念は「何がなんでも、獣医学部を新設し、岩盤規制を打破する」というもの。つまり、当初は「加計ありき」というより「規制緩和ありき」だった。悩みの種は「どうすれば、文科省と獣医師会をねじ伏せられるか」ということ。彼らにとっては、岩盤規制にドリルで穴を開けることさえできれば、特区の指定先はどこだって良かった。

獣医学部新設は、特区WGの「実績づくり」のために、致命的に重要だ。「日本の検疫行政の未来」や「石破四条件との適合性」といった観点から、慎重に政策の妥当性を検討する暇などない。最速で規制緩和をしなければならない。しかし、文科省と獣医師会の抵抗は、想定以上に強力だ。「特区が実現しさえすれば、メリットのエビデンスは腐るほど付いてくるはず…。そうなれば、文科省や獣医師会はぐうの音も出なくなるのに…」。市場原理を妄信する特区WGは、皮算用を始めていた。

16年3月時点で公募に応じたのは、加計学園と京都産業大学の2校。「平成30年開学」というゴールから逆算して考えると、京都産業大学では間に合わない。長年申請を続けてきた(程度が低かったのか、15回却下されているが)加計学園の方が、準備も進んでいるはずだ。

8月に地方創生相が、石破氏から山本氏に代わった。これを「官邸からのメッセージ」と捉えた特区WGは、ついに加計学園に白羽の矢を立てる。「規制緩和ありき」が「加計ありき」に変わった瞬間だった。「加計学園で、ほぼ確定」と内定を伝え、開学への準備を急いでもらう。一般公開されていない裏情報を渡したり、申請書の内容にアドバイスしたりして、認可のハードルを下げるといった工作もした。

文科省・獣医師会の同意を未だ取り付けられていない中で、「見切り発車」を一私大に求めることには、懸念もあった。交渉が上手くいかなかった場合、莫大な損失を与えながらも、政府として責任を取ることは不可能、という事態に陥りかねないのだ。しかし、特区WG内部では、「加計学園なら、大丈夫だろう」という打算があった。加計学園の、圧倒的な「政治的コネクション」に賭けたのだ。

パートナーの愛媛県知事・加戸氏は、言わずと知れた「アベ友」。「愛媛県への大学誘致」(獣医学部新設ではない)を悲願とする彼は、獣医学部新設に並々ならぬ情熱を注いでいる。しかも、文科省のOB。加戸元知事だけではない。加計学園サイドは、政界に強い影響を持つ人物を、多数擁している。安倍首相と加計理事長は、自他ともに認める「腹心の友」の間柄。千葉科学大学客員教授を務める萩生田氏は、内閣官房副長官。加計学園で理事を務める木曽氏は、元内閣官房参与で、文科省OBだ。

「加計学園で行きます。でも、文科省と獣医師会がうるさくて…」。こう伝えれば、特区WGの感知しない部分で、憎き文科省・獣医師会に「政治的な圧力」をかけてくれるのではないか。「獣医学部新設のためなら、どんな手段でも使う」、そう胸に誓った特区WGにとって、「加計ありき」路線の選択に迷いは無かった。この判断を端緒として、単なる「規制緩和ありき」の段階では考えられなかった速さで、事態は進展していくことになる。

果たして、先述の面々は、様々な形で「政治的な」折衝を行った。16年9月~12月のことである。文科省の前川事務次官には、あの手この手で揺さぶりをかける。獣医師会には、山本大臣が直々に馳せ参じる。この時点では「加計ありき」は隠さなければならないのだが、山本大臣は「加計で行きます」と口を滑らせてしまった。根が正直で、政治工作に向かないのだろう。何はともあれ、各員の努力が奏功して、文科省・獣医師会の抵抗も徐々に収束してきた。

「加計ありき」路線に同調する権力者が、各所で「総理の意向」をちらつかせたのは、大きかった。内閣人事局と国民の支持率に由来する「絶大な権力」を有する安倍晋三に盾突く者は、もはや日本の政界にはいない。また、案件が「獣医学部新設」であるだけに、「総理の意向」の中身についての「ミスリーディング」が期待でき、実質的な圧力は二倍。というのも、「スピード感を持って規制緩和する」という「総理の意向」を、それとなくボカして伝えるだけで、「加計学園で何としても獣医学部新設を実現する」とのメッセージとして解釈してくれるのだから、扱いやすい。どうせ、オトモダチの加計理事長から色々頼まれているのだろうから、罪悪感など欠片も無い。規制緩和のために、有効に活用させてもらうまでだ。

交渉の過程で飛び出した、「獣医学部の空白地帯に限る」や「一校・一地域に限る」といった後付けの条件は、最終的には「全国展開」を見据える特区WGとしては不本意なものだが、「加計ありき」で動いてくれている人々にそれを言っても仕方のないことだ。「1つの区域で規制改革が認められれば、他の区域でも認められる」という「特区ルール」を発動させることができれば、「事情が変わった」などと言い訳して、ちゃぶ台返しすれば良い。加計学園で実現すれば、後はどうとでもなる。後付けの条件で京都産業大学も手を下してくれたし、向かうところ敵なし。8月の文科省設置審で不認可にでもしようものなら、「総理の意向」で文科省解体しまっせ…(脅迫)。

規制緩和バンザイ! 自由競争バンザイ! 安倍首相バンザイ!

*   *   *

…以上、北口の妄想でした。安倍首相・萩生田官房副長官・前川前次官・加計理事長・加戸前知事…などと、役者揃いの「加計問題」ですが、どうも彼らは「何者かの手玉に取られている」感が、半端ない。では、この問題に「黒幕」がいるといたら、誰か。「規制緩和ありき」で突き進んできた特区WGなのではないか。「獣医学部新設」という彼らの目標を実現するために、安倍首相も「加計ありき」の人々も、利用されたのではないか。このような直感と、「疑惑は確かに存在しているのでは」という素直な実感に従って、ストーリーを描いてみました。

あくまでフィクションですが、既存の報道と不整合な部分があれば、ご指摘願いたいです。僕が知っている範囲の情報とは、整合性が取れるように組み立てているつもりですが…。現時点では、きちんと突っ込み始めたらキリがないくらいのミスはある気がします。

最後に、もう一度。「「信じるか信じないかは、あなた次第です。」」



北口氏は、「妄想」、「フィクション」(少なくとも、現時点では)などと言っているが、加計学園をめぐる問題全体に対する極めて鋭い推理・分析に基づく、リアリティ溢れる「迫真のストーリー」であある。

しかも、驚くべきことに、これを書いた北口氏は、フェイスブックに掲げられている「ディベート甲子園」、「地学五輪」、「数学理科甲子園」等での輝かしい成績から、“灘高校3年在学中の高校生”と特定できる。



特区WGの主体的かつ積極的な動きへの着目

この「北口ストーリー」の特筆すべき点は、「加計ありき」の獣医学部新設の動きに関して、野党での国会での追及、マスコミ報道などが「安倍首相と加計孝太郎氏との『腹心の友』の関係」に偏り、そこに、世の中の関心も集中している中で、国家戦略特区特区ワーキンググループ(以下、「特区WG」)の動きに着目し、それを中心軸に関係者の動きをとらえるという「視点」、そして、安倍首相などの政権首脳と文科省の前川前次官らが、まるごと「何者かに手玉に取られている」のではないか、「真犯人」は特区WGではないかとの「推理」を行っていることである。

前者の「視点」は、加計学園問題全体を分析・整理した私のブログ記事【加計学園問題のあらゆる論点を徹底検証する ~安倍政権側の“自滅”と野党側の“無策”が招いた「二極化」】を参考にしてくれたものだと思うが、特区WGを「中心軸」としてとらえるという「視点」は、私にはなかった。そして、後者の「推理」は、私には考えも及ばなかった奇想天外な「ストーリー」であるが、そこには、かなりのリアリティがある。

この「特区WG真犯人ストーリー」のリアリティの最大の根拠となるのが、特区WGの民間議員らが、今回の加計学園問題に関して、異常なまでに「主体的かつ積極的に」動いていることである。

6月13日には、国家戦略特区諮問会議の有識者議員(民間議員)及びWG民間議員が記者会見を行い、今治市に獣医学部の新設を認めた手続にも経過にも全く問題はない、

一点の曇りもない

と断言した。そこで根拠とされた《2016年3月末までに文科省が挙証責任を果たせなかったので、勝負はそこで終わっている。延長戦で9月16日にワーキンググループをやったが、そこで議論して、もう「勝負あり」》とする「挙証責任」「議論終了」論を、特区WGの民間議員の八田達夫氏や原英史氏が、国会の参考人質疑で滔滔と述べている。

また、原氏と同じ株式会社政策工房の会長の高橋洋一氏は、前川喜平氏が加計学園問題で「行政が捻じ曲げられた」と公言した頃から、「挙証責任」「議論終了」論をネット記事やテレビ出演で繰り返し主張し続けている。

この特区WGの主張は、「4条件」の閣議決定の文言・趣旨とも、実際のWGでの議論の経過とも一致しておらず、凡そ通る余地はない。それは、7月8日放映のBS朝日「激論!クロスファイア」での高橋氏と私との「激論」からも、私のブログ記事(【加計問題での”防衛線”「挙証責任」「議論終了」論の崩壊】【加計学園問題のあらゆる論点を徹底検証する ~安倍政権側の“自滅”と野党側の“無策”が招いた「二極化」】)などからも明らかだ。

ところが、その後も、特区WGの民間議員達は、「挙証責任」「議論終了」論によって加計学園の獣医学部新設を認めたことを正当化する主張を、今なお続けている。

特区担当の山本幸三大臣は、特区WGで獣医学部新設に関する議論が続いていた2016年11月には、大臣自らが獣医師会に乗り込んで、獣医学部新設を認めるように説得したり、国会答弁では「挙証責任」「議論終了」論をそのまま「受け売り」するなど、その答弁は、安倍首相や松野博一文部科学大臣の答弁などからも遊離し(7月24日の参院予算委員会閉会中審査での日本維新の会浅田均議員の質問等に対する答弁)、「閣内不一致」ともいえる状況になっている。

しかも、24日の国会での山本氏の「加計学園と同様に獣医学部新設を検討していた京都産業大とも連絡をとっていた」との答弁について、内閣府は、26日に、「大臣が答えた中身について確認できていない」とする見解を明らかにしており、山本氏の対応は、内閣府の担当部署とも乖離しているように思える。

これらから見えてくるのは、加計学園問題をめぐって、野党・マスコミの追及に対抗する側が、安倍首相を中心とする内閣・政府の組織と、特区WGの民間議員達と彼らに担がれた山本担当大臣に「二分化」しているという異常な構図なのである。

北口氏は、そこから、「特区WGが、主体的に『加計ありき』の獣医学部新設に向かって動き、それが問題とされるや、『挙証責任』『議論終了論』によって正当化する主張を積極的に行っている」という「特区WG主導のストーリー」を想定したのであろう。



特区WGが「安倍首相の意向への忖度」を利用したとの“大胆な推理”

そして、そのような「特区WG主導のストーリー」から、北口氏は、次のような「大胆な推理」を行うのである。

和泉洋人首相補佐官が、前川前文科次官に対して「総理が言えないから、私が言う」と言って、獣医学部新設を認める方向での文科省の対応を促したこと、萩生田光一官房副長官が、文科省の高等教育局長に「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた」という趣旨の発言をしたこと、そして、それらから、文科省側は「総理のご意向」を感じ取り、前川氏も総理の意向で文科省の行政が捻じ曲げられたと考えたことなどは、ほぼ事実である。それらは、これまで、「『腹心の友』の加計氏の便宜を図ろうとする安倍首相の意向」に結び付けられてきたが、実は、安倍首相の「お友達」が経営する加計学園の獣医学部新設を俎上に載せれば、関係者に当然に「安倍首相の意向への忖度」が生じて、学部新設を早期に実現しようとすることを熟知していた特区WGの民間議員達が、それらを、丸ごと利用したのではないか。

北口氏は、「安倍一強」体制の下で、首相本人の意向が明確に示されなくても、それを確認することなく、「忖度」するのが当然の状況にあり、その構図をうまく利用すれば、「加計ありき」の獣医学部新設が「総理のご意向」によって進められているかのように認識し、猛烈な勢いでその実現に向かって邁進させることも可能だったのではないかと考えたのである。選挙で選ばれたわけでもない特区WGの民間議員達は、「忖度」の構図を巧みに操って、「獣医学部新設」で岩盤規制を打破するという彼らの目標を実現したのではないかと「推理」するのである。

この推理の下では、関係者の証言の多くが、矛盾なく整合していく。安倍首相は、加計氏から今治市での獣医学部新設について何の依頼も受けておらず、その認識すらなかったとの、「にわかには信じ難い弁解」が仮に真実であったとしても、「文科省の行政が捻じ曲げられた」との前川氏の主張と相反することもない。特区WGの仕掛けによって、官邸・内閣府側と文科省側という対立する両者が、いずれも「安倍首相の意向」のように信じ込んだということで、事実として両立するのである。



国家戦略特区という制度の歪みの現実化

唯一、リアリティに疑問の余地があるとすれば、特区WG民間議員達に、そこまでのことをする「動機」がどこにあるのか、という点であろう。しかし今回の加計学園問題は、国家戦略特区という制度の歪みが現実化したものと考えれば、特区WG民間議員達が、北口氏の「推理」どおりの動きをすることも決してあり得ないことではない。

国家戦略特区という制度の歪みと重大な問題を指摘する著書【国家戦略特区の正体】(集英社新書)を、加計学園問題が表面化する前の今年2月に公刊した郭洋春立教大学教授は、加計学園問題表面化後のインタビュー記事【疑惑は加計学園だけじゃない? デタラメすぎた「国家戦略特区」の“歪んだ行政”】で、次のように述べている。

そもそもの制度設計に重大な欠陥があります。その問題点が日本経済全体に長期的な悪影響を与えるよりも先に、加計学園問題で噴出してしまったと言えるでしょう。運用面も含めたそのデタラメぶりは私が想像していた以上かもしれません。

今治市の分科会に出席したメンバーを見ると、八田達夫という名前が出てきます。「民間有識者」という立場での出席ですが、アジア成長研究所所長・大阪大学名誉教授である八田氏は、実は国家戦略特区構想の制度で重要な位置を占める「ワーキンググループ」の委員でもある。この点は見逃すことができません。

ワーキンググループというのは、国家戦略特区に指定された各地域から上がってくる事業提案を審査する立場にある機関です。その立場にある人物が、各地域がどの事業を提案するかを考える分科会にワーキンググループの委員という肩書きではなく「民間有識者」という立場で出席しているのです。

郭教授は、特区WGの座長の八田氏の「利益相反的な立場」を指摘しているが、同氏とともに、特区WGで獣医学部新設に向けて中心的な役割を果たし、国会でも何回も参考人として「挙証責任」「議論終了」論を述べている原英史氏については、一層妥当する。

原氏は、「株式会社政策工房」の社長であり、同社の会長が高橋洋一氏である。同社の経営実態は不明だが、高橋氏は、以前、ラジオ番組で共演した際に、「政策や法律案を作ることに関する業務」と説明していた。国家戦略特区という制度に関して、原氏がどのような立ち位置にあるのか、規制緩和や特区の政策や運用について国からの委託を受ける一方で、規制緩和策によって利益を受ける事業者の側からも業務を受託していることも考えられる。

そのような立場の特区WG民間議員なのであるから、「岩盤規制の撤廃」で実績を上げることを至上命題とし、それに関する重要な案件である「獣医学部の新設」に、手段を選ばすに邁進したとの北口氏の推理も、あながち不合理とは言えないのである。



ストーリーは加計問題の「疑惑」を否定するものではない

北口氏の「加計問題の真実」で書かれている「特区WG真犯人ストーリー」にはリアリティがあり、それが真実であった可能性は十分にある。

そして、仮に、ストーリー通りであったとしても、国家戦略特区で加計学園の獣医学部の新設を認める決定を行ったことが、行政を捻じ曲げる不当ものであることに何ら変わりはない。特に、京都産業大学が応募を断念せざるを得なくなった「平成30年4月開学」の条件設定の合理的な説明は困難であり(【京産大記者会見への反応に見る”更なる「二極化」”】)、獣医学部の新設が、何らかの不当な力が作用する中で行われた可能性が否定されるものではない。

特区WGと文科省側との最大の対立点になっている「獣医師をめぐる需給」の問題について、最近出された記事【加計学園問題に関する単純な疑問「日本では獣医師が不足しているのか?」】において、特区WGが「錦の御旗」にした「獣医師の不足」という主張も、客観的な数字に基づいて比較すれば、その論拠は極めて薄弱であることが示されている。



安倍首相自らが招いた「冤罪的要素」の可能性

仮に、特区WGが「真犯人」で、「総理のご意向」の“忖度”は彼らに仕組まれたものだったとすると、加計氏に便宜を図ったと疑われたことについて、安倍首相にとっては「冤罪」的な要素があったことになる。

しかし、仮にそうであったとしても、「冤罪」的な要素は、すべて安倍首相自身が招いたものである。

まず、「安倍一強」体制の下で、官邸、内閣府等において、安倍首相本人の意向を確認することなく、それを「忖度」するのが当然のような雰囲気が作られていたことに根本的な問題がある。

【加計学園問題のあらゆる論点を徹底検証する ~安倍政権側の“自滅”と野党側の“無策”が招いた「二極化」】でも述べたように、安倍首相にとって、加計学園に関して問題を追及された際に不可欠だったのが、《国家戦略特区に関する権限を有する総理大臣と、加計学園理事長とが「腹心の友」であることの「利益相反」の問題》と《諮問会議とWGの民間議員のメンバーに国家戦略特区に関する「判断」を行わせることの公正・中立性に関する問題》を認識することだった。そして、それらについて反省すべき点は反省し、改善の検討をする旨言及していれば、加計問題が大きな問題になることはなかったはずだ。

しかし、そのような認識を欠いたまま、当初の野党の質問に対して、「全く問題ない」と言い切ったために、従来の文科省の方針に反して獣医学部の設置認可を迫られた文科省側の反発を招き、その後、「総理のご意向」などと書かれた内部文書の存在が指摘され、前川氏が記者会見で「文書は確かに存在した」「文科省の行政が捻じ曲げられた」と発言するという事態に至った。

もし仮に、安倍首相側に本当に何もやましいことがなく、官邸・内閣府に対する指示・意向も全くなく、安倍首相と加計氏との親密な関係は、国家戦略特区での加計学園の獣医学部新設を認めることに全く無関係だったとすれば、それにもかかわらずここまで深刻な事態に追い込まれたことは、すべて安倍政権側の対応の誤りのためだったということになる。そうだとすると、安倍政権の危機対応能力の欠如は、ほとんど病気に近いものと言わざるを得ない。

しかも、安倍内閣の支持率が大きく下落し、「国民に丁寧に説明する」と自ら明言した後も、安倍首相は、疑惑を一層深める対応を繰り返している。閉会中審査の段階で、「加計学園の獣医学部新設の話を1月20日に初めて知った」などと、誰にも信じてもらえない内容の答弁を行い、翌日の質疑で過去の答弁の訂正に追い込まれるという大失態を演じた。

そもそも国家戦略特区という枠組みを作り、アベノミクスの成長戦略の「第三の矢」に位置付けたのは安倍首相自身である。その枠組みが、特区WGの暴走につながり、それに安倍首相の意向への「忖度の構図」が利用されたとすれば、それも、すべて安倍首相の責任である。

安倍首相に、今、必要なことは、北口氏の「特区WG真犯人ストーリー」を十分に念頭に置いて、国家戦略特区で獣医学部新設を認めるに至った経緯と判断の是非を、加計学園の大学経営の実態、今治市側の特区申請に至る経緯等も含めて全面的に検証すること、それも、独立かつ中立の第三者による調査に委ねることであろう。



驚異の18歳!

それにしても、恐るべき18歳である。「大人の世界」が不毛な追及と弁解に終始して全く事態の収拾が見通せない状況において、加計学園問題全体を俯瞰し、「特区WGの主導性」に着目し、「総理の意向」が利用されたかという問題の本質を見抜く推理・分析力と、それをストーリー展開させていく能力は、常識を遥かに超えている。検事時代に様々な検察独自捜査に関わった経験や、特捜検察と司法マスコミの癒着を主題とする推理小説【司法記者】(講談社文庫)も書いた経験もあり、推理・分析力、ストーリー展開力にはそれなりの自負を持っている私だが、北口氏のストーリーには、完全に脱帽である。「将棋の世界での藤井聡太四段」に匹敵すると言っても過言ではない。

国の権力の中枢である首相官邸が、首相の国会答弁の混乱を回避することすらできず、事態を一層深刻化させてしまう惨憺たる状況にあり、危機対応能力の欠如と人材不足が絶望的にも思える中、我々は、北口氏のような十代の若者達がこの国を救ってくれる時代がくることに望みを託すほかないのであろうか。